ときめきが足らない！

「いつのまにかデートしてても『こういうとこ女ウケしそう』って冷静に見てる自分がいてさ！そんなの『恋』じゃないじゃない！」ニナが大手事務所の弁護士と別れたのは、相手にときめかなくなってしまったのが原因です。ニナは毎日惚れ直せる男と一緒になりたいと考えていました。

ニナは有名企業の社長令嬢で、自身もバリバリ稼ぐ広報部長です。数々のモテ男に言い寄られていましたが、理想が高いせいでアラサーになっても結婚相手を見つけられないでいました。

一番タイプなのに…！

ニナは友人に組んでもらったハイスペ男子限定の合コンに参加しました。IT起業家、医師などのイケメンが参加するなか、（中でも一番タイプなのはこの顔っっ）ニナは野宮廉に注目します。「職業は―ニートでーす」ですが、自己紹介で廉がニートだと知り、ニナは固まってしまいました。

「やっぱりこうなるよなー。フリーだから行けって言われて、とりあえず来ちゃってさ」廉は友達の代理で合コンに参加したのです。「せっかく来たんで、ごはんだけ食べてっていい？」廉はお金がなくてお腹が空いていると話します。廉の話を聞いて、ニナは（絶対ナシな人だー！！）と思いました。

口説かれた…

（ときめきたいって心の準備はあるのになあ…）ニナは他の参加者をターゲットにしますが、どの人もピンときませんでした。「ニナさん、かわいいね」すると、廉が突然話しかけてきました。「かわいいって思ったんだもん、お酒のチョイス。でも服はビシッと決めててクールなのも好み」ニナは廉に口説かれます。

「どうも…」ニナが廉に視線を向けると、向かいの参加者のグラスが倒れそうになります。ニナが咄嗟に手を伸ばすと、グラスを掴もうとしていた廉と手が重なり、ニナは思わずドキッとしてしまいました。（これはハマっちゃダメな匂い）とニナは思いますが、廉と話すだけならいいかと考え直します。

今晩泊めてくれる？

ニートの廉がブランド服を着ていたので、ニナがそのことを聞くと、「これはさ～、女の子とかバイトの先輩とかがくれたんだよね」と廉は答えます。
「アルバイトはしてるんだ」「ううん、こないだクビになっちゃった」廉は、友達に今日は彼女か職を見つけるまで家に入れないと言われていました。

「だからさ、今晩泊めてくれる？」と廉は唐突に聞いてきます。「…は？」ニナが驚いていると、廉は「うそうそ、俺に気の無い子に手は出さないよ。でも、その気になったら泊めて欲しいな」とお願いしてきました。

私があなたに惚れることはない

「…いいえ、私があなたに惚れることはないわね」廉よりずっといい男でも気持ちが続かなかったので、ニナは廉に惚れることはないと考えました。
ニナはニートを1人くらい養うことはできますが、ここで流されるほどバカでも若くもなかったのです。

路上で寝てる！？

合コンに好みの男性はいませんでしたが、ニナは参加者と連絡先を交換して別の出会いに繋がればラッキーと思いました。帰ろうとしたニナは、路上で廉が寝ているのを目にします。ニナは無視しようとしますが、廉は「あー！ニナちゃーん！駅まで一緒に行っていーい？」と絡んできました。

「私タクシー使うから」「じゃあ、乗るまで話そー」ニナは構わず行こうとしますが、廉はそれでもついてきます。「ニナちゃん～、ニナちゃんてば」廉がよろめきそうになったので、「人の名前連呼しないで…！」ニナは廉を抱きとめました。「ニナちゃん、やっぱりいい人だ～」ニナは仕方なく廉を近くの公園まで連れていくのでした…。