傀 -サムライ・オブ・ザ・デッド-』死人で造られた兵器・傀をめぐり少年と青年が向かう先は…!

2019/10/3更新

今回ご紹介するのはコミックフェスタで配信中の少年コミック、樋田よしなり先生の「傀 -サムライ・オブ・ザ・デッド-」です。時は明治、「傀(かい)」と呼ばれる死人で造られた兵器をめぐって物語が始まります。傀を操る術を学ぶ少年・多喜(たき)と、彼と行動を共にする傀である青年。謎の多い2人の行動からは目が離せません。

それでは、あらすじとともに作品をご紹介していきます。

多喜と青年、2人の出会い

ある山の中で、軍服を身にまとった青年は瀕死の重傷を負い倒れてしまいます。血は止まらず、身体は動かなくなってしまいました。「こんなところで死んでたまる…か」息も絶え絶えになりながらも、青年は必死に生きようとします。

「生きたいですか?」そこに1人の少年が現れます。彼の名前は多喜。ここから、多喜と青年、2人の物語が始まるのです。

村人全員が傀の村

時はたち、多喜と青年は行動を共にしていました。2人が森の中を移動しているとき、青年は足を怪我してしまいます。多喜は青年の足に巻いてある包帯をまき直し、青年の身を案じます。

2人が休んでいるとき、偶然近くの村に住んでいる村人と出くわします。村人は青年の首に描かれた紋を見て、「兄さんも傀か!ってこたぁ手入れだな!」と話します。村人が住んでいる村には傀の研究をしている人間がいるようで、その人の所まで案内すると村人は申し出てくれました。

村人の様子を見て、多喜は傀が怖くないのかと尋ねます。傀は世間では兵器と言われ、恐れられているからです。それに対して村人は「うちの村はみーんな傀だぜ」と答えます。村人の首には青年と似た紋が描かれていました。村人全員が傀と聞いて、多喜と青年は驚きます。

青年は先生に怪我をした身体を見てもらうが…

村に到着した2人は、傀の研究をしている内田先生のところに案内されました。そこで青年は内田先生に怪我をした身体を見てもらいます。青年の身体を見た内田先生は、核にひびが入ったのではないかと話します。傀の胸の核は身体の動力源で、壊れる前に新しいものと変えないといけない大事な部分です。

しかし、青年は傀になるときの施術を相澤術式でされていたので、内田先生には青年を治すことができません。相澤術式を使っていた一族は全員亡くなっていて、資料も残っていないと先生は言います。さらに他の術式よりも複雑なため、先生は自分では治すのは無理だと話します。

多喜の目的は相澤術式の術士に会うこと

内田先生の話を聞いた多喜は、相澤術式について付け加えて説明します。相澤術式は複雑な分、他の術式に比べて強固であり、首を落とさない限り核に何があっても傀本体が壊れることはないと話します。

多喜は相澤術式を使える術士に会うために、傀の勉強をしていました。術士は全て亡くなっていると内田先生は話していましたが、多喜は「…きっと生きていますから」と確信めいたものを持っていました。

多喜は何を思うのか…

青年は内田先生から簡単な処置を受けることになりました。その間、多喜は内田先生の部屋にあった本の続きを読みに書庫まで行きます。

「ここにもない…か」多喜は書庫で本を読むのとは別に、探し物をしていました。しかし、探し物をしている最中に、村の子供・千代に見つかり「おにーちゃんもかくれんぼ?」と言われて、連れていかれてしまいます。

連れて行かれた先で多喜は、子供達に懐かれて遊びに連れ回されました。連れ回されてヘトヘトになっているところに青年が通りかかったので、多喜は事情を説明します。

ヘトヘトになりながらも「子供はすきなので」と、多喜は話します。それに対し青年は「おめーも十分子供だろ」と言います。多喜は「…わかっていませんね。子供は…ですよ」と含みのある言い方で反論します。
ここで多喜は何を思うのでしょうか。意味深な発言が気にかかります。

失敗作の暴走

「失敗作が暴走してる…!!」駆け込んできた者が内田先生を呼びました。外では失敗作と呼ばれる傀が近隣住民を襲っています。必死に止めようとする者たちに失敗作を止めることはできません。

そして、失敗作は多喜と青年の2人に襲いかかります。青年は持っていた刀で失敗作を迎え撃ちますが、攻撃を受けてしまいます。頭を負傷した青年は、その場に倒れこんでしまいます。多喜は青年のもとに膝をつき、呼びかけますが…。

今回ご紹介するのはここまでです。

謎が謎を呼ぶ物語にどんどん引き込まれました。樋田よしなり先生の画力が高く、設定や伏線がしっかり作られていて、とても見応えのある作品だと思います。多喜と青年の関係、青年の正体、多喜が相澤術式の術士に会いたい理由など気になることが多すぎて、早く続きを読みたいです!

負傷した青年はどうなってしまうのか?傀が暴走した理由は?そして、多喜と青年が行動を共にする目的とは?作品の続きが気になる方は、コミックフェスタで配信中の「傀 -サムライ・オブ・ザ・デッド-」を是非、チェックしてみてください!

紹介作品

傀 -サムライ・オブ・ザ・デッド-
樋田よしなり
「近藤勇の首…知らねぇか?」死人で造られた兵器・傀が巣食う世界で…人の生き死にをも操り、彼らは何を成そうというのか…
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