いつだって僕のそばにいてくれた姉のあーや。子供の頃「私が好きなのは碩（ひろむ）だけよ。碩も私だけを好きでいて」って言っていたのに、高校生になったあーやは突然彼氏を作った。本当は好きでもないくせに。だったら僕の親友、駿彦（としひこ）と付き合えばいいのに……。駿彦はあーやのことが好きだし、あーやだって駿彦のことを意識し始めている。それなのに自分の気持ちに素直になれないのは、子供の頃に言ったことを気にしている？ 弟を大切に思う姉と、姉に恋する親友。二人の恋を見守る弟の切ない青春ラブストーリー！

僕の親友、駿彦（としひこ）は僕の姉あーやのことを好いている。そのことを僕からあーやに伝える約束をしていたけど、結局僕は言い出せなくて……。あーやは相変わらず僕にお節介を焼いている。そうやってあーやは弟の僕にずっと鎖をつけて離さないと思っていたけど、僕はあーやの恋愛を邪魔しているわけだし、本当は僕があーやを繋ぎ止めていたのかもしれない……。 いつも一緒だった姉や親友。その二人が恋をして離れていく時、残された碩（ひろむ）はなんだか寂しくなってきて……。

あーやと駿彦（としひこ）を付き合わせ、駿彦をあーやと僕の宝物にしようと思っていたけど、駿彦を二人で分け合うなんてやっぱり無理だろうか？　駿彦は積極的にあーやにアプローチして、あーやも徐々に彼に打ち解けてきて……。二人の距離が縮まることをまだ受け入れられない僕は、二人の邪魔ばかりしてしまう。僕はたぶん、本当は子供のままでいたかったのかもしれない。僕のそばに姉のあーやがいて、親友の俊彦もいて。今まで通りでいたかったんだ。……だけど、僕も早く大人にならないと。 大切な姉と親友だからこそ、そばに置いておきたかった