死に別れた妻を想う、一途な任侠男

泰親は大勢の組員を抱えるヤクザの親分でしたが、最近は高齢のため体の衰えを感じ始めていました。その日は妻のお墓参りに一人で出かけますが、腰が痛み、寺までの道のりさえもきつく感じます。

45年間、毎月欠かさず続けてきたお墓参り。泰親は妻のお墓に向かって「機嫌はどうだ？」と優しく語りかけます。
そして、若い者たちの考えについていけなくなりつつあることも話し、引退を考えているから「早く迎えに来てくれ…」と寂しそうに伝えるのでした。

突然の若返り！？若いイケメンにチェンジ！

墓参りの帰り道、寺の前で3人の若い女性たちの会話が泰親の耳に入ってきます。
女性たちは今夜の街コンに備えて、ダメ男を寄せ付けないように厄払いに来ていたのでした。
泰親は亡くなった妻を思い出しながら、自分も妻にダメ男と思われていたかもしれないと笑います。

その時、足を滑らせた泰親は寺の階段から落ちて、気を失ってしまいました。
目を覚ますと先程すれ違った女性たちが心配そうに泰親のことをのぞき込んでます。
そのうちの1人・うたが額を切っていると話し、泰親に鏡を貸してくれました。

泰親は大したことはないと言いながら鏡で傷を確認すると、そこには若返った自分が映っているのでした。驚愕した泰親は現実拒否するように、帰って寝ようとその場を後にします。

誰にも気づいてもらえない！！

しかし、家に帰り着くと泰親だと気づく者はなく、組員たちはよそ者と思い込み、中に入れてくれません。
困った泰親は事情を説明しようとしますが、組長の名前を語る一味が喧嘩を売りにやってきたと解釈した組員が騒ぎ出します。

状況が悪くなった泰親は説明するのを諦めて、いったん退却することにします。
全力で走って、組員たちを巻くことに成功した泰親でしたが、行く当てもなく、これからどうしようか悩みながら街をうろつくのでした。

うたとの再会

泰親がこのままカタギになろうかと考えながら歩いていると、路地裏で男に絡まれている女性を見かけます。泰親は女性が昼間に自分を介抱してくれた、うたであることに気がつきました。

うたは男と街コンで出会い、2人だけで飲みに出かけたようですが、下心のある男が乱暴にうたに迫ります。よりによって男は日堂組の組長と知り合いだと嘘をつき、うたを脅しました。
ヤリ目的でなければお前なんて相手にしないと言われ、激しくショックを受けるうたを見ていた泰親は声をかけるのでした。

ヤリ目男を鮮やかに撃退する泰親！！

泰親は　2人に近づき、自分の縄張りで好き放題やっている男を威嚇すると簡単にねじ伏せます。最初は強気だった男はあっさり逃げ出していきました。

泰親は怖い思いをしたうたを気遣いますが、昼間に会ったことを覚えていたうたは逆に泰親の額の怪我の方を心配してくれます。

うたと泰親が急接近！？

うたは31歳。自身は男を見る目がないと落ち込んでいる様子です。
さっきの男に言われた「ヤリ目以外で声をかける男はいない」という言葉も、うたの心を深く傷つけてました。泰親はうたの気持ちを察して、見知らぬ男にも親切にできるいい子だと慰めます。

うたは泰親の気遣いに感謝すると、助けてもらったお礼に自分ができることなら何でもすると言いました。