『夜蝶の下僕~エリート官僚、キャバクラへ天下る~』ミステリアスな黒服は夜の街で何を思う…
2020/2/6更新
今回ご紹介するのは、コミックフェスタで配信している音マサキ先生の女性コミック『夜蝶の下僕~エリート官僚、キャバクラへ天下る~』です。
キャバクラの黒服(ボーイ)にスポットを当てた本作。華やかな世界を支える男の姿が描かれています。元エリート官僚の主人公は、一癖も二癖もある客をもてなし、キャバ嬢をサポートしていきます。異色の経歴を持ち、謎多き男は華やかな夜の街で何を思うのでしょうか。無愛想ですが、核心をつく主人公の発言に要注目です。
それでは、あらすじとともに作品をご紹介していきます。
キャバクラを陰で支える黒服達
キャバクラ・クラブジェミニは今日も、華やかなキャバ嬢達と男性客とで賑わっています。それを裏で支えているのは黒服達です。彼らが忙しさに追われるなか、一際存在感を放つ男がいました。
男の名は、田中樹。樹は、無表情でミステリアスな男でした。樹は店に入ってまだ短いにもかかわらず、キャストのタバコや店の流れを把握していました。
元キャリア官僚の黒服
「このバカ女!」店内に怒声が響きます。客の男は自分が飲んでいる酒を、キャバ嬢のナギサが覚えていないことに腹を立てていました。男は毎回酒も指名も変えているので、誰も男が何を飲んでいるのかわかりません。。
しかし、樹は男が最後に飲んだ酒を把握していて、望みの酒を提供します。そして男をうまくおだてて、男の怒りを静めるのでした。客の望みを把握していて、仕事ができる優秀な樹は実は元キャリア官僚だったのです。
キャバ嬢のお礼!?
お店が閉店した後、樹は先ほど助けたナギサに声をかけられます。ナギサは樹に近づき「お礼にキモチイイコトしてあげる」と甘い言葉で誘いました。しかし樹は、気持ち良いことをマッサージと思い、素人のマッサージは危険だからと断ります。
「なんだ…アンタただのバカじゃん」樹の返答に、ナギサはあきれます。そして「アフターするんで、送りいらないでーす」と言って、お店から出て行きました。
この男、ただの黒服じゃない
「ちょっと放してよっ」樹は帰り道で、ナギサが男達とトラブルになっているところに遭遇します。男はナギサが枕営業をしていると聞いて、ナギサをホテルに連れ込もうとしていました。
「近所迷惑です」樹は怒鳴っている男を注意して、ナギサを連れて帰ろうとします。ところが男はバカにされたと思い、樹に殴りかかってきました。樹は殴りかかってきた男の顔を掴み、「だから『声を抑えてください』とお願いしているんです。お客様」とすごみます。樹の握力は強く、男はそのまま気を失ってしまうのでした。
大切なものを失う怖さを知っているからこそ
樹はナギサに客とのアフターは自由だけど、大事になってからでは遅いと釘を刺します。ナギサは男とはご飯だけとの約束だったのにホテルに連れ込まれそうになったこと、枕営業の噂は自分の事を気にくわないキャストが広めたことだと話しました。
別に気にしていないと話すナギサを、女性は男より失う物が多いから自分を大切にしてくださいと樹は気遣います。ナギサは「私に失うものなんかないよ、だから強くいられるんだって」と笑います。それに対して樹は「大切なものを失う怖さを知っている人間も、強いんじゃないでしょうか…」と話すのでした。
ナギサは妊娠していた!?
ある日、ナギサは体調が悪く、お酒をノンアルコールに差し替えて飲んでいましたが、それを客に見破られてしまいます。客は女に高級ジュースを飲ませにきているわけではないと怒り、ナギサにお酒を飲むように命じます。
窮地に陥ったナギサを助けたのは樹でした。客が差し出した酒をボトルのまま一気飲みします。樹の飲みっぷりを気に入った客は機嫌を直し、その場は事なきを得るのでした。
仕事が終わったあと、ナギサは樹にお礼を言います。樹は好きで助けたわけではないと言って、「貴女一人の身体ではないからです」と話します。樹はナギサが妊娠していることに気づいていたのでした…。
今回ご紹介するのはここまでです。
無愛想で何を考えているのかわからない樹ですが、颯爽と現れてナギサのピンチを救う姿は格好良かったです。またキャバクラの客やナギサに対しての樹の核心をついた発言は、深くて考えさせられるものがありました。今後の樹の働きぶりには、すごく興味がわきます。
樹は何故キャリア官僚を辞め、黒服に転職したのか?妊娠が発覚したナギサはこの後どうなるのでしょうか。今後の展開が気になります。
作品に興味を持たれた方は、コミックフェスタで配信中の『夜蝶の下僕~エリート官僚、キャバクラへ天下る~』を是非ご覧ください。
紹介作品
- 夜蝶の下僕~エリート官僚、キャバクラへ天下る~
- 華やかな夜の世界で地べたを這う存在…黒服。脱落者続出の職場に、元エリート官僚のハイスペ男子・田中が入店して…!