大人気乙女ゲーム「星降る世界のアリア」

大人気乙女ゲーム「星降る世界のアリア」の隠しデータが発見されました。登場キャラクターの性格が変わったり、人気キャラにR18スチルがあったりなどの没データが埋め込まれていたのです。

ろくでもない男に引っ掛かり、現実の恋愛に絶望していた主人公は、このゲームに癒され、何十周もプレイしていました。中でも1番好きなのは、真面目で頼もしくて優しくて格好いいアルクトゥルスでした。

「現実でもこんな人が現れればいいのに…」そう思う彼女の前に、かつて付き合っていた男が現れます。「俺を捨てる奴なんて…死んで当然なんだァァァ」包丁を持っていた男に彼女は刺されてしまいました。

ゲームのメインヒロインに転生

刺された彼女は前世の記憶を持ったまま、ゲームのメインヒロインであるスピカに転生します。スピカはゲームの通りに「星の乙女」に選ばれました。「星の乙女」とは数百年に一度、特別な星の巡りの元に生まれる乙女で、次期国王を選べる権利を持っていました。

スピカは王城へ赴き、最初の式典に参加します。「星の乙女スピカよ。汝が次期国王と定めるのは誰だ？」ゲームと同じセリフを王様が言い、スピカが次期国王を選ぶ時がついにやって来ました。

次期国王として選んだのは…

「私が次期国王として選ぶのは…アルクトゥルス様です」スピカは推しであるアルクを次期国王に選びます。ゲームと同じように周りがざわつく中、スピカの前にアルクがやって来ました。アルクはゲーム通り「選んでいただけたこと感謝する、星の乙女よ。だが、私は辞退させてもらう」と言うはずとスピカは予想します。

「キミ最高。やっぱ次の王サマにふさわしいのは…俺しかいないよねぇ？」しかし、アルクのセリフと態度はゲームとは全く違うものでした。予想外の出来事にスピカは困惑します。

ゲームとは性格が違う！

「ふざけんな！！」攻略対象者のセリオスがスピカに剣を向けて怒り出しました。「そのクズ野郎には王位継承権がねぇんだよ…」ゲームではわんこ系のかわいいキャラだったはずのセリオスが、スピカに悪態をつきます。

「あの…選ばれなかったし、僕は帰ってもいいかな」さらに、もう一人の攻略対象者であるベガがおどおどしながら話しかけてきました。ゲームでのベガは知的で物腰がやわらかく、面倒見のいいお兄さんキャラでしたが、この世界では根暗で引きこもりだったのです。

没データに転生しちゃった！？

「これって私…『星降る世界のアリア』の没データのほうに転生しちゃった―！？！」真面目で頼もしいはずのアルクがチャラくなっていることや、キャラの見た目はゲームと同じなのに中身が別人なことから、スピカはここが没データの世界だと思います。

「選んでくれたからには俺たち婚約者だ。…とりあえず、ここで記念にキスでもしとこうか」戸惑うスピカにアルクはキスをしました。そして、アルクはスピカを抱きかかえて、その場から立ち去ります。

婚約破棄

スピカはアルクに部屋に連れて行かれて、ベッドの上に座らせられました。「こんな奴だって知ってたら、絶ッ対に選ばなかったわよ」スピカは、ゲームとは違いチャラいアルクと結婚するのは嫌だと思います。

「私、アルク様が次期国王だと勘違いしていたみたいで…今からでも撤回を…」スピカは何も知らなかったことにして切り抜けようとします。「それは駄目だよ。俺さ、国王になりたいから」アルクはスピカを押し倒して、国王になりたい理由を語るのでした…。