今宵、儀式で果てましょう』淫靡な風習、屋敷に幽閉された美青年―おすすめBLコミックをご紹介

2019/8/2更新

今回紹介する漫画はコミックフェスタで配信中のBLコミック、氷凪先生の『今宵、儀式で果てましょう』です。
村に代々伝わる風習により、儀式として男達に組み敷かれる香白(こはく)。儀式をやめさせ、香白を自由にしようとする新しい当主・尋幸(ひろゆき)。お話は二人の回想を交え進んでいきます。
それでは二人の関係性をあらすじとともにご紹介していきましょう。

淫靡な風習

時は大正、ある村では夜毎に繰り返される風習がありました。災禍から村を守り血族を絶やさないため、屋敷に幽閉された一人の美しい男が性行為をさせられていたのです。悪しき儀式は密かに代々受け継がれていました。

美しい男の名は香白。瞳と髪の色素が薄く、肩甲骨辺りまで伸ばした長髪、艶やかで中性的な容姿です。
今夜も部屋にやってきた男たちを無表情で迎え入れた香白ですが、男たちに体を触られると表情を歪め、そのまま無理矢理組み敷かれてしまいます。
そこへ誰かが部屋の外から扉をドンドンと叩きました。

新しい当主

若い男が部屋の扉を蹴破り、「香白!!」と呼びながら香白たちに近寄ると「現時点をもって当主はこの俺であり、この儀式は廃止とする」と言い、裸の香白を庇うように上着を掛けます。

この頃、村の当主は亡くなっていて不在でした。若い男は前当主から正式に跡取りを任されていたのです。名は尋幸といい、その場に居た香白以外の者を部屋から追い出しました。

二人きりになった尋幸と香白。尋幸は香白の前にしゃがみ、「あんたを縛るものはもう何もない。鍵も外した。好きにして構わない」と声をかけます。そうして香白の頬に触れると「少し痩せたな…」と呟いて尋幸はその場を去りました。

二人の回想

場面は回想シーンに移ります。
野犬に追いかけられていた尋幸は何とか逃げのび、匂いに誘われるよう見上げた先で、思わず見惚れる容姿の人物をみつけます。屋敷の中で窓辺に立っていたその人物は香白です。

目が合うと香白は興味津々に尋幸に声をかけます。その後、尋幸は怪我の手当てを香白にしてもらい、「野犬たちのエサにならなくて良かったよ」と言われます。しかし尋幸は「エサになってもよかったんだ」と呟くのです。

尋幸の両親は一週間前に事故で亡くなり、香白がいる村に連れられてきました。里を出た分家の子であったため初めて来た場所で戸惑う尋幸。行く先が決まらず、身寄りもない尋幸は孤独に耐えていました。

香白は「それはおかしいね。エサになっても良かったなら、なんで逃げ出したのかな」と問いかけます。香白のストレートな質問に、答えることができない尋幸。そんな尋幸に香白は、「でも良かったよ。こうして話し相手ができたから」と声をかけるのです。

香白の言葉に少しだけ安心した様子の尋幸は、香白の首筋にあるアザに気づき、「どうかしたのか?」と聞きました。
すると香白は「気になる?」と色っぽく肌を見せます。恥ずかしがる尋幸に香白は、「面白いね、きみ!よければ友達になってくれないかな」と言うのでした。
こうして2人は出会い、友達になったのです。

淫靡に誘う香白

当主の部屋で寝ていた尋幸は、枕が変わったからか緊張していたのか殆ど眠れなかったのですが、懐かしい夢を見たと想いを馳せていました。
香白がどうしているか気になり、香白の部屋の前までおもむいた尋幸は「入っていいか」と尋ねるのですが、返事がありません。心配した尋幸は「開けるぞ」と声をかけながら、扉を開けました。

目に入ったのは、半裸の香白。
香白は身体を拭くために、上半身裸になっていたのです。陽の光が注ぎ、より艶やかに見える香白の肌は、色気が増していて尋幸はその姿に見惚れてしまいます。香白と目が合い、はっと我に返った尋幸は「悪い、覗くつもりはなかった」と部屋の外に出ました。

扉越しに香白と会話をする尋幸は、部屋から聞こえてくる布擦れの音にドキドキしてしまいます。香白が「入っていいよ?」と迎え入れ、尋幸は生活感が無い殺風景な部屋の中を見て、過去に香白が男たちに組み敷かれていた場面を思い出してしまいます。
固まった様子の尋幸に、香白は「何か思い出した?」と問いかけました。尋幸は正直に答えられず、誤魔化します。

すると香白は「…そう」と言って尋幸の腕を引っ張って、ベッドへと移動しました。そして、尋幸を座らせると深いキスを仕掛けます…。

ご紹介するのはここまでですが、香白が尋幸に迫っていくシーンは、色気が溢れ出ていて堪りません!続きはコミックでぜひご覧ください!
また、香白が尋幸を幼かった頃のように「ヒヨ」と呼ぶ場面でのやり取りが可愛かったです。
今後の二人の関係、ストーリー展開が気になりますね。
氷凪先生の『今宵、儀式で果てましょう』はコミックフェスタで配信中です!どうぞチェックしてみてください!

紹介作品

今宵、儀式で果てましょう
氷凪
「ここに来るものは皆、僕を組み敷きに来る」――その集落には、古くから伝わる淫靡な風習があった…。
< 漫画レポート一覧へ