ヨーロッパの小国エスペラント公国の、とある寄宿制高校。誰かを傷つけることを恐れ、常に周囲と一線を引く優等生ジョルジュの前にある日、ワケありの問題児ロベールが現れて、その一線をあっさり踏み越えた!!　人を疑うことを知らないジョルジュに、鋭利なナイフのようにつきつけられるロベールの言葉。ジョルジュとロベール、揺れるふたつの魂の交響曲!!

他人を疑うことを知らない、天使のようなジョルジュ。幼い頃からジョルジュを見ていたアンリは、ロベールの出現によって変わってゆく彼を複雑な想いで見つめる。ジョルジュにとっての自分の存在感を確かめるため、アンリはロベールに問いかけた……。好評シリーズ第二弾!

病気がちな母親を心配するジョルジュは、神に祈る。だがその姿は、ロベールに大切な誰かを思い出させていた。＜信仰＞に不信感を抱き、ジョルジュの姿に苛立つロベールは彼の信仰の対象となる＜偶像＞を破壊しようとする……。引かれ合い、反発し合うふたつの魂。好評シリーズ第三弾。

教会のキリスト像を破壊し、謹慎処分を受けたロベール。彼を心配するジョルジュは、彼の家を訪れるが、会うこともかなわない。そして偶然街で出会ったロベールは、激しく彼を拒絶する……。その後ロベールの乳母の口から語られた悲しみに包まれたロベールの過去とは……!?

謹慎も解け、登校してきたロベールだが、ジョルジュとは目も合わせようとしない。そんなロベールに対し、乳母のハンナの口からロベールの過去を知ったジョ ルジュは、なんとか彼の力になりたいと願い、正面から彼に向き合うことを決意する。ロベールもその気持ちを受け入れたかに見えたのだが、ジョルジュは彼の 目の中に自分でない誰かを見る……。そして複雑な想いを抱えたまま、音楽祭が始まった……!!

“これは違う好きかもしれない――”、音楽祭でジョルジュを襲った衝撃。ロベールに対する感情が、他の友人に対するものと違うことを自覚したジョルジュは、 演奏を中断し、会場から姿を消した。持て余す感情、常にちらつくグレイスの影。「はっきりさせようか？」アランの申し出にジョルジュは――!?

アランとともにやってきたヴェルダで、自分がグレイスの代わりだという考えに取り付かれ、絶望にかられたジョルジュは、雪の中外に飛び出す。そして彼を 追ってやってきたロベールが目にしたのは、意識を失い、冷えきったジョルジュの体だった……!! その感情を何と呼べばいい？ ジョルジュとロベールの交響曲、ついにフィナーレ!!