勇者と魔王、決着の刻

北の大国ヴァルへイム。ここでは、魔王ひきいる魔族とヒトとの戦いが100年続いていました。ですが、勇者と魔王の決戦によって、長きにわたる戦いに終止符が打たれようとしていました

激しい戦いが佳境にさしかかり、勇者が魔王に止めを刺そうとしたとき、魔王は広域破壊魔法を発動して勇者を道連れにしようとします。「我は何度でも蘇りその度に貴様を殺してやる」「俺は何度でもアンタの野望を止めてやる」城が崩れ落ちる中、2人は来世こそ決着をつけると誓うのでした。

転校生は魔王！？

とある小学校のクラスでは、現在転校生の話題で持ちきりです。クラスメイトから普通、まじめ、転校生に興味なさそうと言われている村野ヒロも、転校生がどんな子か気になっていました。「運命の出会いとか―」と期待していたヒロの前に現れたのは、全身を鎧で覆った転校生でした。

「桜庭マオ、齢は10だ」と自己紹介する転校生は、ゲームや漫画で見るような魔王の姿そのものです。隣の席に座ったマオに、ヒロは思わず「魔王だ～！」と叫んでしまいます。

「マオウじゃなくてマオさんよ！」変なあだ名をつけたら駄目と、ヒロは先生に怒られてしまいます。クラスのみんなは、どう見ても不審者のマオをおかしいとは思っていません。それどころか、マオはクラスの男子からめちゃくちゃかわいいと言われ、一躍人気者となります。

ヒロにしか魔王の姿は見えない

「私にだけあの魔王が見えてて、みんなには別のものが見えてる…？」ヒロはマオを見たみんなの反応に疑問を感じます。自分だけが見えていると気づかれるのはまずいと思った矢先、「おい、そこの人間、話がある」とマオに話しかけられてしまいます。

そして、ヒロはマオと2人きりで体育館の倉庫で話をすることになります。跳び箱の上に座り、異様な雰囲気を放つマオに、ヒロは怯えながらも正体を尋ねます。マオは、自分は魔王だと正体を明かすのでした。

魔王の目的は…？

マオは自分の本当の姿が見えるヒロに、魔王の力の一端を特別に見せます。「来たれ魔王の軍勢よ」床に魔方陣を描くと、床から出てきたのはラウムと言う魔王の僕でした。ちんまりとした姿に、ヒロはつい可愛いと言ってしまいそうになります。転生した結果、魔王の力は弱体化していて、配下は1人しか呼べなかったのです。

マオは自分の過去についてヒロに話し始めます。かつて世界を手中に収めようとしていたこと、それを勇者に阻まれたこと、そして転生しても勇者と魔王の輪廻からは抜け出せないことをヒロはマオから聞きます。

「今度こそ我は奴との運命に決着をつける…！」マオは勇者との決着をつけるため、勇者を探していました。

勇者は学校にいる！？

「でもなんで学校に…？」ヒロはマオがなぜ学校に転校してきたのかを尋ねます。マオは勇者に近づけば近づくほど刻まれた傷がうずくと話し、「勇者はこの学校にいる」と答えるのでした。

マオは自分の弱った力では勇者を見つけることは難しいが、転生者の本当の姿が見えるヒロの力があれば、勇者を見つけることができると言います。そして「我が下僕となりその力で勇者をみつけるのだ」とマオはヒロに命じるのでした…。魔王に目をつけられてしまったヒロの運命は如何に！？