イデアリリーの女王~人造乙女は繁殖したい~』イデアリリーとなってしまった少女の運命は…

2020/3/4 更新

今回ご紹介するのは、コミックフェスタで配信されているもてぃま先生の青年コミック『イデアリリーの女王~人造乙女は繁殖したい~』です。

主人公のハルはある日、見知らぬ部屋で目を覚まします。記憶が曖昧でこの場所はどこだろう体を起こすと、ルームメイトのリナリアが話しかけてきてくれました。ここはデアステラ学園。そうリナリアは言います。

この学園では植物や医療関係のことを学ぶのですが食事で花を食べたり、日光浴という授業があったりととても不思議な学園です。

そんな中、ほかの生徒からイデアリリーの女王と讃えられるシオンと出会います。ハルはなぜこのような場所にいるのでしょうか。

それでは、あらすじとともに作品をご紹介していきます。

目を覚ますとそこは…

主人公・ハルがゆっくりと目を開けるとそこはベッドの上でした。周りを見渡すとそこが自分の部屋ではないことが分かります。すると一人の女の子が声をかけてくれました。彼女の名はリナリア。リナリアは「今日からあなたのルームメイトのリナリアですっ!」と言いますが、ハルはまだ状況をつかめません。

するとリナリアが先生と呼ぶ人物が現れ、体調はどう?と聞いてきました。ハルは少し頭が痛いと答え、先生からお水をもらいます。ハルは家族とドライブに向かった記憶はあるのですが、それ以降のことは覚えていないようです。先生にここはどこなのか尋ねますが、先生はそのことに関しては何も言わず、リナリアにハルを案内してあげてとだけ残し、どこかへ行ってしまいます。

するとリナリアが「ここはデアステラ学園だよ! 今日からあなたも私たちと一緒に暮らすんだって!」と教えてくれました。どうやらハルは転校生ということでこの学園にやってきているようです。ハルはその説明を聞いて困惑しながらも、リナリアに食堂へと誘われるのでした。

みんなが食べているのは花!?

食堂へと向かうとみんながナイフとフォークを使って食べているのは、なんと花でした。授業は普通なのですが、学ぶ内容が植物や薬草、医療関係のことばかりです。ハルは依然、状況がつかめず頭がボーっとしてしまいます。

次の授業の日光浴では着替えが必要となるというのです。日光浴という授業に引っ掛かりを感じながらもハルはリナリアから着替えである日光浴着を受け取ります。

日光浴へ向かう途中、アネモネという名の生徒がいじめられている現場を目にします。それを見てハルは「…どこでもいじめはあるんだな」と思うのでした。

イデアリリーの女王・シオン

日光浴着に着替えると何やらその見た目はまるで水着のようです。するとリナリアが「こっちきて!」とハルの手を引きます。するとそこにはすごい人だかりができていました。

その中心にいるのは、イデアリリーの女王・シオンでした。シオンは他の生徒から朝一番に採れたバラを受け取ったり、提供されたお茶が気に入らないものならば却下したりとまさに女王様のような扱いを受けています。

その光景を見ていたハルは更に集まってきた生徒に突き飛ばされて尻もちをついてしまいます。するとそれに気づいたシオンは「あなたが転校生ね? 大丈夫?立てる?」と優しく話しかけ、手を差し出してくれました。

ハルはシオンの手を借りて立ち上がると続けてスッと頬に手を当てられ、「きれいな瞳 まるでチョコレートコスモスのようね」と言われます。シオンはそのまま「学園生活を楽しんでちょうだいね」とニコッと笑い、去っていきました。

女王様であるシオンに話しかけられることは凄いことだとリナリアは言います。しかし他の生徒からは、転校生という物珍しさで気に入られているのだと妬まれてしまうのでした。

大けがをしているはずなのに…

ハルは水着を着て日光浴ということに違和感を覚えながらもリナリアとともに日光浴をしに来ました。木の上に登っている生徒もいれば、草原の上に座っている生徒もいます。

すると突如キャー!!という悲鳴が聞こえました。急いで駆け付けるとどうやら木の上で日光浴をしていた生徒が落下してしまったようです。腕が取れかけてしまっていて大けがをしていると思ったハルは急いで誰かを呼ぼうとします。しかしリナリアはなんで?と慌てている様子がありません。

ハルが再び腕を見てみると取れかかった腕から植物のようなものが生えてきているのです。それを見たハルは「ば…化け物…!!」と口にしてしまいます。この状況に耐えられなくなったハルはその場から逃げ出してしまうのでした。

なんで私の身体からこんなものが!?

ハルはお父さん、お母さんのことを思い暗い森の中をがむしゃらに走ります。途中、木の枝で左腕に傷を負っても気にせず走り続けました。すると森から抜けられそうな出口が見えてきました。しかし走り抜けた先に広がったものは、有刺鉄線と高圧電流の流れる金網フェンスで外へ出ることは出来なくなっている状況でした。

ハルはどういうこと…?と再び自分がドライブに行った後のことを思い出そうとします。記憶をたどりながら、ふと自分の腕を見てみるとなんと傷口の部分から先ほどの生徒の腕から生えていた植物が生えてきていたのです。

ハルはひどく動揺し、「なんで…なんで私の身体からこんなものが!?」とブチブチッとその植物を手で引きちぎります。しかし、どんどん生えてくるためキリがありません。

「そんなことをしてはダメ」

そう言って現れたのは、イデアリリーの女王・シオンだったのです。

あなたはもう人間じゃない…

シオンはこの植物は傷を治しているのだと言います。シオンはハルの慌てぶりをみて、「…あなたもしかしてだけれど もともとイデアリリーではなかったの…?」と聞いてきました。

そのことを理解できないハルは自分のことは人間で、シオンのこともそうだと主張します。しかしシオンは、人間にはそのような治癒能力はないと否定します。確かにハルの腕にあった傷はほとんど治っていました。

シオンはあなたに見せたいものがあるのだが、その前に一つ言っておかなければならないことがあると言い

「…あなたは人間じゃない 私たちと同じイデアリリー ここで生きていくしかないわ」

とハルに告げるのでした。

独特な雰囲気を作り出しており物語に引き込まれました。
ハルは既に人間ではなく、イデアリリーであると告げられてしまいました。ハルが記憶を一部失ってしまっていることとこの場所へ来ることになってしまった経緯は一体何なのでしょうか。またイデアリリーとは何なのでしょうか。謎が多くあり、今後の展開が気になります。
作品の続きが気になる方は、コミックフェスタで配信中の『イデアリリーの女王~人造乙女は繁殖したい~』を是非チェックしてみてください。

紹介作品

イデアリリーの女王~人造乙女は繁殖したい~【フルカラー】
もてぃま
花だけを食べさせられる少女達、張り巡らされた鉄条網…ここは乙女の花園か…それとも悪魔の監獄か…
< 漫画レポート一覧へ