まだ高校生なのに…

喫茶店でバイトをしていた高校2年生の夢乃は、実年齢より年上に見られることが良くありました。この日も、中年の男性客から「君ってもう結婚してる？」と聞かれ、食事に誘われてしまいます。

「可愛いコが好きだって言うなら、僕の連絡先教えてあげよっか」夢乃が困っていると、常連客の成瀬が間に入って助けてくれました。成瀬は小動物のようにかわいい容姿をした男性でした。「夢乃さん。僕カフェオレのおかわりがほしいな」成瀬は男性客を夢乃から引き離してくれました。

成瀬くんは怖くないよ

夢乃は見た目や雰囲気が年上に見えるせいで、昔から男の人によく声をかけられていました。そのせいで、今では男の人が苦手です。接客を始めたのも男性が苦手なのを克服したかったからでした。その話を聞いた成瀬は、「急がなくていいんじゃない？がんばる姿勢が大事だよ」と励ましてくれました。

「でも…夢乃さん綺麗だから、声かけたくなる気持ちはわかるなぁ」と笑顔で話す成瀬に、夢乃は「ああ～超可愛い、癒される！！」とときめいてしまいます。「僕と話すのも怖い？」「成瀬くんは怖くないよ」夢乃は成瀬ともっと仲良くなりたいと思っていました。

未成年なのにバーに！？

夜に繁華街を歩いていた夢乃は、成瀬がバーに入っていくところを目撃してしまいます。「未成年なのに、そんなお店入っちゃいけないのでは！？」夢乃は、成瀬は自分と同い年か年下だと思っていました。成瀬のことが心配になり、夢乃もバーに乗り込みます。

「ダメでしょ、成瀬くん！！」夢乃はお酒を飲もうとしていた成瀬を注意しました。「夢乃さん！？髪下ろしてるの初めて見た！」成瀬は夢乃がいきなり入ってきたので、驚きます。

成瀬は夢乃が制服を着ていたので、「もしかして夢乃さんて高校生？」と聞いてきました。夢乃が「そうだよ」と答えると、成瀬は「年上だと思ってた」とため息をつきます。成瀬の反応に、夢乃は落ち込んでしまいました。

成瀬くんの本当の年齢は…

「成瀬くんだって高校生でしょ！？ダメだよ、未成年がお酒なんて」夢乃は気を取り直して、成瀬を注意します。すると成瀬は夢乃の話を遮り、「僕のこといくつだと思ってた？」と質問しました。「カフェにいるときいつも勉強してるし、高校生かなって」と夢乃が答えると、成瀬は笑います。夢乃は、いつもと雰囲気の違う成瀬を知らない人みたいだと思いました。

成瀬は笑い終わると、グラスに入ったお酒を口にします。「25歳。酒は飲めるし、仕事もしてる。俺は立派な成人男子だよ」と成瀬は話して、免許証を証拠として夢乃に見せました。夢乃は衝撃の事実に驚き、呆然としてしまいます。成瀬は「俺、年下に興味ないから、子供は早く帰んな」と夢乃を帰らせました。

苦手な男性にナンパをされてしまい…

「…嘘でしょ。成瀬くんが年上だったなんて、しかも成人男性？あんなに可愛いのにー？？」夢乃は成瀬のことを考えてフラフラしていると、見知らぬ男性2人に声を掛けられます。「ヒマなら俺らと飲み行こーよ」男に肩を掴まれて、夢乃は怖くなってしまいました。

「早く帰れっつったろ、馬鹿」そこに成瀬が現れて、夢乃の肩を抱き寄せます。「失せろ」そして、成瀬はナンパ男達を追い払いました。

僕のことは怖くないんだよね？

「…成瀬くんの顔見たら安心しちゃって…」夢乃は涙を抑えきれず、座り込んでしまいます。「そっか、じゃあもう大丈夫だな」成瀬はそう言って、夢乃の頭を優しく撫でてくれました。

成瀬は夢乃を送っていくと言いますが、夢乃は「もう全然大丈夫です！」と断ります。ですが、夢乃は震えていたので、成瀬は「僕のことは怖くないんだよね？」と手を握りました。夢乃はもう怖くはありませんでしたが、胸のドキドキは止まりませんでした…。