「死神さんと黒魔術少女」のネタバレとファンタジーの楽しみ方について

今回ご紹介する「死神さんと黒魔術少女」はコミックフェスタで注目のAOISIS先生の作品。
死神の青年と黒魔術を使う少女のドキドキのストーリー漫画です。ファンタジーな世界観は読み慣れない方にはとっつきにくく感じるかもしれませんが、ポイントを抑えればとても楽しく読むことが出来ます。
ここでは「死神さんと黒魔術少女」を使ってファンタジーを読む際のポイントを簡単にご紹介しているので、ぜひ参考にして新たなジャンルを開拓してください!

ファンタジーポイント1
細かい設定にリアリティがある!

主人公の白倉章太郎は魂管理局 送迎部 死神5課で働いている死神です。
細身のスーツに大鎌を持っており、目つきが鋭く死神っぽさを出しています。
冒頭では大鎌を持った白倉が颯爽と登場し、その姿を見たお爺さんが必死に命乞いをしますが、実は死神の仕事は死後の魂のお迎えだけ。人間が思うような命を奪う悪い存在ではないようです。

魂は黄泉で管理されており、その下で働く死神が現界の生き物の生死に関わることはタブーとされています。
死神の役割はあくまで死後の魂が迷わず黄泉まで逝けるように送迎すること。そして、死神課は送迎の際に求められる能力別に1~6課まで階級分けされています。
白倉の所属している死神5課は別称「老人ホーム」。寿命で亡くなった魂を担当しているので、比較的容易なケースが多いようです。白倉は仕事にやりがいを感じていますが、いまいちのめり込めないという中途半端な毎日を送っています。

設定が日本のサラリーマンのようですね。主人公の白倉がスーツ姿なのも会社員っぽさを演出しています。
全く現実感のないファンタジーもありますが、初心者が挑戦するならこのような現実とリンクしているものがおすすめです。
白倉はどうやら死神2課に憧れの人がいるようですね。挑戦したいけれど現状から脱せないジレンマは誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?

設定は奇抜ですが、上に逆らえなかったり仕事にいまいち没頭できない気持ちはとてもリアルなので、主人公に自分を重ねやすいと思います。
白倉の人柄も、ご老人の群れに翻弄されたり、お爺さんからの感謝の握手に複雑な感情を抱いたりと、見た目より優しいことが分かると思います。細かい部分ですが注目して下さいね。

ファンタジーポイント2
上司からの突然のチャンス

毎日を無難に過ごしている白倉に、課長が新たな任務を依頼します。
対象者は悪魔と契約して命が尽きた少女。本来は死神2課の仕事なのですが、人手不足の為5課に依頼が回って来たそう。
悪魔自体は始末済みなので、依頼を成功させれば白倉が2課に移るチャンスかもしれません。

普段から白倉の様子をよく見ている課長がナイスな動きをしてくれました。
この辺りも白倉の普段の行いが良い証拠ではないでしょうか?若い白倉に夢を叶えて欲しいという課長の優しさが嬉しいですね。
白倉は寿命を捧げても叶えたい願いについて考えます。「俺なら2課…うーん…」と悩み込む白倉。

白倉が配属を希望する死神2課は現場任務の中で最も技術を要する課。
6課は動物霊の送迎、白倉が所属する5課は寿命、4課は病死で3課は事故・殺人。(ちなみに1課は総括だそうです。)という魂回収の危険度で課が分かれているが、2課の送迎対象は黄泉逝きを拒否し、現世にとどまり過ぎた結果悪霊となった魂を相手にする危険な課だそう。
だからこそ大鎌が必要になるそうですが、現状を脱せない自分には2課なんて諦めるしかない…と落ち込んでしまいます。

『やっぱりなれないのかな、あの人みたいな死神には…』白倉の頭の中にはかつての思い出なのか憧れの人のシルエットが浮かびます。過去に白倉と憧れの人との間に何があったのでしょう?
チャンスを貰っても自分に自信がなくて飛び込めない白倉はとても人間らしいですね。寿命と引き換えの願いを想像した時にすぐ2課行きが出てくる辺り、かなり強い思いを持っていると考えられるのですが…。
白倉にイライラするかもしれませんが、実際に自分がその立場に立ってみると思い切って行動することの難しさを感じられると思います。年を取るごとにリスクを考えて動けない心情が見事に表現されていて、ファンタジーの世界観にリアルさを出しています。

ファンタジーポイント3
ヒロインがとにかく可愛い!

複雑な思いを振り切って対象者の部屋に忍び込む白倉ですが、扉の向こうには全裸にマントだけの美少女が黒魔術の真っ最中でした。
あまりの光景に「ごめんなさい!」と慌ててドアを閉めて出直そうとする白倉ですが、美少女は「待ってください!」とそれを止めます。
悪霊を使って床から手を生やし白倉の動きを止める少女に「こんなのやっぱり5課じゃ無理だったんじゃ…」と焦ります。

美少女は構わず白倉の腕を掴んで「あなたは私のお友達になってくれる人でしょう!?」と満面の笑顔。
何と美少女黒崎が悪魔に寿命と引き換えにお願いしたのは「死神と友達になること」!?
「お待ちしてました!死神さん!いえ――――白倉さん!」と名前まで知っています。死ねば終わりなのが分からないはずが…と考える白倉ですが、黒崎の勢いに圧倒され言葉を挟む暇がありません。

ついにヒロインが登場しました!前半は物語の世界観が詳細に説明され、現実的な設定が多くリアルに感じられますが、ファンタジーのヒロインはとにかくリアル度外視で可愛いことが多いです。
今作のヒロインも黒髪の美少女でとにかくめちゃくちゃ可愛いです!しかも初登場がマント一枚の全裸姿。プロポーションもバツグンです。「この子が俺にチャンスを運ぶなんて思ってもみなかった。」とモノローグが入りますが、今後この出会いが白倉にどう影響してくるのでしょう。
まだ若い黒崎がどういった経緯で黒魔術を使うに至ったのかも気になりますね。

ファンタジーポイント4
死神2課登場!!バトルに発展!?

「お昼にたまたま駅で見掛けて、ああ 私も今晩はこんな素敵な死神さんが迎えに…」とうっとり語る黒崎の言葉に、白倉は昼間はまだ生きていたはずの少女に自分の姿が見えるわけない!と異議を唱えます。
確かに生きている人間に死神が見えたら大騒ぎになってしまいますね。ではなぜ黒崎には白倉の姿が見えたのでしょう?黒魔術にはそのような力もあるのでしょうか?

突如、白倉を拘束していた悪霊の腕に衝撃が与えられ白倉は自由の身に…。
部屋に乱入して来たのは大鎌を構えたスーツ姿の死神2課の面々。
「黒崎さん、あなたはすでに故人だ。我々と共に来てもらおう」と、全裸の美少女を前にしても顔色一つ変えません。直前に白倉が慌てているので余計にギャップが感じられますね。
「我々は死神だ。悪魔と契約したそうだが寿命切れだ。黄泉まで送るぞ。」と、どこまでもビジネスライクに物事を進めようとする死神2課の口ぶりに黒崎は不満そうです。

黒崎は「私と白倉さんの仲を引き裂くのですね!」と死神2課に向かって攻撃を繰り出します。
突然バトルに突入しましたが、ファンタジーではそれもありです!大鎌で黒崎の攻撃を簡単に防ぐ2課の姿を見て、白倉は「すごい、圧倒的だ。」と見惚れますが、「女の子にそこまで―――」と違和感を感じて、死神2課が放った攻撃が黒崎に当たりそうになった時、思わず「よけろ!」と叫んでしまいます。
咄嗟に少女の身を案じる白倉は本当に優しいですね。

それに比べて死神2課の面々は黒崎に対して一切容赦なしです。
しかし黒崎は攻撃を放った2課の神田の大鎌を逆に破壊、白倉も2課もそこでやっと少女の魔力がケタ違いに強いということに気が付きます。

その時、黒崎の家の前ではスーツ姿のイケメンが携帯電話で誰かと話しています。
「あーいえいえ、丁度僕が居て良かったです。また人手が足りなきゃ言ってくだささいね。」と、相手に話して電話を切ったイケメンは「しかし上もやっかいなミスしてくれたよね~この魔力量はバケモンだよ。」と黒崎の部屋を見上げて独り言をつぶやきます。
この男も死神2課なのでしょうか?

新キャラクターも登場しました。大体このような癖のあるキャラクターは実力者だということが多いです。黒崎の敵になるのか、はたまた味方になるのか、白倉はどちらの味方になるのか…。続きが気になる方はコミックフェスタでご覧ください!

今回ご紹介したAOISIS先生の「死神さんと黒魔術少女」は死後の魂の送迎を死神が行うという設定ですが、世界観がリアルでファンタジー初心者の方でも入り込みやすい作品です。
主人公やヒロインの少女も魅力的なのでキャラ重視の方にも満足してもらえると思います。
少年漫画の中でも常に一定の人気を誇っているファンタジーのジャンル。良作がたくさんあるので、ぜひこれを機会にコミックフェスタで他の作品もチェックしてください!

  • 死神さんと黒魔術少女

    • AOISIS

    • 命と引き換えに悪魔と契約した少女の願いは…お友達が欲しい!?死んで始まる死神と黒魔術少女のボーイ・ミーツ・ガール!

     
    執筆者
    • 花子

    • 漫画ならどんなジャンルでも大好きな30代。王道恋愛モノから少年漫画まで何でも読みます☆