吸血鬼の類である「蛭子（ひるこ）」を殺すことが家業の焔殿朱周（えでんあけちか）。彼は、蛭子に憑かれているという霞彩静羽（かさいしずは）の監視を依頼される。彼女に憑いている蛭子は、もともと朱周と同じ家業をしていた玄天秋霖（くろかみしゅうりん）だった。秋霖について調べていくうちに、過去から繋がる不思議な因縁が明らかに…。朱周は静羽を救うことができるのか――！？

蛭子と化した秋霖を倒すどころか返り討ちにあってしまった朱周。静羽を救うため、焔殿で面倒を見ることを提案する。そこに霧比古が現れるが、普段と様子が違うようで…!?過去の記憶と因縁で繋がる3人。それぞれの想いが現代で交錯する――！

静羽はついに秋霖に噛まれてしまう…！その事実に激怒した霧比古は嫉妬から秋霖を撃つと決意。一方、蛭子である均天のもとを訪れた秋霖は、抗原を弱体化させる薬と、かつての旧友愛用の銃を渡される。それが意味するものとは…。秋霖と共に姿を消した静羽。それを追う二人の男。静羽をめぐって秋霖、霧比古、朱周の対立が激化するーー！

48時間以内に静羽を見つけ出し抗蛭薬を打つしか彼女を救う術はない…。北海道への逃避行を経て愛を確認しあう秋霖と静羽。静羽は蛭になることを決心する。一方、二人を追う朱周と霧比古は空港で鉢合わせ、共同戦線を画策…？タイムリミットが迫る中、静羽の蛭化を阻止できるのか!?

明治から静羽の輪廻を追いかけ続けた秋霖は、ある答えに辿り着くーー。静羽の蛭化を阻止すべく動き出す朱周と霧比古。霧比古は対秋霖戦に備えて、彼が残していった二十六年式拳銃を持参していた。秋霖がそこに込めた想いを霧比古はどう受け取るのか…。ついに対峙する両陣だが、静羽の蛭化はすでに始まっていて!?

「蛭」に翻弄された者たちの、心痛く切ない現代奇譚、完結。身を挺して静羽に抗蛭薬を打った朱周。しかし静羽に首を噛まれてしまう！その時、朱周の先祖・朱春の幻影が現れ…。彼らの先祖が願ったものは何だったのか、現代の三人が選んだ未来とは…。静羽をめぐる時を超えた宿縁は、ついに終着へーー。おまけイラストも収録。