仕事と家事、育児の両立ができずに悩む主人公

主人公の小林ひかりは夫・優也との間に男の子・康太を授かります。ママになったひかりは康太を大切に育てることを誓います。

しかし3年後、ひかりは仕事と家事、育児の両立ができずに苦しみます。部屋の床にはゴミが散乱し、夕食はカップラーメンという生活を送っていました。そして、家事に無関心な夫の態度と、いまだに発語がない息子への不安が、ひかりを追い詰めます。

さらに現状をネット掲示板で相談すると、回答者の一人から「母親失格」と書かれて、ひかりは絶望するのでした。「もう･･･限界だよ･･･」

交流のなかったひかりの母親が突然現れる

絶望するひかりの前に現れたのは、ひかりの母親・光子でした。
久しぶりに現れた母親は、散らかった部屋を見るなり、「ママがいないとろくに家事もできないのねぇ･･･」とあざ笑います。何か裏がありそうな笑顔が怖いです。

荒れ果てた部屋を見て、母親は家事を手伝うと申し出ます。一見好意で言っているように見えますが、同時にひかりの現在の姿を嘲笑します。「汚い部屋で化粧もせず　その髪飾りもみすぼらしい」「それでも女かしら」

今までも、母親はひかりの好きなものを否定してきました。結婚の際も、優也を「ブ男」と罵ったり、職業をバカにしたりして、結婚に反対しています。

反対を押しきって結婚してからは、母親との交流はなくなっていたのに･･･。それがなぜ今更あらわれたのか、ひかりは疑問に思います。しかし家事ができていない現状から、母親の申し出をしぶしぶ受け入れるのでした。

家事をしてくれる母親だが、徐々に本性を見せ始める

母親のおかげで、汚かった部屋は1日で綺麗になります。感心する優也と康太には謙遜する母親ですが、ひかりに対しては常に文句を言ってきます。化粧をしているひかりに対して小言を言ったり、子供にあてつけて遠回しにひかりの容姿を馬鹿にしたりします。

朝食にコーンフレークを出そうとしたときには、「そんなものを食べさせてるの！？」とひかりを怒鳴りつけます。怒った母親は自分が作り置きした料理を家族に振る舞い、これからも自分が料理を作ることを勝手に決めてしまいます。

母親がいることに否定的なひかりでしたが、手料理に喜ぶ優也と康太の姿を見て、「このほうが･･･みんなのためなのかな･･･」と悩みます。

ひかりの家族に干渉してくる母親

ある日のこと、ひかりは仕事を終えて保育園にいる康太を迎えにいきますが 、保育園に康太はいません。母親が勝手に康太を休ませていたのです。ひかりは母親を問い詰めますが、ひかりの言葉には耳を貸しません。幼稚園に入るまでは自分が家で面倒を見ると、またも勝手に決めてしまいます。

そして康太は母親になつき、母親の言うことを聞くようになってしまいます。いつもだったらおもちゃを取り上げられると暴れる康太でしたが、母親の言うことを素直に聞き暴れることはありませんでした。素直な康太を見て、ひかりは愕然とします。

このままでは母親にも、康太にも認められないと思い、ひかりは頑張って家事をするようになります。掃除、洗濯と家事を一生懸命こなすひかりに対して、相変わらず母親は小言を言い続けます。そして、ひかりは「もっと頑張らないと･･･！！」と自分を追い込んでしまうのです。徐々に追い詰められていくひかりを見ているのは、つらいものがあります。

このままでは家族を乗っ取られてしまう･･･！！

無理をしすぎたのか、ひかりは自分の作った料理を運ぶ途中で皿ごとすべて床に落としてしまいます。ついカッとなってしまったひかりは、康太に八つ当たりしてしまいました。康太に当たったのを母親に非難されたひかりは、「完璧にやらないとママが認めてくれないから･･･」と母親に弁明します。それに対して母親は「私のせいだって言うの！？」と激怒します。

ひかりを罵倒しながら、康太を慰める母親。そんな母親を、康太は「ママ」と呼ぶのでした。ママですらなくなってしまったひかりは、絶望のどん底に突き落とされます。この時のひかりの顔が、痛々しくて見ていられません･･･。
そして、夫・優也も母親のことを「みっちゃん」と親しげに呼ぶのです。