東京・世田谷に広大な屋敷を構える豪徳寺（ごうとくじ）家は、ウルトラスーパーお金持ち！　しかし、世の中には、どんなにお金があっても手にはいらないものがある……。お手伝いとして働きはじめた狛江百合（こまえ・ゆり）が足を踏み入れたのは、運転手以外は絶対の男子禁制、女ばかり９人が住まう女だけの城だった……。生活が桁外れなら、恋はもっと桁外れ。読み出したら止まらないノンストップ・コメディー！

想像を絶する大富豪・豪徳寺（ごうとくじ）家。女ばかりの夢の園をきりまわしているのは、ベテランお手伝いの北見里（きたみ・さと）68歳。ある日突然、幼い頃に別れた彼女の息子が、北見を引き取ると現れた。しかもこの男、３人娘の長女・美姫（みき）の商売敵。美姫の仕事を次々と横取りしていったイヤな奴だったのだ！　彼に激しい闘志を燃やした美姫だったが、いつか心は彼に傾いて……!?

塔ノ沢（とうのさわ）の劇的プロポーズから話はとんとん拍子に進み、武道館での結婚式も無事終了。慣れない主婦となって幸せな新婚生活をスタートさせた長女・美姫（みき）。女の園の一角が崩れたと思ったら、次は、お手伝いの狛江百合（こまえ・ゆり）にお見合い話が舞い込んだ。相手は坂田モータースのおぼっちゃま・坂田正彦。その話を聞いて慌てたのが、出入りの青果店の息子・充だった……!?

超お金持ち豪徳寺（ごうとくじ）家のお手伝い、狛江百合（こまえ・ゆり）は現在、二人の男からプロポーズされ悩んでいた。なにもかも完璧なお金持ちのお坊ちゃんをとるか、気楽に付き合える青果店の跡継ぎをとるか……。お年頃乙女の気持ちは複雑です。そんなとき、次女・舞姫（まき）の勤める保育園に、新しい保育士・風祭怜（かざまつり・れい）がやってきた。子供が好きで、仕事に一所懸命で、でもちょっと生意気な怜に誘われるままに、一夜を共にしてしまった舞姫。“遊んでやる”つもりが、愛の罠（わな）にはまってしまったのは……!?

金目当ての年下と決め付けて、風祭怜（かざまつり・れい）を遠ざけようとした次女・舞姫（まき）。しかし、彼の本当の愛に触れついに覚悟を決めた。これで豪徳寺（ごうとくじ）家には妊婦が二人。そして残る最後の一人、三女・咲姫（さき）が愛してしまったのは、考古学部助教授・海老名（えびな）だった。が、彼は妻帯者。しかも、彼の妻・郁子（いくこ）は、咲姫の姉・美姫（みき）とは犬猿の仲!?　咲姫を侮辱したという口実（？）で、10年来の恨み、晴らさでおくべきか!!

豪徳寺（ごうとくじ）家の三女・咲姫（さき）の想い人は、考古学部助教授・海老名（えびな）。しかし彼は、考古学調査団の一員として、まもなくエジプトへと行ってしまう。しかも妻帯者、そのうえ奥様は咲姫の姉・美姫（みき）と犬猿の仲で前途多難。パーティで大喧嘩のあげくその騒ぎで早産した美姫は、咲姫に海老名を奪ってしまえとけしかける始末。悩む咲姫だが、もう気持ちをごまかしきれない。海老名と結ばれた咲姫だが、豪徳寺家と、海老名の妻の実家・林間（はやしま）家との全面戦争勃発～!?

長女・美姫（みき）、次女・舞姫（まき）ともにかわいい子供が生まれ、三女・咲姫（さき）の愛しい海老名（えびな）は、妻と無事離婚が成立。豪徳寺家（ごうとくじ）は、幸せと赤ちゃんの泣き声に包まれていた。お手伝いの狛江百合（こまえ・ゆり）は、心を決めかねて１年間付き合った恋人未満の二人に、いよいよ結論を出す。お坊ちゃまか、はたまた青果店の跡取りか!?

三女・咲姫（さき）も無事、海老名（えびな）と結婚式を挙げ、娘たち全員がお嫁に行った豪徳寺（ごうとくじ）家。これにて一件落着～かと思ったら、なんと、今度は母親・雅（みやび）が警視総監・下北沢（しもきたざわ）にひと目惚れしてしまったと告白。家族全員、あぜんとする。長年連れ添った妻を今も愛しているという下北沢に、この恋、一度は無理かと思われたが……!?　女の城・豪徳寺家の、奇想天外な恋の数々……。彩りも華やかに、完結!!