泣く子も黙るヤンキー・東雲朝

主人公の東雲朝は泣く子も黙るヤンキーです。ケンカがとても強く、敵対するヤンキー集団を1人で一網打尽にしてしまうほどでした。そして子分達からもアニキと言われ、慕われていました。

ヤンキー仲間からは憧れの存在である朝ですが、実は秘密の弱点を持っていました…。

恋に落ちたヤンキー

朝率いるヤンキー集団は、他の生徒達からは恐れられていました。彼らが学校に登校すると、生徒達はざわつきます。生徒達が遠巻きから朝達についてあれやこれやと話している中、「貞子ちゃん」と呼ばれる女子生徒が朝達の前に突き倒されてしまいました。

「おい立てんのか」朝は倒れている女子生徒に近づきます。「眼鏡…メガネ…」女子生徒は外れてしまった眼鏡を探していました。朝は落ちていた眼鏡を拾ってあげます。「ありがとうございます」女子生徒は朝にお礼を言い、去っていきました。

（激マブ！！）朝は女子生徒の素顔を見て、一瞬で恋に落ちてしまいます。そして、そのまま固まって動かなくなってしまうのでした…。

女子生徒の正体は！？

「野郎ども！！あの女の素性を探れ！！」我に返った朝は、子分達に女子生徒の正体を探るように指示します。「え？なんで？」子分達は疑問に思いますが、朝の剣幕に押されて調べに行くのでした。

調査が終わり、子分達は女子生徒について朝に報告をします。女子生徒の名前は日暮夕。朝と同じ2年生で、廃部寸前の漫画研究部に1人で所属していました。夕は普通の女子高生だから、朝が気にする人物ではないと子分は話します。

「部室はどこだ、ツラを拝みにいく」調査を聞き終わった朝は、夕に一目会いたくて子分を引き連れ漫研の部室に向かうのでした。

漫研部室はお化け屋敷！？

漫研の部室前についた朝は、ブツブツと何かを言い始めます。夕にどんな風に声をかけるのが1番良いか考えていたのです。「オレ漫画好きでよ、この部活興味あんだよ」これだ！と思う言葉が見つかり、朝は勢いよく漫研部室に入っていきます。

ところが漫研部室の中は暗く、人骨の模型や妖怪の置物などが置いてあって、お化け屋敷のようでした。それを見た朝はとても驚いてしまいます。夕は大のホラー漫画好きで、部室を自分の趣味で埋め尽くしてしまっていました。

「おーい、誰かいませんかー？」子分の1人が声をかけますが、反応はありません。子分達は部室に入り、部室の中を物色し始めます。しかし朝は部室の前で頭を抱えて、中に入ってこようとしませんでした。

朝の後ろに現れたのは…

子分の1人がランプになった生首の模型を、面白がって朝のところに持って行きます。「人様のモンだぞ、やめねぇか！！」何故か取り乱した朝は、模型をぐしゃぐしゃに壊してしまいました。子分は浮かれていたことを謝り、頭を下げます。すると目に飛び込んできたのはガタガタ震える朝の足でした。

「アニキ脚が…」子分が心配して声をかけると、「なんでもねぇよ！女もいないし、いったんずらかるぞ！」と言って、朝は部室から出て行こうとします。「あのー…」そのとき朝の背後に、血だらけの女が突然現われます。「うわあああああああ」恐怖のあまり、ヤンキー達は驚きの声を上げました。

最強ヤンキーの弱点はホラー！？

「すみません、私です」血だらけの女は、朝が探していた夕でした。夕はイジメられるかと思って、咄嗟にペンキをかぶっていたのです。

「もしかして入部希望者ですか？」夕はヤンキー達が、漫研入部希望者だと勘違いしていました。頓珍漢な発言にヤンキー達は爆笑します。「どーする？入部でもしてやるか？」仲間の1人が朝に声をかけ、肩を叩きます。すると朝は、直立不動のまま後頭部から床に倒れてしまいました。

なんと朝は気絶していたのです。その日、ヤンキー達は泣く子も黙る朝の弱点が、ホラーであることを知ってしまうのでした…。