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首斬り朝

首斬り朝

12完結!

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作品のあらすじ
幕臣ではなく浪人の身分のまま、御腰物奉行や町奉行の依頼を請け、刀の斬れ味や鑑定を行なう御様(ため)し御用の三代・山田朝右衛門。朝右衛門には、家督を継ぐ時に、父の命で、蔭腹を切った父の眉間をたて割りにし、初めての首打ち様(ため)しに、愛した女の首を斬り落としたという凄まじい人生があった……。
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    幕臣ではなく浪人の身分のまま、御腰物奉行や町奉行の依頼を請け、刀の斬れ味や鑑定を行なう御様(ため)し御用の三代・山田朝右衛門。朝右衛門には、家督を継ぐ時に、父の命で、蔭腹を切った父の眉間をたて割りにし、初めての首打ち様(ため)しに、愛した女の首を斬り落としたという凄まじい人生があった……。
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    冷感症で男に興味を示さない芸者のお艶は、花火を見ると濡れるという奇妙な性癖を持っていた。連続付け火騒動の中、お艶こそが犯人ではないかと目星をつけた火消しの惣吉は、お艶の火狂いを証明して町方に逮捕させる。だがお艶は二重人格で、自分の行なった火付けの記憶を持っていなかった……。
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    弟を様(ため)し物にされた恨みで、朝右衛門の屋敷の門前に糞尿をぶちまけた矢場女のお俊。しかし朝右衛門は、お俊の泥酔状態を見て、黙って見逃した。それを見ていた町のチンピラどもが、お俊と同じ様に朝右衛門邸の門前に糞尿を撒くが……。
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    秩父地方に旅で月泉寺を尋ねた朝右衛門は、尼の浄恵が襲われた現場に出くわした。浄恵は犯された上、意識不明の重態となっている。襲ったのは橋場の辰之助を首魁とするゴロツキ三人組。たが、辰之助は公儀御用達の造り酒屋の跡取り息子。息子を助けようと辰之助の父は策略をめぐらすが……。
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    斬首の様子を描いた無惨絵が話題になっていた。絵師の河井穣風(かわいじょうふう)は写実に徹したいと、是非とも朝右衛門の首打ち現場を見学したいと申し出る。断り続ける朝右衛門だったが、穣風が“生き様(だめ)しの勘右衛門流”と恐れられた山野勘右衛門の娘だと知り、同じ境遇に育ったことを感じ取る……。
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    勘定奉行の大久保が、幕府の財政逼迫から死罪人の首斬り費用を軽減しようと、ふた月ほど斬首を取り止める事となった。だがそのため、牢房は収容能力を遥かに超えてしまい、作造りと呼ばれる平囚を殺して囚人の数を減らす事が横行する。結果、平囚達の大反乱が起こり、江戸行刑史上に残る非常事態を引き起こしてしまった……。
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    朝右衛門に恐ろしい相手の首斬り命が下った。五つの縄張りを持つ渡世者、常に長脇差を帯びて歩く三つの渡世者を“五縄張り参長脇差(ごばりさんどす)”というが、これら全ての渡世に顔の利く葛西の肥汲み・百尻組の跡取り息子の首である。罪状は明らかなのだが、肥汲みをはじめ、香具師、博徒、火消し、折助など多くの者達を敵に回す事になってしまう……。
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    『畳捕り傘次郎』でシリーズ化された傘次郎の話が収録された異色の章。同心の傘次郎が、河童の刺青をした女に十手を取られてしまう。叱責され、必死で盗んだ相手を探す傘次郎だが、他にも多くの与力・同心の十手や奉行・火盗改の刀が奪われる。河童の刺青をした女の目的とは……。ここで傘次郎と新子との出会いがわかる。
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    妖しげな祈祷や悪霊落しで、幾人もの犠牲者を生んできた老巫女・もん。死罪となっても、狂人のような振舞いで牢役人達を手こずらせていた。正気を失っている者の首は打てぬと、朝右衛門はもんの入っている牢に同衾するが…。
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    仕置き場の片隅に咲いていた花を、自分が処刑される土壇場に飾った男。首を斬られる前に、一席うかがって逝った噺家。処刑直前の様々な人間模様…。それらを全て受け止め、心に呑む朝右衛門の優しさが胸を打つ……。