北川浩次の周りで不可解な出来事が起こっていた。人がビルから落ちても「なかったこと」にされたり、彼女がさらわれても警察に届けようとしない男がいたり…。“３億円ゲット”という甘いエサをぶら下げられ、秘密のゲームを始めた１３人のサンプル。また一方、霞が関では官僚たちがある「計画」の最終段階を見守っていた。生き別れの兄・海堂慶一郎が主導するそれは、人間の行動を追跡、予測するシステム。そのゲームを通じて実証し、「実用化」を目指すものだった。そしてついに浩次のもとにも――。