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同棲時代

同棲時代

10完結!

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作品のあらすじ
売れないイラストレーターの次郎と、小さな広告会社に勤める今日子は、デザイン学校の同級生。初めてデートをした夜から3日後、同じ屋根の下で暮らし始めた。毎日をのほほんと暮らす二人は、仕事も家庭も性も曖昧にしていられるのは同棲しかないと思っている。次郎23歳、今日子21歳――。このままでいいのだろうか…。
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    売れないイラストレーターの次郎と、小さな広告会社に勤める今日子は、デザイン学校の同級生。初めてデートをした夜から3日後、同じ屋根の下で暮らし始めた。毎日をのほほんと暮らす二人は、仕事も家庭も性も曖昧にしていられるのは同棲しかないと思っている。次郎23歳、今日子21歳――。このままでいいのだろうか…。
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    今日は一緒に暮らし始めてから一年目、いわば同棲記念日。しかし次郎は雑誌の編集長に誘われて、夜の銀座にいた。初めての銀座になじめず、悪酔いしてしまう次郎。そして部屋で一人、帰らぬ次郎を待つ今日子。もう、気がつけば二人の春はおわっていたのだろうか。
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    憧れの出版社に転職した今日子。次郎も大物作家のエッセイの挿絵を任されることになった。二人はフランス料理のレストランで祝杯を挙げる。もっとよく知りたいと思って暮らし始めたのに、気がつけばだんだんわからないことのほうが多くなっていった二人。「愛している」「愛されている」の実感が二人を静かに包み込む…。
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    今日子が次郎の子どもを妊娠した――。とうとう来てしまったその日。どうしていいかわからず戸惑う次郎は、病院の帰り、今日子とはぐれてしまう。一人、橋のたもとで今日子を待ち続ける次郎。その頃今日子は、とほうもなく重い心を抱いて、たったひとりで街をさまよっていた。
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    次郎に内緒で子どもを堕胎した今日子。心がぼろぼろになった今日子は自殺未遂を図り、そのショックで精神に異常をきたしてしまった。次郎と今日子を包み込む絶望。愛をすべての理由として生きてきた結果、二人はいまその愛によって罰せられようとしていた――。
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    ある日、病院を訪ねたら今日子の姿が消えていた。義父が次郎に内緒で今日子を信州の病院に転院させたのだ。屈辱と、口惜しさと、喜びと、安堵と、複雑な感情が胸をかけめぐる次郎。そして今日子のいない生活に漂う、心の芯から冷えていくような孤独。今、二人の愛は引き離された――。
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    信州の人里離れた病院で、異常に包まれた生活を送る今日子。意識は正常を取り戻してきたが、大量に投与された薬品は胃を蝕み、病院での生活は限界に来ていた。今日子からの手紙を受け取った次郎は、彼女を取り戻すために信州の病院へ向かう。再び、二人のあの生活が始まるのだろうか…。
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    再びアパートで同棲を始めた二人。しかし、日々の生活は愛からその意味を抜き取っていくだけだった。結婚というものを通り越して、時間を過ごしすぎてしまった二人。不幸を分け合い、そしてその不幸はまたひとつになる。愛すること、それは愛の意味をますます深く見失うことなのか。
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    体調がすぐれず病院へ行った今日子は、医師から残酷な診断結果を告げられる。前の堕胎が原因で起きた、不妊症…。子どもなんかいらない、ただ一緒にいたいから暮らしてきただけなのに。しかし、目の前の現実は二人の心に重くのしかかってくる。
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    鳥取の実家に帰省した今日子にもはや東京へ戻る気はなく、ある日、次郎の下へ別離を告げる電話をかける。いてもたってもいられなくなった次郎は、仕事を投げ出して鳥取に向かう。寒空の下、公園で話し合う二人だが、今日子の決意は固く…。二人の同棲生活はこのまま破局を迎えてしまうのか?その後の二人を追った番外編まで完全収録した、感動の完結篇!