フリンジ-思春期ヒーロー-』幼馴染を守りたい少年が手にした「宇宙最強の武器」とは?

2019/8/16更新

今回ご紹介する少年コミックは、フジワラシュンイチ先生執筆の『フリンジ-思春期ヒーロー-』。物語の舞台は、エイリアンの侵略に晒されている地球となっています。

主人公の悠介(ゆうすけ)はヒーローに憧れていましたが、エイリアンと戦う力を持っていません。しかし幼馴染である三ツ橋 涼(みつはし りょう)は学校でも注目される人気ヒーローとして活躍していました。

幼いころに涼を「守ってやる」と約束した悠介は、立場が逆転している状況に歯がゆさや無力さを感じていました。そんなある日、悠介が通う学校に攻撃を受けた宇宙船が墜落します。そして悠介はフリンジと名乗るエイリアンと出会い、力を借りて戦いに挑むのでした。

果たして悠介は無事にエイリアンを退治することができるのでしょうか?さっそくストーリーを紹介していきます。

エイリアンに侵略される地球

20XX年、地球がエイリアンによる侵略を受けている時代。
幼い悠介と涼は、雨の中一緒に歩いていました。するとそこに小動物のようなエイリアンが現れ、涼の手をムシャムシャと噛みます。悠介はとっさにエイリアンを傘で追い払い、泣いている涼に「俺が守ってやる」と言います。しかし別のエイリアンが現れ、その巨大さに悠介はビックリしてしまうのでした。

そこにある男性が悠介たちを助けに現れ、目の前のエイリアンを倒していきます。人々は彼のような存在を「ヒーロー」と呼び、人類の脅威であるエイリアンを退治する者として希望のような存在となっていました。

涼に守られる悠介

悠介と涼は無事に高校生となりましたが、2人の立場は大きく変わっていました。ごく普通の高校生として過ごす悠介、一方で人気者の高校生ヒーローとして活躍する涼という、昔とは逆転した立場になっています。

2人は同じ高校に通っているため、悠介はクラスメイトから幼馴染である人気ヒーローのサインをせがまれます。悠介は興味がないような素振りで断りました。

けれども、クラスメイトから守ってあげる関係から立場が逆転していることを指摘されると、悠介は思わずムキになってしまいます。その際、束ねていたプリントの端で手を切ってしまうと、血が出ているのを見て冷静になる悠介。その時突然「ドンッ!」と大きな音とともに強い衝撃があり、見上げると学校の屋上に宇宙船が刺さってました。

エイリアンの襲来

空中にはさらに大きな飛行物体が浮かんでいます。「フリンジ」というオタカラを差し出せと要求してきたのは、宇宙海賊団のボスでシャークトゥースと名乗るエイリアンでした。要求に応えなければ地球を破壊し続けると言い放ち、いきなりスカイツリーがふっとばされてしまいます。

目の前の脅威を目にして学校中がパニックに陥ります。悠介は「俺が…守ってやる」と心の中で呟きながら、逃げる人の流れに逆らって屋上へと向かうのでした。

勢いよく飛び出したものの、そこにはエイリアンらしき姿がありません。代わりに目にしたのは弱々しく話すネズミ…、エイリアンでした。傷つき死にかけていることに気づき、罠かと一瞬だけ躊躇するも放っておくことができず、悠介はネズミを助けてあげようとしますが、すでにネズミは死んだ後でした。

フリンジとの出会い

エイリアンの襲来に伴ってヒーローが駆けつけます。やってきたのはキャプテンストライカーとブレイズピークこと涼の2人。悠介はエイリアンと対峙する涼の姿を見て、「たのむぞ…」と無事を祈りながら、家に帰っていくのでした。

悠介はネズミ一匹すら守れない自分の無力さを痛感します。ところが腕に黒いなにかがあることに気づくと、黒い物体は「や…やぁ」と話しかけてきました。突然のできごとに驚く悠介でしたが、黒い物体は自らを「フリンジ」と名乗ります。

フリンジは悠介の体に寄生した理由を説明。ネズミが死んでいた理由にも納得することができましたが、話の途中で外から突然、「よお地球人ども!」とシャークトゥースの声が響きました。

フリンジの力を借りる悠介

エイリアンを倒すために駆けつけたヒーローでしたが、キャプテンストライカーが戦闘不能にされてしまったのです。そしてブレイズピークとして戦う涼もまた、窮地に立たされていました。

「まだフリンジを差し出す準備はできないのか?」とシャークトゥースの声が聞こえると、フリンジは悠介に「差し出すのか?」と尋ねます。悠介は強く否定し、「力があればあんな奴ぶっ飛ばしてやる」と言いますが、エイリアンと戦う力を持っていません。

するとフリンジは悠介に戦う意思を確認しながら、自らを「武器」だと言って力を与えます。シャークトゥースが言うには、フリンジは「宇宙最強」の武器とのこと。悠介はヒーローになれる力を手にしたことで意気揚々としながら、エイリアンがいるところへ全速力で向かうのでした。

涼は果敢にシャークトゥースへの攻撃を続けていましたが、まったく歯が立ちません。そしてトドメの一撃を受ける寸前で悠介が駆けつけ、そのままシャークトゥースを退治するのでした。

フリンジの弱点

悠介は涼にフリンジを紹介します。エイリアンを倒すことができたのもフリンジのおかげだと謙遜しますが、涼はそれでも「おめでとう」と祝福するのでした。なぜなら涼は、ずっと悠介がヒーローになりたかったことを知っていたからです。

続けて涼は自分の想いを打ち明けていきます。よく分からないうちにヒーローの力をつかえるようになったこと、それから悠介との距離を感じるようになったこと。「これからは悠介に守ってもらうから」と伝えるのです。

悠介は幼いころの約束を果たせるだけの力を持ちました。そして涼の肩に手を回して「任せろ」と言います。涼は恥ずかしいのか頬を赤らめるも嬉しそうな表情です。

しかし「宇宙最強の武器」であるフリンジには弱点がありました。それは人間の「恋愛感情」。悠介の体を包んでいた黒いアーマーが砕け散ってしまいます。そして倒したはずのシャークトゥースが立ち上がっており、2人は再び窮地に立たされてしまうことになるのでした。

エイリアンと戦える力を手に入れた悠介でしたが、フリンジは恋愛感情に反応してフリーズしてしまうのです。無防備になってしまった悠介は、果たして無事に窮地から脱することができるのでしょうか?
そして涼との関係も気になります。互いに意識し合っている様子がありますが、悠介は涼を守るためにフリンジの力が必要不可欠。このジレンマが物語にどう影響していくのでしょうか? 気になる続きは、コミックをチェックしていってください!

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紹介作品

フリンジ-思春期ヒーロー-【フルカラー】
フジワラシュンイチ
手に入れた、愛する人を守るヒーローとしての力…ところが、思春期のヒーロー・最大の弱点は…恋愛感情だった!?
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