不倫被害者の会

パートナーの不倫によって離婚した人たちが集まり、自分の過去を話すことで傷を癒し合うセミナー「不倫被害者の会」。そこでは傷ついた男女がパートナーに裏切られた経験を話し、共有をしていました。

今日は特にひどい仕打ちを受けた被害者がいます。参加者の1人である早苗は妊娠中に浮気をされ、離婚をしました。早苗はつらい過去を涙ながらに話し始めます。

ようやく授かった子供

早苗は夫である誠との間になかなか子供を授かれませんでしたが、不妊治療をして、ようやく子供を授かることができました。「よかった…っ、ねぇ誠！」「ああ早苗！」医師に妊娠していることを告げられて、2人は喜びを分かち合います。

それから、誠は子供の名前を考えてきました。「愛音（あまね）か…いいかも…」誠は娘が生まれてくると思い、「愛音」という名前をつけたのです。早苗は誠が寝言で「愛音…愛してるよ」と娘の名前を言っているのを聞きます。「気が早いんだから…」そのときは、早苗は本当に幸せを感じていました。

子供と同じ名前の女性

「あれ、誠さん？今日は奥さんと一緒なんですね」早苗が誠と買い物をしていると、そこに早苗の知らない女性がやって来て、親しげに誠に話しかけてきました。女性は会社の同僚で、「斎藤愛音（さいとうあまね）」という名前でした。

「偶然？でも愛音ってそんなによくあるような名前じゃ…」早苗は娘と女性の名前が同じことを不思議に思います。早苗は家に帰った後、「そうよ…普通、名前なんて被らないようにするよね？」と確信に近い嫌な予感を抱きました。

浮気の疑惑

早苗はいけないと思いつつ、誠が寝ている隙に誠の携帯を調べます。誠のスケジュールを調べると、聞いていたはずの明日の出張の予定が入っていません。その代わりに謎のマークがついていました。そのマークがついている日は、どの日も出張か帰りが遅かった日だったのです。

翌朝、早苗は起きてきた誠に「なんで誠のスマホのスケジュールには出張の予定が入ってないの？」と問いただします。「べ、別にたまたま抜けてただけじゃないか」と誠が誤魔化したので、早苗は「なら出張の代わりについてたマークはなんなの？」と聞きました。

「！それ、それが出張のマークだよ」「出張が無かったはずの日にも、そのマークついてたんだけど…しかもそのマークの日、いつも帰りが遅かったよね！」嘘をつく誠に早苗は詰め寄ります。

夫を問い詰めると…

「浮気してるんでしょ…」早苗は昨日会った愛音と誠が浮気していると確信しました。早苗は寝言で誠が愛音の名前を呼んでいたのを思い出し、「わざわざ浮気相手の名前を娘につけたのは…寝言で浮気してるってバレないようにするため…？」と誠が名前をつけた理由に気づきます。「最低！」早苗は誠を罵倒しました。

「証拠あんのかよ！」誠は逆上して、「そ、そんなに信用ないなら離婚だ！」と言い放ちます。「り…離婚ってなに！娘がいるんだよ！」と早苗は話しますが、「信頼し合えない奴と一緒にいられるかよ、勝手に育てろよ！」と誠は聞く耳をもちませんでした。

早苗は離婚まではと考えていませんでしたが、誠は頑なに考えを変えず、2人はそのまま離婚をしました。

復讐したいと思いませんか？

早苗は証拠もなく詰め寄ってしまったので、慰謝料を取ることが出来ませんでした。さらに離婚の際に取り決めた養育費の支払いも滞っていました。誠は現在も愛音と付き合っているようです。早苗は子供が残っていることが唯一の救いと言い、話を終えました。

会が終わった後、早苗は代表の蒼に声を掛けられます。「あなたは前の旦那さんを恨んでいますか？」と聞かれ、早苗は「…恨んで…そうですね…」と答えました。

蒼は続けて「復讐したいと思いませんか？」と早苗に聞きます。早苗は絞り出すように「できるものなら…復讐したい…ッ」と思いを打ち明けました。「そう…なら、あなたが早く立ち直れるようお手伝いするわ」蒼は不倫で家族が壊されるのが許せないと話し、誠の元へ向かうのでした…。