『食人鬼ヒナちゃん』人食い鬼を共犯者にした危うい少女たち…、コミックフェスタおすすめ少年コミックをご紹介!

2019/7/3 更新

今回おすすめする作品は、もてぃま先生の少年コミック『食人鬼ヒナちゃん』です。
どのようなお話なのか詳しくご紹介していきます!

死体と鬼、共犯者が揃う

闇夜の森にセーラー服を着た女子学生2人がいました。
死体が乗ったリヤカーを引きながら、暗い道を進んでいます。

1人は水瀬 弥生(みなせ やよい)、罪のない少女を嫉妬で殺してしまいました。
もう1人は榛名 千尋(はるな ちひろ)、殺害現場に居合わせていただけでしたが、自ら共犯者となりました。

2人はそこで、とある子どもに突然声をかけられます。
頭に小さな角が生えた、自称「鬼」である子ども。
その鬼は動揺する2人に、「友達になってくれたら死体を誰にも見つからない場所に隠してあげる」と提案しました。
まるで人間の幼女のような見た目、舌には奇妙なタトゥーがあり、弥生は不信感を抱きました。
しかし千尋は死体を見られていることもあり、口裏を合わせるため鬼の友達になることを承諾します。
弥生と千尋がどうするか相談し合う中、いつのまにか鬼と死体は消えていました。

少女たちの苦しみ

千尋と弥生、彼女たちはそれぞれの苦しみを抱えていました。

千尋は家庭環境が悪いようで、酒瓶の転がる部屋で寝ている父らしき人物が描かれています。
弥生と森にいた翌日には、ぶたれてケガをしたのか頬にガーゼを当てた姿が描かれ、痛々しい様子でした。

弥生は涼風 花音(すずかぜ かのん)という少女に、大きな嫉妬を抱いていました。
花音には合唱部のコンクールのソロパートを奪われ、想いを寄せている悠真という男子生徒の心までも奪われてしまい、ひどく妬んでしまったのです。
しかし花音は、弥生の大事なものを意図的に奪ったわけではなく、ただ「いい子」で、誰からも好かれる純粋無垢な可愛らしい少女でした。
花音が光で照らされるほど、その裏で弥生の闇を濃くしてしまったという悲しい経緯。
嫉妬から弥生は大きな罪を犯してしまうのです。

共犯のはじまり

弥生は花音の日直の仕事を遅くまで手伝い、ちょうど終わった頃でした。
2人で階段を降りようとした時に、弥生に魔が差してしまいます。
弥生に突き飛ばされた花音は階段を転げ落ちていました。
偶然居合わせ、現場を見てしまったクラスメイトの千尋に、「私のせいじゃない!!ちがう!!」と否定する弥生。
千尋はそれを宥めて「誰にも言わない」と言いますが、それでも信用しない弥生に、「私も…この子がいなくなればいいと思ってたから」と暴露しました。
そして死体を埋めに行くことを提案します。
「もしかしたらまだ生きているかもしれない」という弥生に、「もう死んでると思うよ」という千尋。
そうしたやり取りのすえ、弥生と千尋は共犯となりました。

想いの一方通行

弥生、千尋、悠真が教室で行方不明になった花音について話しています。
千尋は、花音がいなくなったことについて「ただの家出かもしれないよ」と言いますが、悠真は「花音はそんなことしないよ」と反論しました。
悠真は花音が好きなようにみえます。

花音がいなくなった今、一方通行の想いはどうなっていくのでしょうか。
弥生は秘密を抱えたまま、悠真を想い続けていられるのでしょうか…。
そして、想いを届けられるのでしょうか?
悠真は花音への想いを胸に、花音が死んだ真相に迫る時が来てしまったとしたら…。
この一方通行の想いが、どんな結末に導かれるか気になりますね。
そして千尋が何を思い、弥生と行動をともにしているのかも気になります。
花音が消えて欲しかった理由、弥生や悠真に抱いている感情、千尋は何を秘めているのか、明らかになっていくのが待ち遠しいですね。

食人鬼ヒナちゃん

学校に転校生がやってきます。
大江山 ヒナ(おおえやま ひな)と名乗るその女子生徒は、先生に紹介されている最中に弥生と千尋を指差しました。
「ちーちゃん!」「やよちゃん!」と呼び、「会いに来ちゃった」と言い舌を出します。
その舌には森で出会った鬼と同じタトゥーが刻まれていました。
幼女から成長した姿に見えますが、森で出会った鬼と同一なのでしょうね。

『食人鬼ヒナちゃん』というタイトルの通り、花音はヒナに食べられてしまったのでしょうか…。
そんな人食い鬼が普通の学校に転校してきて、何を巻き起こすのかドキドキしますね。

危うい少女たちの秘密

弥生と千尋、そしてヒナ。
少女の体に大きな秘密を抱えた3人。
可愛らしいセーラー服に身を包んだ少女たちは、この世の悪夢を抱えていられるのでしょうか…?
弥生と千尋は葛藤しながらこれからも生活していくのかもしれません。
ヒナは人食い鬼のため、どのような想いで過ごすのか想像がつきませんね。
少女たちの秘密は果たして守っていけるのでしょうか?

いかがでしたか?
もてぃま先生の『食人鬼ヒナちゃん』、コミックフェスタにてぜひご覧ください!

紹介作品

食人鬼ヒナちゃん【フルカラー】
もてぃま
クラスメイトの死体を運ぶセーラー服の少女達…彼女たちが夜の森で出会ったのは…幼女の姿の鬼だった。

執筆者

末野
ジャンル問わずで漫画好き、部屋の隅で漫画を読む女です。文系男子から体育会系男子まで、そして可愛い女子から綺麗な女子までをも好きになります。みなさんが素敵な漫画を読めるきっかけになれば幸いです。
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