セックスすると相手を忘れてしまう

「出会ってから初エッチまでの平均デート回数は3回らしい」新条はこの日、ネットで知り合った壷井との3回目のデートでした。ご飯を食べたあと2人はホテルに行き、お互いの身体を重ね合わせます。

行為が終わったあと壷井に「俺たち相性バツグンじゃない？順番逆になっちゃったけど、このまま付き合おうよ」と言われますが、新条は「えっと…あなた誰だっけ」と壷井のことを忘れていました。新条はセックスすると相手のことを忘れてしまう大きな悩みを抱えていたのでした。

くされ縁の同期

新条が忘れてしまった壷井のことを職場で考えていると、「なにくたびれてんだ新条」と同期で営業部の宇佐美が声をかけてきました。宇佐美はなにかとちょっかいをかけてくる、くされ縁の同期でした。

おやつを食べに来た宇佐美に小言を言っていると、新条は上司の柊に企画書の件で呼ばれます。「柊さん今日もかっこいいな」新条は柊に秘かに好意を寄せていました。柊と嬉しそうに話している新条に、宇佐美は持ってきたお菓子を渡せず部屋を後にします。

1人で残業をしていると…

「あれ？お前ひとりだけ？」新条が企画書の作成で残業をしていると、そこに宇佐美がやってきました。「柊さんは？」「帰ったよ。定時後に外部の勉強会があるんだって、尊敬しちゃう」柊のことを嬉々として話す新条に、宇佐美はムっとして「ふうん。あっそ」と手伝わずに帰ってしまいます。

ところが、新条が誰もいない会社にいるのは心細いと思っていると、宇佐美が飲み物を持って戻ってきました。「買い出し行ってただけだよ。まとめんの遅かったほうが晩メシおごりな」軽口をたたきながらも、宇佐美は仕事を手伝ってくれたのでした。

「俺がもらっちまうぞ」冗談？それとも本気？

仕事が終わったあと、新条は宇佐美と2人でご飯を食べに行きました。そこで同期が結婚した話になり、宇佐美は新条に「…そういや新条は彼氏いんの？」と聞いてきました。「私は…あんまりうまくいかなくて、まあそのうち」と新条が言葉を濁すと、宇佐美は「お前が30歳超えるまでぐずぐずしてるなら、俺がもらっちまうぞ」と迫ります。

しかし、新条は宇佐美の言葉を本気にせず、思わず吹き出してしまいました。それから、宇佐美は新条に「お前柊さんのこと好きなんだろ」と話します。宇佐美は柊に告白してみればとアドバイスしますが、新条は告白しないと頑なに拒みました。

どこからがセックスか試してみる？

「だってセックスしたら、相手との記憶を失うんだもん」新条はたとえ柊と恋人になれても、それではどうしようもないと嘆きます。新条の話を信じられない宇佐美は、新条を疑うような質問をしてきました。新条は自分の苦労をわかってもらえないと思い、「うるさいな。宇佐美には関係ないでしょ」と怒ります。

「そもそもさ、どこまでしたらセックスって言うんだよ？」「そ、それは…忘れちゃうからわかんないけど」新条はここまでならセーフというラインがわかるなら知りたいと話します。すると宇佐美は「なら俺とどこからがセックスになるか試してみるか？」と持ち掛けてきました。

忘れたくても、忘れられないセックス

2人はホテルに行き、セックスをすることにします。「もし私が宇佐美のこと忘れちゃっても、恨まないでよね」と新条が話すと、宇佐美はキスをして新条をベッドに押し倒しました。「忘れたくても、忘れられない抱き方してやるよ」いつもはガサツな宇佐美がとても優しく身体を触ってきたので、新条の胸は高鳴るのでした…。