夫からモラハラを受ける日常

ぽっちゃり主婦、荒木舞子（あらきまいこ）は夫と2人暮らし。夫の好みに合わせたカロリー高めなメニューを毎朝用意しています。夫は起きてきても、舞子のあいさつにロクな返事もせず食卓に座るだけ。いつもどおりに作ったココアですら「薄い」と難癖をつけます。さらには舞子が作り直している途中で平気で食べ残して席を立ってしまうのです。

夫は黒い靴下が見つからず、舞子に探させておいて「段取り悪いなぁ、ブタみたいに太ってるから遅いんだよ」と言い放ちます。舞子も心では反論しますが、笑顔でやり過ごす日々を送っていました。

パート先に現れたイケメン

舞子はスーパーでパートタイマーをしています。店長と品出し中、おいしいのに売れないパンケーキについて話していると、「少しゴールデンラインが低いですね」と背後からイケメンな男性が声をかけました。舞子たちは言われた通りにパンケーキを陳列する棚の高さを変えていきます。すると、あっと言う間にパンケーキが売れはじめたのです。

本社からやってきたエリート男子

男性の敏腕っぷりにすっかり驚いている舞子。店長から男性は本社から派遣された経営コンサルタントの小野寺迅（おのでらじん）だと紹介されます。
挨拶を交わし、舞子は自分の顔をじっと見つめる小野寺に「どうかしました？」と尋ねますが、「…いえ」と笑顔で返されます。

去っていく小野寺の背中を見つめ、「若いのに仕事ができて、しっかりしてるな…見習わないと」と思う舞子。パートを終えて帰り支度をしていると、パート仲間から小野寺の歓迎会に参加するか問われました。遅くなると夫がうるさいからと返事を渋っていると、パート仲間はストレス発散にいいじゃないと誘います。けれど舞子は、早く買い物をして帰らなきゃと急いで出ていきました。

偶然の再会

スーパーで大特価の苺を発見した舞子。選んだ苺を手に取ろうとすると同じタイミングで誰かも手に取ろうとしていました。2人とも謝りあい、顔を見合わせると相手は小野寺でした。

どうやら苺を選ぶ基準が2人とも同じようで、新鮮な苺の選び方で盛り上がります。舞子が「そういえば昔、隣に住んでた男の子も苺が大好きで」と話すと…なんと！その男の子は小野寺だったのです。5つ年下で「ジンちゃん」と呼んでいた幼馴染は仕事のできる素敵な男性に成長していました。

舞子のお願いにモラ夫の反応は…

自宅では夫がテレビを見ながら芸能人の悪口を言ってます。舞子は勇気を振り絞るように「明日の夜、会社の歓迎会なんだけど20時に帰るから行ってきてもいいかな」と夫に伺いをたてました。

夫は「おまえはサークル気分でいいよな」と嫌みを言います。舞子は反論し、夫だって毎日のように飲み会続きであることを指摘すると、「俺の飲み会は仕事なんだよ！」と罵声を浴びせられました。

夫の飲み会代のせいで家計がピンチだったため、節約を頑張りメニューも考えて料理している舞子。良妻であっても夫は感謝してくれることなく、事あるごとにあてつけてきます。
今回ばかりは普段おだやかな舞子も頭にきた様子で、歓迎会でガッツリ飲むことを決意したのです。

優しい彼の真剣なまなざし

飲み会が終わると、飲みすぎてしまった舞子に小野寺は「大丈夫ですか？」と声をかけました。
小野寺の勧めで少し移動すると人気のないベンチに2人は腰かけます。

小野寺は舞子の調子が良くなるまで隣にいることを告げ、離れようとしません。「こんな暗いところに女性をひとりになんてできませんよ」と優しく伝えます。
舞子は感謝し、「こんなに優しくされたの何年ぶりかな…ううん初めてかも」と笑って「夫にもブタって言われちゃうし」と続けました。

「僕にとってはあの頃からずっと可愛らしい舞子さんのままです」と真剣なまなざしの小野寺。戸惑い照れながら舞子は茶化して「悪い気はしないけど…こんなオバちゃんになっちゃったし、女性として見れないでしょ」と小野寺の肩に手をポンと置きました。
すると、「無防備すぎますよ」と手を握り返され、小野寺の唇が徐々に近づいてきて……