雨の日は、きらい。おにいちゃんとふたりだけになっちゃった、あの日も雨だったから。大好きだったパパとママが死んで、おにいちゃんは頑張って入った学校を、私の為にあっさり辞めてしまった。そして私とおにいちゃんは、おにいちゃんのお友達の藤尾さんがお世話してくれたアパートに住むことになった。藤尾さんはお父さんが地主さんで、とても優しい人…。実は密かに憧れていたので、おにいちゃんから仕事で遅くなると連絡があった雨の日の夜、藤尾さんが突然やってきた時はびっくりしたけど嬉しかった。でも…まさかあんな…。やっぱり雨の日は、きらいー。大人気作『204 -light of room 204-』を完全フルカラー化!
204号室はうちの隣の角部屋で、ドアのポストにはいつもチラシが溢れていました。藤尾さんは、わーっとお話ししてくれたかと思うと、一言も話さないでただじっとしている事もあって――…でもやっぱり、この部屋に呼び出されてする事は一つでした。そして今日も、おにいちゃんが仕事でいない時間を見計らって私は藤尾さんに呼び出されていました。そしたら、まだ仕事中の筈のおにいちゃんが急に帰って来て…。大人気作『204 -light of room 204-』を完全フルカラー化!
あの後…具合良くなったかな。あんな…なんにもない部屋で、1人でどうしているのかな…。私…藤尾さんのことなんにも知らない…。藤尾さんのことをずっと考えていたら、久しぶりに呼び出しがあった。でも今回は204号室じゃなくて、外…。夜の公園に、裸にコート一枚だけ羽織って来いって…。こんなことダメなのに、私…藤尾さんのことを考えると、他になんにも考えられなくなっちゃうの…。大人気作『204 -light of room 204-』を完全フルカラー化!