少女たちだけの歌劇団「葛羽歌劇団」

厳しい試験を突破したものしか入れない、少女達だけの音楽学校「葛羽歌劇団」。主人公のアキラはトップスターになり舞台に立つことを夢見て、歌劇団に入ります。

他の団員から「背が高いだけの地味っ子」と呼ばれるアキラでしたが、日々稽古に励み、今回の公演では憧れの男役を掴みとります。ただ男役と言っても、4人組の一番後ろで役名がないので、友人のルナから褒められてもアキラは素直に喜べません。

ルナはそんなアキラを、からかいながらも褒めるのでした。軽口を言い合う2人の仲良しな姿が、ほほえましいです。

歌劇団のトップスター、憧れの王子様・輝音

アキラとルナは、歌劇団のトップスターであり王子様と呼ばれる輝音(キオン)が稽古しているところに遭遇します。輝音の男装姿はとても華やかで、目が奪われます。

輝音は団員の憧れの的でした。アキラも輝音のような王子様に憧れていました。しかし、地味な自分と華麗な輝音を比べて、自分は輝音のような王子様にはなれないと落ち込むのでした。

歌劇団の中で広まる不穏なウワサ

「やっぱり輝音さまが…」団員が輝音の話をしているのを聞いたアキラは、ルナに輝音に何かあったのか聞きます。アキラはルナから、歌劇団の中に男がいるというウワサが広まっていること、そして輝音が男なのではと疑われていることを聞かされます。

ありえないウワサですが、団員達は信じこみ疑心暗鬼になっているようです。目つきがこわくなり、男を見つけたら何をするかわかりません。
「まるで王子様になれない村娘たちが王子様に憧れるあまり魔女になっちゃったみたい…」とルナは話します。それから、アキラも男役なのだから気をつけた方が良いと忠告します。

団員達から男ではないかと疑われる輝音

「見つかるまで怪しい子全員の皮を剥ぐの」男がどこかに隠れていたら炙り出してやると団員達が話しているのをアキラは聞いてしまいました。稽古中に恐ろしい話を聞いたアキラは、動揺してバランスを崩してしまい、輝音とぶつかってしまいます。

アキラはすぐに謝りますが、団員達から激しく糾弾されます。「輝音に何かあったらどうするのよ！」「あんたみたいな名前もない役とは価値が違うのよ！」

そのとき現れたのは、輝音の代役・翠鸞(スイラン)でした。翠鸞は、アキラは悪くない、みんながウワサのせいで浮き足だっているからだと団員達に話します。そして、問題を解決するために、輝音にこの場でウワサが真実ではないと証明して欲しいと言います。

服を脱ぎ潔白を証明する輝音

輝音はその場で服を脱ぎ、自分が女性であることを証明します。そして、ウワサに流される団員達を一喝します。怒られた団員達は、急いで稽古に戻っていきました。

アキラは輝音に対して、ぶつかってしまったことを謝ります。輝音は、自分も最初はアキラと同じで名もない役だったことを話し、ウワサに振り回されずに頑張って欲しいとアキラを励まします。気高くもあり優しくもある輝音は美しいです。団員達が憧れるのも納得できます。
輝音に励まされたアキラは、王子様になることをあきらめずに頑張ろうと誓うのでした。

その後、自室に戻った輝音はパートナーである小鳩(コバト)と今日起きた出来事を話します。皆に優しい輝音に対して、やきもちをやく小鳩がかわいいです。
「愛してるわ王子様」「光栄です女王様…」小鳩とお休みのやり取りをした輝音は、そのまま眠りにつくのでした。

縛られる輝音と4人の少女達

夜遅くまで練習をしていたアキラは、突然の物音に驚きます。音がした稽古場の入り口を見ると、そこには花びらが落ちていました。花びらは廊下に沿って、いくつも落ちています。気になったアキラは花びらが落ちている方へ歩いて行きます。そして、進んだ先にあったのは輝音の部屋でした。

アキラは恐る恐る部屋のドアを開けます。そこで目にした物は、ベッドに縛りつけられている輝音と、血に染まったドレスを着て不気味な被り物をかぶった4人の少女でした…。