わたし、毒親に育てられてメンヘラ女になりました
「ホントかわいいよね~」
そんな簡単なひと言ですぐに彼氏以外の男とセックスしてしまう女子大生、はるな。
楽器も弾けないのに音研に所属していたはるなは、部内に穴兄弟を作りまくる、いわゆる『人間関係破壊装置(サークルクラッシャー)』。
その経験人数なんと20人!でもどれも長い付き合いに発展することはありません。
理由は、彼氏に対しての異常なほどの束縛。
メールは1日100通で居場所や行動を常に監視し続け、寝るのを許さない深夜の長電話も当たり前。それなのに、はるな自身は彼氏がいるのにたくさんキープ君を持っているという。
ただの異常なメンヘラビッチです。はるなは何故こんなにもメンヘラ女になってしまったのか・・・それは育った家庭環境に原因がありました。
わたしの『母親』】
15年前のある日、はるなの家族はファミリーレストランにやって来ました。
小さな子どもが同席しているにも関わらず濁そうともせずに「援助交際(エンコー)」「不倫(フリン)」などと言葉を口にする女性、それがはるなの母親でした。
「不倫する奴はクズ」そんな母の言葉を耳にしながらも運ばれてきた料理に、はるなは目を輝かせます。
盛り合わせのプレートの中にはプリンが乗っていて『お子様ランチにして良かった』とはるなは心の中で喜びました。
食事が終わったお皿には、ピラフにささっていた旗とエビフライがひとつ。
それを見た母が大きなため息をつきます。
せっかく頼んだのにもったいない、なんで食べられないモノを頼んだの、お金のムダ、と母は言いました。
妹のなつみはなんでも食べられるのに、はるなはなんで甲殻アレルギーなんだ、と責め立てます。ここで事件は起こります。
呵責に耐えられなくなったはるなが、エビフライを掴むと口の中に放り込んでしまったのです。
甲殻アレルギーがエビに反応しないわけがない…ぶわっと発疹が広がり、発作を起こしたはるな。
救急車で搬送される際、さっきまで鬼の様な顔をしていた母は、救急隊員に涙を見せて大げさに泣きついています。母親の私がついていながらこんなことに、うちの娘は助かりますか、と。
はるながなりたくてなったわけじゃないアレルギーを、責め立てたのは母親だったのに。
ランドセルのない小学生
嫌味を聞かされる毎日が続き、「家に居たくない」そんな気持ちが小学生のはるなを包みます。そのストレスからか小学校もサボるようになってしまいますが、学校からの電話ですぐに母に学校をサボったことがばれてしまいます。
「そんなに行きたくないなら こんなものはいらない!!」
母ははるなが学校をサボった理由も聞かず、鬼の形相ではるなの教科書をビリビリと無残に破きます。
そしてゴミ袋に投げ込んだのは、はるなのランドセル。
「プレゼントしてくれたおばあちゃんが泣くね」そう言いながらもそのままゴミとして捨てられたランドセルを唖然と見つめるはるな…そんな彼女に母はこう続けます。
「アンタが悪い子だから こうなるんだよ」
見下すように吐き捨てたその母の顔は怯えるほどに冷酷でした。なぜ母が自分にだけ辛く当たるのか、はるなは理解できませんでした。そしてはるなの小学校生活は、ランドセルがないまま終わりを迎えます。
売女と呼ばれた中学生
中学生になり身体も成長したはるな。
ムダ毛用のカミソリのひとつも買ってもらえないような生活が続いていました。
はるなは体育前の着替えの最中に同級生達が身に着けているかわいい下着を羨ましく思っていました。
そして、はるなは勇気を出して母に頼んでみることにしました。「スポーツブラじゃなくてレースがついたブラが欲しい」そう言い終える前に母の顔が豹変します。「アンタの歳からそんなブラ着けてたら ばいた になる」
母がわたしに言った『ばいた』ってなんだろう?そう思うはるなは、辞書で意味を調べてみました。
『売女(ばいた)・・・侮蔑的要素を含む言葉、売春婦』そう辞書には書かれていた。
はるなはショックで、言葉が出ませんでした。
似合うよ、と妹にはかわいい下着を買い与えている母。でもわたしには吐き捨てるように『売女』という母。
そう、私の母は・・・『毒親』でした。
「はるなは悪い子」「はるなはブサイク」家族の前でも平然とそう言い続けた母の影響は、確実に妹にも現れていきます。
何を言われても守ってくれない父親、母の真似をし姉をブサイクと罵る妹、そして毒を吐き続ける母親。
そんな針の筵で暮らすはるなの心情はひと言では表しきれません。そしてある日、はるなに大事件が起きます・・・。
絶対に見つかってはいけない相手に、はるなの秘め事がバレてしまいます。そう、はるなのオナニーが母に見つかってしまったのです。現場を見つけた母親の刺さるような冷たい目が忘れられません。
一体はるなはこれからどうなってしまうのでしょうか。そして、はるなの性とメンタルが歪んでしまう一番の原因はなんだったのでしょうか。
読むと心が張り裂けそうになるエッセイ、『無敵の毒親~私は母のサンドバッグ~』の続きは是非コミックフェスタでご覧ください。