ク-ルで常識的、成績優秀な小学3年生の茂雄は母親とふたり暮らし。夏休みを迎え、さあ、これから塾だ、がんばるぞ!というその時、母の花織から、夏休みの間、父のもとに行って暮らすようにと言われたからびっくり。何といっても父は、プロ野球の選手になるといって家を飛びだし、30歳となった今もその夢を追い続けている「夢追い人」なのだった。父との生活が始まった。だが、生活はのっけから花男のペ-ス。茂雄は、朝4時からジョギングに、昼は散歩にと付き合わされ、ふりまわされるばかりだ。だが案内された父の暮らす街は、海のあるのどかな街だった。毎日毎日、花男にひっかきまわされて思い通りに勉強ができない茂雄。だが、バイクに乗ったり、カブト虫やザリガニを取りに行ったり…と、花男は、茂雄の知らなかった世界を見せてくれるのだった。そして、夏休み最後の日、母の花織がこの街にやってきた。