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現代柔侠伝

現代柔侠伝

16完結!

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作品のあらすじ
“柔侠伝”シリーズでお馴染みのバロン吉元先生の『昭和柔侠伝』に続くシリーズ第3弾。主人公も、柳勘太郎(言うまでもなく、昭和柔侠伝の主人公)の息子で、柳家3代目の柳勘一。この第1巻は、戦後の激動と混乱の時代を、ほがらかに、明るく強く生きる、幼少時代の勘一少年を中心に描かれる。終戦直後の“焼け跡闇市”の時代も、遠いむかしの話であるが、さすがのバロン先生。この作品でも、的確な時代考証と見事なばかりのストーリー展開で、わくわく胸踊らせてくれる。作品自体が長編のため、この第1巻は、“焼け跡闇市”の時代をけなげに生きる勘一少年の話が中心だが、強烈で感動的な読後感があり、つい、第2巻にも手を伸ばしてしまうのだ。
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    “柔侠伝”シリーズでお馴染みのバロン吉元先生の『昭和柔侠伝』に続くシリーズ第3弾。主人公も、柳勘太郎(言うまでもなく、昭和柔侠伝の主人公)の息子で、柳家3代目の柳勘一。この第1巻は、戦後の激動と混乱の時代を、ほがらかに、明るく強く生きる、幼少時代の勘一少年を中心に描かれる。終戦直後の“焼け跡闇市”の時代も、遠いむかしの話であるが、さすがのバロン先生。この作品でも、的確な時代考証と見事なばかりのストーリー展開で、わくわく胸踊らせてくれる。作品自体が長編のため、この第1巻は、“焼け跡闇市”の時代をけなげに生き
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    第2巻も幼少期の勘一少年の活躍を軸に話はすすむ。父・柳勘太郎もすでに復員済みで、終戦後2~3年の“焼け跡闇市の時代”に、請われてテキヤ(露天商)の一員となる。母・朝子は、これも人生のアヤで婦人警官となるが、父・勘太郎同様、勘一と出会うことは、まだない。この親子3人、とことんすれ違ってしまうのだ。また、ヤクザや暴力団まがいの新興テキヤが跋扈する時代に、柳勘太郎は「鬼勘一家」という一家を構え、テキヤの親分となる。その頃の勘一少年は旅まわりのサーカス団の一員として、全国各地を巡業して回っているのだが、ここでも当
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    道場主に見込まれ、青森の“梵天道場”で合気道の修行をした勘一は、北海道から鹿児島へと巡業の旅をつづける。まだ幼いとはいえ、サーカス団の一員の勘一は、日本中を旅してまわるのも仕事なのだ。けれども、鹿児島の旅は勘一少年に幸運をもたらす。青森の梵天先生の古い友人の徳三砲という人物をとおし、柔道と出合うのだ。愛くるしくはあるが、陽気で正義感も強い勘一少年には、まさにうってつけの幸運な出会いだった。時代は、まだ戦後の昭和24年。GHQの意向ばかりが優先される時代であったが、わが国のヤクザやテキヤの勃興ぶりもめざまし
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    島田大サーカスの公演の旅で、勘一少年も熊本を訪れ、空中ブランコでデビューする。が、いきなりの落下で、勘一少年のサーカス人生にも暗雲が立ちこめる。柔道のほうは、ガマ先生こと、村木彦政七段を紹介されて、順風満帆……だが、今度はサーカス小屋が火事になる。まさに、波瀾万丈を絵にかいたような人生だが、勘一少年は、どこまでも明るく、元気だ。その間、父の勘太郎は、菊水グループの滝村の陰謀で、殺人罪に問われ、収監される。勘一少年の人生は順調でも、昭和24~5年当時の世の中は、まだまだ殺伐としているのだ。占領軍司令官・マッ
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    昭和31年、この年、柳勘一は、熊本の鎮西高校の一年生で、柔道部員であった。一時期、得意の絶頂にあった菊水グループ会長・滝村もGHQの謀略で逮捕され、この頃ではすでに“過去の人”となっていた。また父親の柳勘太郎は、無実が証明され、昭和26年に無罪、釈放されている。しかし、同じ年に都内の露店も全廃され、テキヤの大親分・柳勘太郎にとっては、世間の風は、想像以上に冷たいものとなっていたのだ。そして、時が移り、昭和31年、柔道に精力を注いでいた柳勘一は、長い間、音信不通だった母・朝子と再会することになる。父・柳勘太
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    高校が夏休みに入る前の、昭和31年7月。勘一の母・朝子が熊本まで勘一に会いに来る。勘一は、熊本城から水前寺公園、そして、田原坂、阿蘇高原……と、いろいろなところを案内して、朝子をもてなす。長い間、会うことのなかった、実の母親との東京での出会いだった。熊本での再度の出会いが、何よりうれしく、楽しいものだったことは、言うまでもない。そして、その高原で勘一は、吹雪茜という美少女と出会い、ひとめ惚れしてしまうのだ。熱血漢・柳勘一の柔道人生は、このようにおおむね“順調”なのだが、その他のことは、まだまだ波瀾ぶくみだ
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    昭和31年8月、柳勘一は、熊本・鎮西高校の一員として、全国高校柔道選手権大会に出場する。この大会でも勘一は、無類の強さを発揮して連戦連勝。ことに決勝戦では、“宿命のライバル”、薩南商の辺見一郎と先鋒戦で対戦し、「電光投げ」で、かろうじて勝利する。勘一の活躍もあって、団体戦は鎮西高が優勝するのだが、肉親の愛情に恵まれなかった勘一にとって、何よりうれしいことは、この大会には、父・勘太郎も、母の朝子も応援に駆けつけてくれたことだ。吹雪牧場の茜の“プレゼント”と同じくらい嬉しいでき事だったのだ。そして、優勝後、勘
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    この第8巻には、巻頭から番外篇として、『ブル』と『でこんの花』の2作品が収録されている。番外篇とはいえ、この2作品、本篇をより楽しむために、なくてはならない大切な話なので、ぜひご一読を。さて、本編では、高校3年生となり、柔道部のキャプテンとなった柳勘一を軸に話は進む。そして、初キッスの相手・遊子とも偶然出会った勘一は、感激の初体験となる。柔道では、県大会を突破。しかし、ライバルの辺見一郎、ヤクザの赤松組や鉄心会との関係、純愛の相手・吹雪茜との初キッス。二人の関係もより複雑になり、ますます、目が離せない展開
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    高校柔道九州大会の前日、柳勘一は鉄心会の陰謀で、たらふく飲酒するハメになり、その後、襲撃される。翌日の大会は、二日酔いで出場するが、準決勝で宿敵・辺見一郎が大将の薩南商と対戦する。結果、チームは勝利するが、辺見との大将戦は、かろうじて引き分けに終わる。この結果に猛省した勘一は、金鷲旗、そして、インターハイへと向けて、更に精進をつづけていく。吹雪茜との関係は、まぁ、順調に推移しているが、山鹿の灯籠祭りでは、赤松組の社長が、鉄心会の鉄砲玉に命を狙われる。物語も佳境に入り、柳勘一の活躍には血湧き肉躍る…というと
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    大分で開かれた金鷲旗大会で優勝した鎮西高の柔道部は、熊本には戻らず、そのまま全国高校柔道選手権大会の開催される東京の講道館に向かった。大会へ向けて、練習相手は拓殖大学の柔道部員。ここで鍛えなおして、高校日本一をめざすのだ。大会の出場チームは、全国から50チーム。柳勘一の電光投げもあり、予選リーグを軽々と突破。ベスト16からのトーナメントに挑む。宿命のライバル、薩南商の辺見一郎も絶好調。二人の激しく、熱い闘いの結果や如何に……というところか。また、この10巻の「蛟龍期」から柳勘一は、拓殖大学の1年生となり、