この所旨い話にありつけなかった俺は、高利貸しのオバチャンに金を借りて、色っぽくも恐ろしい取立てに悩まされていた。
そこへ入ってきた混線電話で、5億円の儲け話を知り、乗ることにする。仕事は、KO組が覚醒剤の取引に使う金を強奪する
というものだった。見事成功するが実は刑事の石神が陰で糸を引いていた。電話の混線だと思ったのは、こいつの仕業だった
のだ。石神は俺を殺して金を独り占めする気でいたのだが、オバチャンが拳銃を差し入れてくれたお蔭で形勢逆転。借金を
返してたっぷりお釣りがくる筈だったのに…。
「あぶく銭は身につかない」以下「5000万円の罠」「ブルーとレイン危機一髪」「動く標的ふたり」「セントバーナードの墓」
「現金は悪党たちの手に」を収録。