――TL初のアニメ化まで実現した超ロングヒット作「僧侶と交わる色欲の夜に…」ですが、 ご自身の実感としてはいかがですか?
いや~実感は何もないです…!あ、ただ友達から「広告が出てたから読んだよ~」と言われたことは多かったです。
――そうなんですね!確かに広告の効果って大きいですよね~。
広告でも目立っていたのは、なんといっても九条君の坊主頭だったと思うのですが(笑)、描き始められるときどう思われましたか?
髪の毛を描かなくていいから楽かな~と思ってたんですけど、描いてみると綺麗な坊主頭を描くのってバランスを取ったりとか結構難しくて…。
髪の毛あるキャラよりも時間かかったりしました。
――坊主頭のヒーローはTLでは異例ですもんね。
でも九条君は「坊主頭なのにカッコイイ」を証明していると思うのですが、九条君を描く時に気を付けられていることはありますか?
まず一つは先程言った頭の形。
あとはやっぱりTLのヒーローなんで、あんまりカッコ悪いところは無い完璧な感じがいいな~と思って、「理想の男の人」みたいなのは意識しています。
――確かに九条君って完璧にカッコイイですもんね。私は九条君が醸し出す色気が本当に好きで…。
色気ありますかね?自分では全然わからないんですけど…(笑)
――流し目のセクシーさだったり、袈裟を脱いだ時の肉体美だったり、巧みな舌使いだったり…挙げたらキリがないです(笑)
では逆にご自身が気に入っているシーンはありますか?
あー…指輪を渡すシーンは印象に残ってます。
ベタな方がいいかなと思って。あまり変わったことをするよりは、なんか誰しもが「これやられたい!」って思えるようなベタなシーンにしたんですけど、その時はちょっと美桜も可愛く見えるように意識して描きました。
――私もあのシーンめちゃくちゃ好きです!九条君ってそういうキザなことをサラッとやってのけるところがめっちゃカッコイイなと思います!
レオン先生はそういうキメシーンでのセリフ回しも絶妙ですよね。秘訣ってあるんですか?
秘訣…うーん…。音にした時のリズミカルさは意識してます。
気持ちいいリズムで読める言葉回しだと、テンポよく読めるかなと。
――リズミカル!確かにレオン先生のセリフ回しってすごく詩的だな~と感じます。
では作品の話に戻りますが、「僧侶」という題材を扱うことで苦労されたことはありますか?
宗派毎のきまりみたいなものに最初は結構囚われていたんで、そこは苦労しました。
調べても調べた文献毎に内容が違ったりして…どれが本当なんだろうって思って。
こだわってないよって仰る現職の方もいらっしゃるんですが。やっぱり宗派毎で色々違いがありますし、昔はこうだったけど今はそうでもないみたいな事柄も多いと思うので。
モデルにしている宗派はもちろんありますけど、あまりこだわりすぎると「いや、この場合はこうだ」っていうツッコミを食らうので、今は「オリジナルの宗派」くらいの気持ちで描いています。
――確かにそのあたりはデリケートな問題ですよね。
アニメの監督も特定の宗派にならないように、ある意味「ファンタジー仏教」を意識されたと仰ってましたよね。
仏教自体を説明する漫画じゃないと思っているので、本当に「ファンタジー仏教」でいいかなって。
――恋愛漫画ですもんね!
まぁ逃げ道ですけどね(笑)
きちんとしてた方がいいに決まってますけど、色んな考え方があるなって思ったら、もう自分の解釈でいいかなって。
――私もそれがいいと思います!では先程話にも出てきましたが、アニメ化についての率直な感想をお聞かせください!
夢が一個叶ったなって感じで…有り難かったです。
やっぱり漫画を描いている者にとって、ひとつの目標みたいなところはあるので。ありがとうございます。
――こちらこそ本当にありがとうございます!
ちなみに、アニメで修正用に使われている木魚が大きな話題になっていましたが、あれはレオン先生的にアリだったんですか?(笑)
私はすっっっごくアリです!すごい面白いことをしてくれたなって(笑)
嫌がる作者さんももしかしたらいらっしゃるかもしれないのですが、私にはすごいアリでした。
コメディとシリアスのバランスを取るのは大事だと思いますし、木魚が入るのが絶対に濡れ場シーンなので、それで濡れ場の恥ずかしさを中和してくれる感じがしました。
――木魚のお陰で、OA版とプレミアム版ではまるで違う楽しみ方ができますよね。
応援上映でも木魚が大活躍してましたもんね。
面白かったです!木魚持ち込み可っていうのが本当に面白くて!!!
――そういっていただけてホッとしました(笑)
さて、アニメではハッピーエンドを迎えましたが、漫画本編はますます盛り上がってますよね!
今後描いてみたいと思っているエピソードを教えてください。
九条のパパとママの昔のお話はちょこっとでも描きたいかなと思いますね。
――アニメでもママが結構人気でしたしね!
あのママが居るからすごく場が和んだりとか…。
パパの存在感があまり出せてないんですが(笑)
あんなパパにも若かりし頃はあったんやで~みたいな話を、ちょっとしたエピソードとしてでも入れれたらいいな~と思ってます。
――私もパパの若い時見てみたいです!絶対カッコイイですもん!
それでは最後に、読者さんに一言お願いします。
のんびり描かせてもらってますけど、お手紙とか本当に嬉しくて、本当に励みになってます。
読んでいただけるだけで有り難いので、しばらく読んでなかったけど久しぶりに読んでみるか~くらいの感覚でいいので、よかったらこれからも応援していただけたらと…。
長い目で見守っていただけたら嬉しいです。
真臣レオン先生、ありがとうございました!
先生はまさに僧侶のような寛大さと謙虚さをお持ちですね。
先生のこだわりがいっぱい詰まった「僧侶と交わる色欲の夜に…」、今後も色んな旋風を巻き起こしてくれそうです!