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カムゴロシ

カムゴロシ
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作品のあらすじ
1998年――太平洋上を飛んでいた旅客機が嵐に巻き込まれて、近くの島に不時着する。そこは「シマビト」たちが野蛮な生活を営む、海図にない島だった。若き王族・ガモウの指揮のもと、砂浜に横たわる機体に襲いかかるシマビトたち。囚われの身となった乗客たちのうち、女性は「収穫物」として配分されていき、少女・伊吹七瀬は島の王の「嫁」となることを強制される。男性の乗客の処刑を王から任されたガモウの胸中には、血の色に燃える炎が赤々と宿っていた――命と生の意味を突きつける、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    1998年――太平洋上を飛んでいた旅客機が嵐に巻き込まれて、近くの島に不時着する。そこは「シマビト」たちが野蛮な生活を営む、海図にない島だった。若き王族・ガモウの指揮のもと、砂浜に横たわる機体に襲いかかるシマビトたち。囚われの身となった乗客たちのうち、女性は「収穫物」として配分されていき、少女・伊吹七瀬は島の王の「嫁」となることを強制される。男性の乗客の処刑を王から任されたガモウの胸中には、血の色に燃える炎が赤々と宿っていた――命と生の意味を突きつける、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    島の王・ゴジョウの屋敷から脱出することに成功した七瀬は、飛行機が不時着した海岸へと向かう。シマビトに抵抗して殺された乗客たちの無残な有り様を目の当たりにしながらも、七瀬の胸には希望が灯っていた。無線機が生きていれば救助を呼べるはず――無事に機体の中に入り込む七瀬。だが、そこにいたのは、残された積荷を専有して宴に興じるシマビトの一味だった。一方、自らが犠牲となることで七瀬を逃した星は、「夫」となったゴジョウにその肉体を組み敷かれる。せめて苦痛から逃れようと、小姓・ヒナゴが炊き込める催淫性の煙を吸い込み酩酊を深める星。五感が情欲に塗りつぶされていく――昨日までの日常が目の前の非日常に侵食されていく、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    ゴジョウとその息子たちを先頭に進んでいく「インゴノカム参詣」。道中で遭遇したコンゴウ一族からの襲撃を無事に退けたガモウは、長老・オキナと島の統治について言葉を交わす。すでに「王」としての度量を備えたガモウの言動は、ゴジョウの目には苛立たしいものに映るのだった。一方、ガモウの隠れ里に身を置いた七瀬は、機長・月見乃たちと星の救出について密かに話し合う。そこに姿を見せたガモウの弟・コリオは、「嫁」だったはずの星がゴジョウの気まぐれにより参詣の生贄として選ばれてしまったこと、そして、自分にはその奪還を手伝う意志があることを七瀬たちに告げる――正気と狂気の間で加速していく、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    インゴノカム参詣の失敗に激昂したゴジョウは、忠臣・ジウベエを新たなニエとして指名する。自らの命でミガトの怒りが収まるならばよしと、幼子・サカキに愛刀を託し、火口に身を投じるジウベエ。その忠義に応えたか、王の乱心に怒りを覚えたか――山は鳴動し、大量の溶岩を噴出させる。 降り注ぐ溶岩をまともに浴びたゴジョウは深い火傷を負い、その日の夜半に命を落とした。王の死去により、次代のミガトを巡る争いの火種が瞬く間にインゴの一族たちの野心と欲望を燃え上がらせていく。ミガトの後継者としての最後の権利を有するガモウには、その争いの行方を自らが掌握するための策があり――生きようとする意志が互いの運命を絡め合う、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    島全体を巻き込んだ戦が始まるが、カクリヨの里に留まっていれば安全は保証できると話すコリオ。だが七瀬と星には、むしろ今こそが島を出る好機であるように見えていた。戦が終わって状況が落ち着いてしまえば自由な行動は難しくなる、そうなる前に動くべき―― 一方、空位となったミガトの座を巡り、継承権を持つインゴの一族たちの思惑は様々だった。権力を夢想して欲望を膨れ上がらせる者、争いの舞台からあらかじめ降りようとする者、実力者の懐に入り込む方策を練り上げる者…その中にあってガモウの動きは速い。弱みを潰し、陣を整え、現実的な手を着実に打っていく―― 選択の重みそのものが生死を選り分けていく、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    自らが次代のミガトとなるべく「カムノツルギ」を巡る争いを本格化させていくインゴの兄弟たち。サクヤによって居城を追われたガザリとバザリは、インゴの一族と友好の盟約を結んでいるテングの族長・オミトへ会いに行く。当面の拠点としてテングの里を使わせてもらいたいと話すガザリに、オミトが見せる表情は硬い。 その頃、七瀬と星を率いた今泉は島のある方角へと向かっていた。険しい岩場を越えた先にあったのは、多くの船体や機体が座礁している「船の墓場」。島を出るために使えるものを血眼になって探す今泉の前に、一人の異様な風体の男が現れる―― 論理と倫理がそれぞれの形で裏返されていく、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    自ら一刀のもとにはねた弟・バザリの首級と引き換えに、自由を賭けたステゴロの立ち会いを要求したガザリ。その覚悟に応えつつも力で圧倒したガモウはガザリの身柄を拘束する。処遇を一任されたコリオは淫靡な笑みを浮かべるのだった。 一方、七瀬たちは「カラクリ御免」の異名を取る男・エンゾと出会う。島のモノはすべて自分が造ったと豪語するエンゾの拠点に旧式の飛行艇が置かれていることに気が付いていた今泉は、半ば興奮しながら尋ねる。「この機体は飛べるのか?」自身に満ちた笑みを浮かべるエンゾの答えは── 血と執念の狭間で紡がれていく、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    コリオの手によりガモウのもとへと連れ戻された七瀬と星。ガモウからの強引な求婚を一度は跳ね除けたものの、結婚についての意見を交わすうちにガモウの人間性に触れた七瀬は、その「プロポーズ」を前向きに考え始める。あくまでも目的は生きて島を出ること。そのために自分がやれることはやりたい── 一方、カナレの思惑にあえて乗り「先代のミガトの妻を娶る」ことで自らが新しいミガトの座に就くことになったダイギンは、時間を置かず、ミガト継承の候補だった一同に参集の命令を下す。ダイギンの使者を前に憤るガモウは、しかし、激昂しながらも答えるのだった。「明朝出向く」── 生の形そのものが表と裏から運命に試されていく、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー!
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    「兵を挙げてみよ。勝てばミガトの座は譲ろう」絡まった因縁を断ち切るべく、ダイギンとガモウとの間での戦が決まる。戦開きとして定められた「次の満月」まで、チオモはダイギンの元に人質として留め置かれることとなった。最愛の母親を敵の手中に残して本拠へと戻ったガモウは、来たるべき戦と、さらにはその「後」をも見据えた周到な準備を重ねていく。 一方、カナレはダイギンの勝利を確実なものとするべく、ガモウの勢力を削ぐことを企てる。狙いを付けたのは、ガモウの信頼する弟であり実力を備えた腹心でもあるコリオだった。あの男は必ずやダイギンと自分にとっての障害となる。除くならば今── 時とともに流れていく血と運命が綴る、もうひとつのトライバル・サバイバル・ストーリー! 【電子版単行本:2024年6月30日発行】