アンティーク店を営む吉永明男は、天才ガラス工芸家エミール・ガレの作品を扱うことで、それなりの成功を収めていた。家庭は円満、若い恋人もいる。すべてが順調なはずだったが、満たされない何かが常に心にあった。
そんなある日、店にやってきた女性、行美美美子に明男は雷に打たれたような衝撃を受ける。彼女の存在は、明男の灰色だった世界に鮮烈な色彩をもたらし、生きる意味さえも問い直させる。明男は彼女こそが自分を救ってくれる「救世主」だと信じ、彼女を手に入れるためならとすべてを捨てる覚悟を決める。
しかし、美美子は妻子ある男性との関係をきっぱりと拒絶。打ちのめされた明男は、彼女を忘れようと決意する。だが、時を同じくして妻に若い恋人との浮気を問い詰められ、家庭は崩壊の危機に瀕する。