猛獣アイドル・カイト

「本当に申し訳ございません！！」所属アイドルがステージでミスをしてしまい、さくらは主催者の極堂に謝罪をします。しかし、極堂はステージを台無しにされたことに腹を立てていて、謝罪だけでは済みそうにありません。さくらはやっと貰えた大きな仕事なのにと悩みます。

「おいアンタ、さっきから犬コロみたいにうるせーな」そこに現れたのは、猛獣アイドルとして注目されているカイトでした。カイトは人のせいにするのは実力がないからだと極堂を煽って、「せいぜい努力しな、オッサン」と去っていきました。さくらは「さりげなく助けてくれた…？」と思うのでした。

マネージャーをクビに！

「えっ、クビですか？」極堂はこの間の件で相当怒っていて、さくらが辞めれば今まで通り仕事をすると事務所に圧力をかけてきました。今の仕事は小さい頃からの憧れで大好きな仕事だけど、自分のせいで皆の夢を潰すわけにはいかないと思い、さくらは辞めることを了承します。

大興奮のライブ

さくらの最後の仕事は、カイトが所属する煌牙プロとの仕事でした。仕事の前にさくらは、担当していたアイドル達に事務所を辞めてもずっと応援することを伝えて、「最高のパフォーマンスを見せてよね」とエールを送ります。それを受けて、アイドル達は「俺達、絶対最高のステージにしてみせます！！」と意気込むのでした。

大勢の人で賑わうライブ会場で、1人になったさくらは「あの子達の成長を見届けたかったなぁ」と思います。「元はといえばあの人のせいで…！」カイトのせいにするのは良くないと思いながら、後で文句を言ってやろうと考えました。

そうこう考えているうち、カイトのライブが始まります。「オイオイ、テメェらその程度か！？もっと声上げてけよ！！」カイトのライブは大いに盛り上がり、さくらはライブの熱気に大興奮します。

ライブ後に苦しむカイト

ライブ終了後、さくらがステージ裏を歩いていると、ある控室から唸り声が聞こえてきました。気になって控え室を覗くと、中ではカイトが苦しんでいました。

「大丈夫ですか！？」さくらは声をかけましたが、カイトに乱暴に手首を掴まれて、壁際に追い詰められてしまいます。「テメェ…いつからそこに居た！？」険しい表情のカイトに、さくらは勝手に控室に入ったことを謝りました。話を聞いたカイトはさくらを解放して、「用が済んだなら、とっとと失せろ」と言います。

努力と才能

さくらはカイトに、本当は今日のステージのお礼を伝えたかったと話します。アイドル達がカイトと一緒にステージに立てて喜んでいたことを伝え、「今後もぜひあの子達を宜しくお願いします！」と頭を下げました。

それに対してカイトは、「正直ダンスも全然だし個性なさすぎ。あの程度じゃすぐ消えるぞ、アイツら」と突き放します。「適当なこと言わないで！！貴方に何が分かるっていうんですか」さくらは才能のあるカイトには、ひたむきに努力しているアイドル達の気持ちが分からないと怒りました。

こんなところに狼が…

さくらは怒った勢いで足を滑らせてしまい、カイトもつられて倒れてしまいました。その拍子に、2人はキスをしてしまいます。

「は…？」倒れたさくらの上に覆いかぶさっていたのは、カイトではなく狼でした。「どうして、こんなところに狼が―！？」さくらは急いで逃げようとしますが、狼に後ろから組み付かれてしまいます。「どうしよう食べられちゃう…！？」すごい力で押さえつけられ、さくらは唸り声をあげる狼に恐怖するのでした…。