父の死をきっかけに自分に兄弟がいることを知った朔(ハジメ)は、義兄・ヤシオが住み込みで働く、とある孤島のホテルへと向かう。最初はぎこちなかったものの、本当の兄弟のように過ごした幼い日の思い出話は少しずつ二人の距離を元に戻していくようだった。しかし、辺鄙な場所にあるにも関わらず客入りはいいようで、もっと話をしようにもヤシオはなかなかつかまらない。ヤシオを探し島をうろついていた朔は、ある夜、複数の宿泊客たちとSEXをする義兄を目撃してしまう。

父の遺した孤島のホテルで働く義兄・ヤシオが複数の宿泊客たちとSEXをしているところを見てしまった朔（ハジメ）。無理矢理ならば止めに入れたものの、その顔には確かに快楽が浮かんでいて…。自分の知らない間に変わってしまった義兄の姿に思い悩むハジメのぎこちない態度はヤシオに見透かされていた。男との乱交が好きで望んでやっていることだと言うヤシオに違和感を覚えたハジメはとある計画を思いつく。

男たちと毎晩乱交を繰り返すヤシオだが、それがただの性欲処理だとは思えない。ハジメはヤシオを問いつめるも、俺とお前では住む世界が違うと取り付く島もなく真意は聞き出せず、しかも大事な来客があると袖にされてしまう。ヤシオがまた見知らぬ男に抱かれると思うといても立ってもいられなかったハジメがヤシオの自室前で出会ったのは、かつての父の親友・深海だった…。

ヤシオがどうしてこの島に来たのか、そして何故体を売らなければならなかったのか…ヤシオに首輪をつけた久ヶ原、そして父の親友であった深海によって、そのすべてを知ることになったハジメ。それでもなお一緒に生きていきたいと告げるハジメにヤシオは涙し、ようやくずっと押し殺してきた「好きだ」という感情を言葉にすることができたのだった。

心を通わせながらも、ヤシオと朔はそれぞれの生活に戻っていた。そしてようやく再会の日、指折り数えて待っていたのは自分だけかと思っていたが、クールな表情の下、また会えたことへの嬉しさをぽつぽつとこぼすヤシオに朔は愛しさと興奮を爆発させる。なぜか兄であることに拘るヤシオに誘われるがまま甘やかされ尽くし、恋人になって初めての愛と快感しかないセックスに溺れる二人だった。暗闇の中、本当の愛を知った義兄弟ラブ、完結。