マイペースで無口で無表情、なのに私だけに微笑んでくる――そんな彼は…『屍』だった！　交通事故で亡くなった佐藤くんが、ゾンビになって登校してきた。明るく人気者だった彼が、今や生前の習慣をなぞるだけの無機質な存在に…。でもそんなこと、クラスに馴染めない穂積（ほづみ）には関係ない話――と思っていたのに『ゾンビ佐藤』はなぜか穂積についてきたり、近くでじっと見つめてきたり！？　一体どういうつもりなの？？　彼はまだ佐藤くんなのか、それとも…。マイペースゾンビ×人見知り女子。ちょっと不思議な新感覚青春ラブ！

何を考えているか分からない、意思疎通もできない。なのに、毎日私の前に現れるのは――？　ゾンビに親近感が湧いた穂積。次の日、話しかけてみるけど特に反応はない。あのとき微笑んでくれたのは見間違いだった…？　だけど、胸の違和感は消えなくて…。

『彼』のことが、怖い。なのに、構いたくなるのはどうして――…ゾンビ佐藤を追いかけて、彼の自宅までたどり着いた穂積。流れでお邪魔しちゃったけど…もしかして大胆なことしちゃった！？　これ以上、深入りはしちゃダメだ…！　そう思うのに、言葉にならない気持ちが溢れて出て…

「そんなの、ただの死体だろ？」ゾンビ佐藤に敵意むき出しのクラスメイト・市橋。容赦ない言葉をぶつけてくる彼に、意気消沈する穂積だけど…。――私は、『佐藤くん』のことを何も知らない。知らないままでいいと思っていた。でも今は――…

ゾンビ佐藤にすっかり愛着が湧いてしまった穂積。しかし、彼と一緒にいられる期限は刻一刻と迫っていて…。そんな中、いつものようにゾンビを追いかけていた穂積は、ある出来事から「生前の佐藤くん」との意外な接点を知ることに…！？

ゾンビが学校に来なくなって二日。彼はついに消えてしまった――？　いつか来る別れが、こんなにも唐突だなんて…。意気消沈する穂積を見兼ねた市橋は「本当にいなくなったのか確かめに行けばいい」と告げ、ある提案を持ちかける――…

ゾンビ佐藤の隣で、迫りくる別れの時を静かに待つ穂積。ゾンビの彼と、生前の彼。様々な想いに揺さぶられては、後悔の念に駆られてしまうけど――…《手を差し伸べ、希望をくれた君。願わくば、ただ一度でいいから――》マイペースゾンビ×人見知り女子の青春ラブ、感動の最終回！