胸キュンポイント1
たった一度会話したことがある生徒
主人公の坂戸士郎は中学校の教師をしている41歳。
この春からはじめてクラスを担当することになり、上尾みくという問題児に手を焼いています。
上尾みくは無断欠席、遅刻の常習犯で教師を避けているとの噂もある生徒。コミュ障で素行に問題ありでこのままでは内申が受験に響いてしまう為、士郎は欠席しているみくの自宅を訪ねますが留守なのか誰も出て来ません。
実は士郎とみくは以前一度だけ会話をしたことがありました。
まだクラスを受け持つ前の冬の寒い日、渡り廊下で煙草を吸っていた士郎に、みくの方から「坂戸先生 これ落としました」と声を掛けてきたのです。
「結婚ゆびわですか?…ならちゃんと大事にしてください」と言い残しその場を去ったみくですが、士郎はその時はなんとかなると思っていたようです。
「出直すかぁ」と、ため息をついてみくの自宅を後にする士郎。しかし、その姿をみくは陰から覗いていました。どうやら居留守を使っていたようです。みくは本当に教師を避ける問題児なのでしょうか?
士郎がみくと会話した時に感じたように、やみくもに大人に反抗しているようには見えないのですが…。
胸キュンポイント2
忘れられない亡くなった妻
士郎が自宅に戻ると、家の前で妹の夏樹が待っていました。
今日は士郎の亡くなった妻あやこの誕生日で、パティシエの夏樹は毎年この日にあやこの好きなショートケーキを持ってきてくれているようです。
夏樹は10年経っても亡くなったあやこの事を引きずっている兄の様子を心配していますが、士郎は「こんなおっさんより自分のこと心配しなさいよ」とはぐらかします。
士郎は25歳の時に妻のあやこと一生を誓いましたが、あやこはその5年後事故であっけなく亡くなってしまいました。
あやこは明るく快活で良く笑い、士郎の事を飽きさせない人で、彼はいつも彼女にいろんなものをもらってばかりでした。
落ち込んだ士郎の頬を引っ張って「マヌケ顔」「やっぱり好きだわ、士郎クンのこと」と励ましてくれたあやこ。
もう10年と言いますが、まだ10年。まだ一緒に過ごした時間の方が長い、とあやことの日々を思い返す士郎。
ふと、みくの言葉を思い出し自分はあやこの事を大事に出来ていただろうかと考え涙を流してしまいます。その時インターホンがなり、妹かとモニターを見た士郎は固まります。一体誰が訪ねて来たのでしょう?
士郎の心の中は今でも亡くなったあやこへの気持ちでいっぱいのようですね。
時間は生きている人間に平等に流れていきますが、亡くなってしまった人との時間が増えることはありません。
士郎はこれまでのあやことの日々を何度も何度も擦り切れるほど反芻して生きてきたのでしょう。
どこか全てを諦めてしまっているような士郎の雰囲気の原因が分かりましたね。
胸キュンポイント3
亡くなった妻と重なる14歳の教え子
なんと士郎の自宅を訪ねて来たのはみくでした。
突然の生徒の訪問にドギマギする士郎ですが、これをきっかけに問題児のみくとしっかり向き合おうと夏樹が持って来てくれたケーキとコーヒーを出して精一杯もてなします。しかし、慌てていたのかコーヒーは瓶に入った粉のまま。
「お湯が必要だよな!」と自分の失敗に慌てる士郎ですが、みくは黙ってコーヒーの瓶を開けるとショートケーキにコーヒーの粉を振りかけて食べ始めました。
それは亡くなったあやこの食べ方と全く同じで、士郎は動揺して思わず涙を流してしまいます。
生徒の前で泣いたことに焦って咄嗟に「目にゴミが入った」と誤魔化す士郎ですが、みくは切なそうな顔で士郎を見つめるとそっと近寄り口づけをしようとします。
驚いて避けようとする士郎ですが、みくに凄い力で頬を引っ張られ無理矢理何度もキスされます。
みくの左手薬指には見慣れた指輪が。そして、みくは「マヌケ面」「やっぱり好きだなぁ士郎クンのこと」と、涙を流しながら士郎に微笑みます。その笑顔は亡くなったあやこと同じで…。
どういった理由か分かりませんが、14歳のみくは亡くなったあやこの記憶を持っているようです。
士郎は14歳の教え子の身体を持ったあやこの事をまた愛することができるのでしょうか?
世間的にはタブーな関係性ですが、2人は無事結ばれるのでしょうか?気になる方はぜひコミックフェスタで続きをご覧になってください。
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