いなくなった飼い猫のツミレ

サラリーマンの磯辺が自宅でテレビ会議をしていると、飼い猫のツミレが画面に映りこんでしまいます。ツミレがパソコンの周りを落ち着きなく動き回るので、磯辺はツミレにねこじゃらしを与えて、そちらに意識を向けさせました。ツミレは夢中になって、ねこじゃらしで遊びます。

テレビ会議が終わり、磯辺はツミレを呼びますが、反応がありません。「ウソだろ…」ツミレを探していた磯辺は、部屋の窓が開いているのに気づきます。磯辺は外に出て、ツミレを探しに行きました。

異世界に召喚！？

磯辺は公園に猫が集まっているのを発見します。公園の地面には魔法陣が描かれており、円の中心にはツミレがいて、その周りを取り囲むように猫が何匹もいました。「ツミレ待て！」磯辺は魔法陣の中に入り、ツミレを捕まえて抱きかかえます。すると、魔法陣が光り、磯辺とツミレは光に包まれてしまいました。

磯辺は気付くと、見たこともない場所にいました。捕まえたはずのツミレがいなくなっていたので、磯辺はツミレを探します。「ツミレ…」草むらから音がしたので磯辺が振り向くと、そこには目が5つあり、磯辺の2倍以上の大きさがあるネズミの化け物が立っていました。

巨大化したツミレ

「わーっ！すいません！」ネズミの化け物は大きな口を開けて、磯辺に噛みつこうとしました。万事休すかと思われたとき、磯辺はモフっとした毛の感触を感じます。磯辺が目を開けると、ネズミの化け物よりさらに大きくなったツミレが化け物を咥えていました。「ツミレ…でかいな…」磯辺はツミレを見上げます。

ネズミの化け物は身をよじり、ツミレから逃げ出します。「逃げてった。よかっ」と磯辺が安堵しかけたとき、ツミレはネズミの化け物を追いかけてしまいました。

竜騎士に怪しまれ…

「待ちたまえ！そこの男性」磯辺が後ろを振り返ると、そこには竜に跨がり鎧を着た男がいました。「よくぞ我らの召喚に応じられた」男はリグリガルという名前で、ヴェルディア帝国の竜騎士団の隊長でした。リグリガルは磯辺に名前を尋ね、磯辺の竜に会いたいと話します。

「あっ…人違いです…」竜に気を取られ話を聞いてなかった磯辺は、とりあえず逃げておこうと思い、その場から立ち去ろうとします。しかし、もう一人の竜騎士に怪しまれて、槍を突き立てられてしまいました。

「選択肢間違えた…ッ！？」磯辺は焦り、竜騎士に名刺を渡して自己紹介をします。ですが、竜騎士達は名刺を何かの呪文だと勘違いしてしまいました。磯辺はますます疑いの目を向けられ、磯辺は竜騎士に連れて行かれそうになってしまいます。

ツミレは傷つけさせない！

ツミレがネズミの化け物を仕留めて、戻ってきました。「なんだッ、あのモンスターはッ！」竜騎士達は、ツミレを退治しようとします。「ま…待ってください！猫は怪物とかじゃない！あいつを傷つけるのはやめてください！」磯辺は竜騎士達の前に立ちはだかりました。

磯辺は竜騎士が持っていた槍を借ります。「ツミレーっ、お前の好きなねこじゃらしだぞー！」槍の穂が毛足の長い袋に包まれていたので、それをねこじゃらしに見立て、磯辺はツミレの注意を惹きました。

ツミレが勢いよく磯辺に向かっていったので、竜騎士達は磯辺の身を案じます。しかし、磯辺は槍を操り、ツミレを手懐けました。

猫騎士誕生！？

竜騎士達はツミレを手懐けた磯辺を称えて、改めて磯辺に名前を問います。竜騎士達は猫の事を知らない様子なので、ツミレと自分をすごいと言えば、捕まらないかもしれないと磯辺は考えます。そして、磯辺は「おっ…俺は猫騎士だ！コイツは猫のツミレ！」と名乗りました…。