気になる男性

「カフェモカ、テイクアウトでお願いします」23歳の普通のOL・山吹桃は、出勤前にカフェに寄るのが日課です。そんな桃の最近の楽しみは、ユウと会うことでした。桃はユウが毎回自分と同じものを注文していることに気づいてから、ユウのことが気になってつい探すようになっていました。

（いつも疲れた顔してるけど、背高くてシュッとしてて雰囲気もかっこいい…）桃はユウに秘かに想いを寄せていましたが、話しかける勇気はありませんでした。

まるでドラマみたい！初めての会話

（…ん？あれ中身違う…！）桃は注文していないブラックコーヒーを手渡されてしまいました。（ど…っ、どうしよう列すごいし、時間もないし）桃は飲み物を取り替えてもらうことができず、困ってしまいます。

「いつも同じの頼んでるでしょ。俺もう帰るし時間あるから」そこにユウがやって来て、自分の飲み物と桃のを交換してくれました。「えっと、あ、ありがとうございます！」桃はユウにお礼を言い、仕事へと向かいます。

（ひょわああああ！！うそうそうそ！あの人も気付いてくれてた！？）桃はドラマみたいだと舞い上がりました。桃は自分の恋愛運が絶好調なのを知り、（これは、まさか…っ）と思います。その後、桃は3日連続でユウと会うことになるのでした。

仕事の話はNG？

カフェを訪れた桃はユウと列が前後になり、（チャンス…！！）と思います。ですが、なんて声をかければいいかわからず、ユウをチラチラ見ることしかできません。すると、「…俺の顔になんかついてる？」ユウから話しかけられました。

「あ…っ、あの…えっと…こっ、これどうぞ！！」ユウは疲れていると思い、桃は咄嗟に自分の好きな飴を渡します。（い…っ、いきなりこれは怖いかな…！？不審者すぎ！？）桃がドギマギしていると、「…はは、どーも」ユウは笑顔で飴を受け取ってくれました。それを見て桃は（笑ったあああっ）と心の中で叫びます。

「お仕事大変そうですね。忙しいんですか！？」と桃が聞くと、ユウの笑顔は消え「あー…まあ、そっすね」と歯切れ悪そうに答えました。その反応を見て、桃は質問を失敗したと思います。

彼の正体はホスト！？

（せっかく笑顔みれたのに、聞いちゃだめなことだったかな）夜になっても桃は、ユウの仕事のことを考えていました。桃が考え事をしながら信号待ちをしていると、目の前をホスト姿のユウを写したホストクラブの宣伝カーが横切ります。

（いや…え…？見間違い…？幻覚…？？）桃は戸惑いますが、宣伝カーをふたたび見て、広告に写っているのはユウだと確信します。桃はユウが働くお店に行けば、ユウとゆっくり話ができると思いつきました。

彼が働くホストクラブに…

ユウに会うため、桃はユウの働くホストクラブを訪れます。（どこみてもキラキラしてるし、席着くまでもうすごかった…これがホストクラブ…）初めてのホストクラブで、桃は緊張してしまいました。

「いらっしゃいませ」そして、桃のもとにユウがやって来ました。ユウは桃を見るやいなや、目を見開き「なん…っ」と言いかけます。ですが、ユウはすぐに笑顔になり、「…失礼しました。ご一緒させていただきます、ユウです」と桃に挨拶をしました。

キスされる…！？

「あの…カフェで会う人…ですよね？」「…うん、可愛い子だなって思ってた」ユウに可愛いと言われ、桃は顔を真っ赤にしてしまいました。桃は朝の時とは別人のホストのユウもかっこいいと思います。それと同時に、朝見せてくれたような顔をユウは見せてくれないのかなと思いました。

「送り指名ありがとね」「いえっ、私ホストって初めてで…楽しかったです」桃はお店から出る際、ユウに朝とは違う姿を見られたと伝えます。
「それはホスト冥利につきるね」すると、ユウは突然桃を抱き寄せました。ユウの顔が近づき、桃は（キ、キスされる…！？）と思うのでした…。