仕事の最中、ふと疑問を抱いた女性カメラマン・安西はるか。被写体のファッションモデルたちは確かに皆、輝くばかりに美しい。レンズを向けると、最高の表情とポーズを作ってもくれる。しかし、本当に自分が撮りたいものは、ここにはないのではないか……？　そんな折、知り合いのジャーナリスト・大介から報道写真を撮るようにすすめられ、一も二もなく承諾するはるか。だが、初仕事として向かったアジアの小国・ベルランディアは、豊かな自然にめぐまれながら政情不安な危険地域だった。日が暮れたあと、ホテルを脱け出し神秘的な泉を見つ...

着飾ったモデルを撮影することに、どこか物足りなさを感じていた女流カメラマン・安西はるか。報道カメラマンに転身しようと決意し、政治問題で注目を集めつつあった小さな国・ベルランディアへと旅立った。謎めいた洞窟で美しい青年と出会い、肌を重ね合わせたはるかは、翌朝のニュース番組を見て驚愕した。軍部が蜂起し、王宮が占領されたのだ。そしてゆうべの青年の正体はこの国の王子、ジゼル・イリス・クーリィ！　彼から託された紅い蜂の紋章が、重大な意味を持つことをはるかはいまだ知らない……。国外へ連れ去られた王子にもう一度...

報道カメラマンとしての第一歩を踏み出すべく、アジアの王政国家・ベルランディアへと降り立った安西はるか。そこで待っていたのは数奇な運命だった。王位継承権を持つジゼル王子と恋に落ち、秘密を封じた「紅い蜂」のアクセサリーを受け取ったはるか。だが翌日、軍部の過激派が王政廃止を求めて武装蜂起し、王子は何処かへ誘拐されてしまった！　はるかは身の危険を顧みずに東南アジアを尋ね歩き、神秘の都インドでついに再び王子と結ばれる。お互いを運命の人と感じ、添い遂げることを誓った二人。ところが、歓喜に沸くベルランディア王国...