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稲川淳二のすご~く恐い話

稲川淳二のすご~く恐い話
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作品のあらすじ
「おまえ、このタンスの後ろ、壁じゃないぞ…たぶん、これ、なんかあるぜ。」とにかく、動かそうということになって、中の物を出して、動かしたんですよ。そうしたら、あるんですよ。ほら、ギッと開ける、1枚の開きの戸の押入が。「でも、絶対におかしいよ。この押入が使えるのに、なんでタンスで覆っちゃう必要があるの。大体さあ、大家さんが、タンス使っていいですよ、ってそれも普通、ねえぞ」そしたら、一人が「開けようか」と言い出して…。
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    「おまえ、このタンスの後ろ、壁じゃないぞ…たぶん、これ、なんかあるぜ。」とにかく、動かそうということになって、中の物を出して、動かしたんですよ。そうしたら、あるんですよ。ほら、ギッと開ける、1枚の開きの戸の押入が。「でも、絶対におかしいよ。この押入が使えるのに、なんでタンスで覆っちゃう必要があるの。大体さあ、大家さんが、タンス使っていいですよ、ってそれも普通、ねえぞ」そしたら、一人が「開けようか」と言い出して…。
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    その死に方なんだけど…トンネルの中の私らが「寒い」って言った場所、ちょうど中央付近、そこで車が一回転してたんですよ。タイヤを上に向けて。ありえないことなんですよ、絶対。そんなに広くないんですから…。「それだけなら、まだいいんだけど、稲川さん。そいつ、車から飛び出していて、胴体と下半身が、真っぷたつに切断されていたんだよ」その時、調べた警官も、なんでそうなっちゃったのか、わからないらしいんですね。
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    ウワッ!あ、あれは絶対に人間じゃないぞ。この世のもんじゃない!そいつはしゃがみ込んで、そばにいる奴の顔を見ている。やがて、何かブツブツ言いながら立ち上がって、次の奴のところに行って、しゃがみ込む。そして、又立ち上がって移動する。待てよ、俺、あいつをトイレで見てるから、あいつ俺を捜してんのかなあ…段々、位置がずれてきて、近づいてくるのが判る。やがて、“ツツーッツツーッ”と畳がするような音がする。隣だ!隣に来てる!次は俺なんだ、次は俺なんだ…
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    「小屋ん中、明るいんだぜー。見たらさぁ、真赤なんだよ。明るいんだよ。で、中には誰ーもいないんだよ」「うん」「で、台だけが置いてあってな」「うん」「その上に、柩が置いてあるんだよ」「うん」「で、よーく見ると、柩のなかに、誰かが入ってるんだよ」「うん」「で、誰かなーって思って、よーく見たんだよ。そしたらな…その柩の中にいた奴は、俺だったんだよ」「ばか、お前、ここにいるじゃないか。そんなところに、いるわけないじゃないか。」
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    ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ…こちらへ近づいてくる。砂利を踏み締める音が、だんだん、だんだん大きくなって来て、女の子らしき子が近づいてくる。「あ~ボールかっ」と思って、まわりを捜した。「おっ、あった。ウッ!?んッ!?」ザラっとしてる。「コレ、結構重い…」するとその子がにゅ~っと手を出して、その子の手にそのボールを乗っけてやったら、重かったんでしょうねぇ、カクっと、前に体が出た。瞬間、上半身が見えた。見た瞬間…「ウッ」肩の上に頭がナイ……