「山田君のざわめく時間」単行本配信記念、中丸先生インタビュー記事をお届け!
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山田君のざわめく時間の制作秘話
- キャラクター像の「モデル」はいらっしゃいますか。
- この漫画は自分の実体験を元に制作したので、山田は自分に比較的近い感情を持つキャラクターだと思います。その他のキャラクターには具体的なモデルはいません。ただ 、キャラクター作りの上で「山田と対比になる存在」がいればいいなと思いながら、漫画を制作しました。
- 山田はご自身に近いキャラクターということで、中丸先生の周りで他にこの人とこのキャラクターは気が合いそう・話が合いそうといった身近な方はいらっしゃいますか。
- 誰だろう…。難しいですね。正直、KAT-TUNの2人は『山田君のざわめく時間』の登場人物とは、あまり気が合うイメージが湧かないかもしれないですね(笑)あくまでイメージですよ。 他に身近な人でいうと、よにの(※中丸先生も出演中のYouTubeチャンネル)のメンバーは共感してくれるような気がします。
- 今お話に出てきた、KAT-TUNのお2人とよにのの皆さんには、単行本をまだ渡されていないのですか。
- そうですね。まだ渡せていません。でも出来れば、みんなに手渡して見てほしいですね。さらに単行本版発売について宣伝までしてくれるとすごく嬉しいです(笑)
- 山田君はご自身と近いキャラクターというお話がありましたが、山田君の性格や感覚にはどれくらい共感できますか。
- 90%位です。そもそも、知らない領域のストーリーを書くには入念な下調べが必要で、正直ハードルが高いと感じていました。そこで、自分の感情をストーリーで表現できれば、より良い作品になるかなと思って。自分の感情を元にストーリーを書いたので、山田君と自分はすごく近い存在だと思います。
- では、山田君とは正反対のごうわんくんは中丸先生とはあまり気が合わないキャラとして描かれたのでしょうか。
- 先程もお話に出たように、自分の感情を表現した方が感情のより繊細な描写ができると思ったこともあり、ごうわんも斉藤も僕の要素が入っていると思います。ごうわんは友達に都市伝説を何時間も話して、周囲の人からめんどくさいなって思われちゃうようなキャラクターだと思いますが、実際僕もそういうところがあるんですよね。
- どのキャラクターにも中丸先生の要素が含まれているのですね。パーセントで表すと各キャラにどのくらい中丸先生の要素があると思いますか。
- 山田は90%、ごうわんは30%、斉藤は30%位ですかね。斉藤については、パソコンや機材が好きという部分で僕の要素が含まれています。ただ、自分の感情に一番近いキャラクターは山田ですね。
マンガ家としての中丸雄一
- 中丸先生は、マンガ家としての側面と芸能人としての側面をお持ちだと思います。忙しいスケジュールの中で、このお話はネタになりそうだなという予感を感じる瞬間があれば教えてください。
- 芸能のお仕事をしているときは、なかなか難しいですね。この作品は普段の生活の話をネタとして描くことが多いです。
- マンガ家としてデビューされたときと単行本の制作が決まったときではそれぞれ、異なる大きな感慨があったと思うのですが、それぞれの心境を教えてください。
- アフタヌーンに月刊連載として自分の作品が掲載されるのは、子供の頃からの夢だったので、デビューが決まったときは感動しましたね。単行本に関しては、マンガ家として本格的に漫画を描き始めたときから、意識していた目標だったので、目標を達成できたという喜びが大きかったです。
- 本格的に漫画制作に取り組み始めてから世に出すまでの時間はどのような時間でしたか?
- 早く世に出したい気持ちもありました。だけど、自分の中にある「世に出すならこれくらいやりたい」といったレベルまで到達するのに、長い時間かかった感覚はありますね。
- マンガ家として作品のクオリティを追求しつづけた時間だったということですね。
- そうですね。タレントである自分とマンガ家である自分、完全に切り離すことはできないですけどね。タレントだからとクオリティを妥協せず、他のプロのマンガ家さんの作品と並ぶことを考えて、可能な限り遜色がないレベルまでクオリティを上げたいと考えながら制作していました。
- 大人になると、夢を実現するには困難が沢山ありますよね。中丸先生は、マンガ家になるという夢を叶えられましたが、今夢を持っているけれど実現できていないなと感じている人がいるとすれば、どのような言葉をかけてあげたいですか。
- そんな偉そうなことは言えないですけどね…でも、偶然が重なるみたいなタイミングが訪れることもあると思っています。僕が子供の頃は、漫画はアナログ制作がメインでしたが、時代が移り変わり今の漫画制作はデジタルが主流ですよね。そういった時代の流れが味方してくれるときもあるかもしれません。
- では、子供の頃のマンガ家に憧れている中丸先生に今の中丸先生から声をかけてあげるなら、どういった言葉をかけますか。
- アフタヌーンに載るんだぞって言いたいですね(笑)
漫画執筆の秘訣
- マンガ家としてクオリティを求め続けている中で、悩みが出てくる瞬間もあると思います。そんなときどなたにご相談されますか
- 編集担当さんに相談します。基本的にはネタを自分で考えて、そこからどう工夫すれば作品として面白くなるかを相談することが多いですね。
- ご自身の身近な方で、漫画に対する考え方が近い方はどなたですか。
- 僕が出演している番組にKing&Princeの髙橋がゲストで来たことがありました。髙橋も漫画を描いたことがあるから、共通の話題として漫画の話をしたら盛り上がりましたね。隙間時間だったので、少ししか話せなかったですが、今度機会があれば漫画についてもう少しじっくり話したいですね。
- 執筆環境についても伺いたいです。お忙しい中で、漫画を描く時間を確保する秘訣などあったら教えてください。
- ルーティンに組み込むことで、毎日少しずつでも進捗があるようにしています。基本的には、朝仕事に行く前に描いていますね。後は、仕事の合間とかの隙間時間も有効活用しています。タブレットで描いているので、どこでも描けるのが良いですね。
- 〆切がタイトだなって感じることはありますか。
- 基本的にはネタのストックがある状態なので、そこまでタイトに感じることはないです。
- 話にこだわりがあるから、予定よりも制作に時間がかかってしまったことはありますか。
- 編集担当さんと何回も話し合いながら、制作することも多いですが、〆切には追い詰められてないです。
- 漫画執筆の際に精神的な面で追い詰められてしまうことはないですか
- ストックがあることと、半年の短期連載というゴールを見据えた連載だったので追い詰められなかったですね。もしかしたら、週刊とかだと焦りを感じるときもあったかもしれませんが… でも、漫画執筆の心境として、単行本が決まってからはそれが嬉しくて前のめりで漫画を描いています。
- 漫画の絵の部分のテクニックやこだわりについても教えてください。
- ポップな絵柄を目指す一方で、登場人物の心情がざわついた場面ではリアルな絵柄にすることを意識しています。そういった絵柄のギャップでざわつきを表現しています。
- 最近、さらにこだわりをもって描いていらっしゃると聞きました。こだわりをさらに持つきっかけになったことはありますか。
- そうですね…きっかけというよりは、プロのマンガ家さん並みに努力して描きたいという想いが強くあります。今までは、作品を描き上げることに意識がいきがちでしたが、一歩階段を登った感じです。描き上げることは前提として、「こうすればもっと面白くなるんじゃないかな」といった工夫をするという意識を持ちながら描くようにしています。
- 単行本では話数を重ねるごとに感覚のアップデートをされていく様子が分かるのですね。
- 単行本は描いた順番通りに掲載されているわけではないんですよね。読んでいただたくと、もしかしたら「この話は最初の頃に書いたのかな?」「これは後半かな?」というのが分かるかもしれないです。
ファンの皆さんに向けて
- 読む人が読むとわかるネタをさりげなく仕込んだ話はありますか?
- よにのの動画内で、未来人とお話する回がありました。その回で、自分の将来の姿について未来人に聞いたら、絵本作家になると言われたんですよ。絵本といえば、有名なあおむしの絵本があるじゃないですか。それをもじって、もしかしたら「満腹てんとう虫」とか描いているかもしれないねという話になりました。その話が元になって誕生した「満腹てんとう虫」が漫画の中で遊び心として登場しているので、ぜひ探してみてください。
- 中丸先生をずっと応援されてきたファンの方と、マンガをきっかけに中丸先生を知った方、それぞれにどのようなことを伝えたいですか。
- タレント業から自分を知ってくれているファンの方には、ようやく宣言を達成できたよと伝えたいですね。2〜3年前からずっと宣言をしていたんですよ。ファンに宣言したからには、必ず達成したいという気持ちで頑張っていました。ファンの存在はモチベーションの1つですね。 漫画から僕を知ってくれた方には、その方にとってほっこりしたいときとか笑いたいときに読む漫画になればいいなと伝えたいですね。2冊目以降も優しく見守ってください。
- 宣言したら、やり遂げるタイプなんですね。
- 言わずに達成するのが美学だと思っていた時期もありましたが…今は宣言することによって必ず達成しなければならない状況に持ち込むのも1つの手段だと思っています。というのも、過去に宣言してやり遂げることができた経験があるからです。10年前くらいに、通信制の大学に入学したのですが、入学したことを公にしていませんでした。しかし、入学していたことがなんらかのタイミングで、世間に知られる機会がありました。 思いがけないことではあったのですが、入学していることを世間に知られている、人に見られているんだという意識をもったときに、頑張らなくてはという気持ちになりました。その気持ちもあり、大学は無事卒業することができました。この経験から、人にゴールを宣言することによって、「やらなくてもいいや」みたいな逃げ道を強制的に失うことによって、なんとしてもやり遂げるという方法もありだなと学びました。 今回の漫画に関しては、アイドル業のファンの方に宣言していたので、やり遂げなければと思って頑張ったのですが予想以上に時間がかかってしまいましたね…
- 好きな漫画とか参考にしている漫画とかありますか。
- ダーウィン事変ですね。作者さんの主張がキャラクターに乗っかっている感じが見ていて楽しいし、自分もこう描けたらいいなと思って読んでいます。
- 電子特装版に収録される習作の「かぐや」はどういう想いで描かれたのですか?
- 都市伝説みたいな話が好きで、その中でも特にロマンがあるような話が好きです。かぐやは、月の裏側に実は全く違う文明があるんじゃないかという都市伝説を元に作成した話です。月の裏側に違う文明があるなんて、ロマンがあると思いませんか…?そういったロマンがある話から漫画を描けたらと思って「かぐや」を描きました。
- アイドル業の方でリリースされたソロ曲の「ムーンショット」も月をテーマにされていますよね。
- 子供の頃から月に興味がありました。高校生のときとかは、望遠鏡を買って宇宙食を食べながら月をみていたりしましたね。元々月に興味があるという部分もありますが、漫画と楽曲が連動したら面白いなとも思って描いた部分もあります。 ただ、タイミングがあまり合わなかったですね(笑)
- 最後に今後の目標について教えてください。
- 漫画は色々な展開ができるエンタメだと思っているので、機会があれば色々な展開をしたいですし、コラボとかもしてみたいですね。考えられる展開は全てやっていきたいです!全部!(笑) 特に、ゲームでの展開とかができると嬉しいなって思っています。
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