まだ彼とは一度もシておりません

会社員の成田美咲は、同僚である羽田拓海と付き合っていました。拓海は前髪で顔が隠れ、ゲームや声優が好きなオタク男子でした。

「ねぇ、親戚からいいお肉もらったから、今日ごはん食べに来ない？あとこれ差し入れ」「ありがと…じゃあ、お邪魔しちゃおっかな」付き合って3ヶ月になる2人。美咲が拓海の家に行くなど、順調に交際をしていました。しかし、美咲と拓海はまだ1度もSEXはしていなかったのです。

彼との出会いから交際まで

拓海は半年前に美咲がいる職場に転職してきました。総務の美咲は拓海を多くの場面でサポートします。そんな中、美咲が拓海のデスクを訪れると、デスクの上にはゲームのフィギュアがたくさん置いてありました。その中に、美咲が最近始めたゲームの物もあったのです。

後ろを振り向いた拓海はヘアバンドで髪を上げていました。「え、イケメン…」拓海の素顔を見て、美咲は驚きます。「すみません！残業モードで！」拓海は慌てて、髪を戻してしまいました。「そ、そのゲーム、私もやってるンデスヨ」その場を取り繕うように美咲が話すと、拓海は「ホントですか！今度一緒にクエストやりません？」と嬉しそうに話します。

拓海は不器用ながらも優しかったので、美咲は拓海に魅かれ自然と仲良くなっていきました。そして、拓海に交際を申し込まれて、美咲は二つ返事でOKしたのでした。

彼は処女厨？

「うそ…！！ぐみちゃんが結婚！？」ある日、ファンだった声優が結婚して、拓海はショックを受けてしまいました。「俺しばらくSNS封印しようかな…」落ち込む拓海が見ていたSNSの画面を美咲は覗き込みます。「オタク男子って処女厨の人多いって知ってたけど、こんなに露骨なの…！？」そこには声優が処女ではなくなったことへの落胆がたくさん書かれていました。

「…まさか」拓海は童貞っぽいので処女厨ではないかと美咲は疑います。「もし処女厨だったら非処女の私ってアウトでは…！」美咲は拓海が自分の事を非処女だと知ったら、失望するのではと考えるようになってしまうのでした。

彼の誘いを何度も断るが…

美咲は『拓海処女厨説』が心をよぎってから、なんとなく不安になってしまいます。「うち泊まってく？」「大丈夫！！！走れば終電間に合うから！」そして、Hしそうな雰囲気になると避けるようになってしまいました。

しかし、誤魔化しが利かない日がついにやってきてしまいました。次の日が祝日という日に、美咲は拓海の家でご飯を食べます。部屋は掃除をされ、アロマが焚かれ、オシャレな間接照明が設置されていました。さらに、拓海はいつもよりお酒を飲んでいなかったので、「SEXしそうな要素しかない！」と美咲は考えます。

「もしそういう雰囲気になったら、生理って言っちゃおっかな。でも、この前も生理って言っちゃった…！」と美咲が考えていると、拓海が隣に座ってきました。

非処女であることをカミングアウト！

「美咲ちゃん…」拓海はブルブルと震えながら、美咲にキスをしようとします。「ちょっ…ちょっと待って…」ですが、美咲は拓海を突き飛ばしてしまいました。「しまった！」と思う美咲に、拓海は「ごめん…俺が経験ないからだよね？」と空気を読めずにがっついたことを謝ります。

「やっぱ俺なんかじゃ美咲ちゃんとは…」「違うの！私が処女じゃないから、大丈夫かなって！」美咲は拓海に非処女であることを打ち明けました。美咲は大学生のときに学部のコンパで知り合った先輩と、雰囲気に流されてSEXしてしまったと話します。「バカだった。ちゃんと好きな人とするまでとっておけばよかった」と美咲は後悔するのでした…。