こころ優しい看護師・愛希

介護士として働く三崎(みさき)は、手が空いている人がいなかったため、マニュアルの規則をまもらず1人で患者のベッド移動を始めました。
「軽そうだから1人でも大丈夫だろう…」そう思っていた三崎ですが、患者を持ち上げた瞬間に足を滑らせてしまいます。
するとそこへ、看護師の真中 愛希(まなか あき)が助けに入りました。
愛希は三崎に対して厳しくは叱らず、優しく注意をします。

その後、休憩に入った2人。
愛希は言いづらそうに、三崎にあるお願いをします。
愛希のお願いとは、三崎がSNSにアップした「会社の送別会で撮影した写真」を削除して欲しいということ。
自分が写っているため、どうしても削除してほしいというのです。
三崎がすぐに削除しないこともあり、普段の印象からは想像できないほど強い口調で話す愛希に、三崎は戸惑います。
2人の騒ぎを聞きつけた周囲は、「そんなことでキレなくても」と愛希をなだめましたが、愛希は納得せず不安そうな表情をしていました。

普段は患者にも、同僚にも優しい印象の愛希。
そんな彼女がSNSにアップされた写真1つで、必死になるのはなぜでしょうか？

挙動不審な愛希

その日の勤務を終えた三崎は、周囲をキョロキョロと警戒する愛希を見かけました。
明らかに挙動不審な愛希に三崎は声を掛けますが、次の瞬間衝撃の出来事が起こります。
愛希が突然、三崎にスタンガンを向けてきたのです。
想定外の行動に驚き、固まる三崎。
声を掛けてきたのが三崎だと気づいた愛希は、謝罪しその場を去ろうとします。
しかし、三崎は愛希がスタンガンを持っていること、昼間の出来事を心配して引き留めました。
三崎は愛希の行動について説明してほしいとお願いします。
愛希はためらったものの、三崎の日頃の人柄から信用できると判断し、なぜ自分がこのような行動をしているのかを説明しはじめます。

実は、愛希は過去にストーカー被害に遭い、その男から刺されたことがあったのです。
そして、ストーカー男が刑期を終えて最近出所していたため周囲を警戒していたのでした。
自分の写った写真をSNSから削除するよう三崎に必死にお願いをしていたのは、過去のストーカー被害が原因。
また、過去を周囲に知られることは、知った誰かがまた誰かに広めていって、いずれストーカー男に届いてしまうかもしれないと、神経質になっていました。
愛希は見えない恐怖とずっと戦っていたのです。

ストーカーをしていたのは…？

過去の出来事を告白した愛希。
愛希をストーカーして刺したのは、愛希の元夫・和也(かずや)でした。

なぜ夫・和也は愛希にそのようなことをしたのでしょうか。
そのきっかけとなったのは、2人の間に子どもが生まれてからでした。
子どもが生まれ、生活が子ども中心になっていくと、和也は愛希に対して不満を言い出すようになったのです。
愛希もまた、育児の大変さを理解してくれず、疲労が溜まっているのにセックスを求めてくる和也に嫌気が差していました。

その後、一緒に生活を続けるのは難しいと感じた愛希は、離婚を申し出て、最終的に離婚。
しかし和也は納得せず、復縁を迫ってきていたのです。
そしてその行為がエスカレートし、ストーカー行為へと発展したのちに、事件が起きました。

愛希が和也から受けた、ストーカー行為と殺人未遂事件。
そのとき受けた恐怖は、愛希の中からいつまでも消えない痕になったのでしょうね。

忍び寄る男の影

愛希の過去を知った三崎。
元夫に追い詰められ、普通の心情ではいられなくなった愛希を、なんとか助けたいと考えます。
しかし三崎の背後には、怪しい男の影が描かれています…。

三崎と別れ、自宅へと帰った愛希は、息子の優輝(ゆうき)と久々に楽しい時間を過ごします。
三崎に過去のことを告白したことで、少しだけ気持ちが軽くなっていたのです。
その時、愛希の携帯電話が鳴ります。
通知は公衆電話。
「誰からだろう」と思いながらも電話に出ますが、何も聞こえない電話の相手を不審に思い、尋ねると、相手がようやく声を発しました。
相手の声を聞いた愛希は、その場に座り込んでしまいます。
心配した優輝が駆け寄ってきますが、愛希は呼吸を乱し、怯える姿が痛々しいです…。
電話を掛けてきたのは、和也？！