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蛍火艶夜 単話版

蛍火艶夜 単話版

13完結!

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作品のあらすじ
「男女の間じゃないと… 本来しない事をしてました」 1945年3月、徳島。 カメラマンの淀野は報道の為、特攻隊の写真を撮影に来ていた。 「若者が憧れるかっこいい兵隊」を撮らねばならぬことはわかっているものの、淀野に懐く、田中志津摩一飛曹の朗らかな笑顔についついレンズを向けてしまう。 志津摩の輝きに惹かれながらも、彼の運命を思い、うしろめたさを覚えてる淀野。 ある晩。 不意に淀野のもとを訪れた志津摩。 話し込むうちに、レンズ越しには見えなかった深淵が―― 「…じゃあ 俺にしてくれますか?」 いけないとはわかっていても、乱れゆく心と身体――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、劣情の第一夜。
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    「男女の間じゃないと… 本来しない事をしてました」 1945年3月、徳島。 カメラマンの淀野は報道の為、特攻隊の写真を撮影に来ていた。 「若者が憧れるかっこいい兵隊」を撮らねばならぬことはわかっているものの、淀野に懐く、田中志津摩一飛曹の朗らかな笑顔についついレンズを向けてしまう。 志津摩の輝きに惹かれながらも、彼の運命を思い、うしろめたさを覚えてる淀野。 ある晩。 不意に淀野のもとを訪れた志津摩。 話し込むうちに、レンズ越しには見えなかった深淵が―― 「…じゃあ 俺にしてくれますか?」 いけないとはわかっていても、乱れゆく心と身体――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、劣情の第一夜。
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    「貴様 男は抱けるか!?」 1945年1月――。 海軍航空隊兵舎では、月に一度堂々と酒宴を開いていい日がある。 夜も深まるなか、そこでは徐々に新兵たちへの“可愛がり”が始まっていく――。 新人整備兵・塚本太郎もまた例外ではない。 彼はひとよりも大きい男根をもって諸先輩方を笑わせてきた。 そんな酒宴も終わった深夜、ある男が声をかけてくる。 「貴様 何回くらい後家さんを抱いた」 男の名は橋内和。 戦闘機の運転がべらぼうにうまい皆のあこがれの中尉。 何故、声をかけられたのか戸惑う中、さらに続く言葉に――。 葛藤のはざまで呼応する心と身体――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、至上の第二夜。
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    「何であの日、断っちゃったんだろう」 橋内の願いをかなえるため、念入りに身体をほぐす塚本。 戸惑いを覚え、乱れながら、そんな彼に心を開いていく橋内。 念願の時、二人の間に交わされるのは――。 葛藤のはざまで呼応する心と身体。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、回億の第三夜。
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    「…お前、身体洗ったばかりか?  せっけんのいい匂いがする…」 1944年9月。太平洋戦争のまっ只中―― 海兵団出身の搭乗兵・田中志津摩二飛曹は、喜びを隠せずにいた。 ようやく憧れの絹の白羽二重のえり巻が届いたからだ。 配給から受け取ったえり巻を大事に抱え、心躍らせながら歩いていると、 ふと、夜空を見ながら煙草をくゆらせる人がいた。 不思議に思い声をかけた、志津摩は直後後悔する。 その人が、八木正蔵中尉だったからだ。 八木は、下の者に容赦なく鉄拳制裁を下すため、志津摩たちの間で恐れられていた。 話しかけてしまった手前、逃げ出すこともできず、しぶしぶ話に付き合うことになってしまった。 何を見ていたのかと問う志津摩に、ただ郷里を思い出していたと答える八木。 ただの世間話だったはずが―― 「…お前、身体洗ったばかりか?  せっけんのいい匂いがする…」 「八木さんも…何やら、いっいいにおいします!!」 そうして、夜が始まった――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、殉情の第四夜。
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    「…せ 戦争が、こんな生活がっ 終わったら…」 あの夜から始まった八木と志津摩の“交わり”。 次第に二人は体を重ねるだけではない夜を過ごす。 一方で、戦況芳しくなく、ついに志津摩たちのところにも“特別攻撃隊”を編成することとなり――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、凄愴の第五夜。
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    特別攻撃隊、出撃隊員に任命された八木。 収まりどころを見つけられない中、 酒井大佐に告げられた言葉に、押さえつけていた感情があふれ出し――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、慟哭の第六夜。
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    「この兵舎という場所にいて… 勃起したのは初めてだった――…」 1945年3月。 2週間も何ひとつ戦果を上げられず、ばくちのような出撃は軒並み空振り、 鬱憤のたまった兵たちのケンカに、「作戦会議」と称した宴会……と、 その日は生真面目な坂ノ上庚二少佐にとって、とにかく不愉快な一日だった。 乱痴気騒ぎに嫌気がさし、見廻りを口実に宴会を退出した坂ノ上は、 兵舎に戻るや否や、慌てて逃げる人影を目撃した。 「…ああ、面倒くさい」 犯人捜しをせねばならぬ状況にまたしても苛立ちを募らせていたその時、 空き部屋から何かが動く物音を聞いた。 胸騒ぎを覚えながら扉を開くと、そこには凌辱された男が……。 伴勇人一飛。 敵機の撃墜量も多いがケンカ早く、上官への態度もすこぶる反抗的で、兵士とも諍いばかり起こす問題児。 そんな男が、いま目の前で、あられもない姿をさらしている…… 坂ノ上は我知らず―――…… 一つの夜をきっかけに絡まり合う歪な二人の縁。 己の業深さに直面するとき、漢は産声を上げる――……。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、雄叫びの第七夜。
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    「…よりによって 何で俺なんだか」 相も変わらずめぼしい戦果はなく、兵はどんどん死んで行き、 若い連中からも気力が失われていったのかケンカも起きなくなった。 あの夜の交わり以来、伴の事が頭から離れない坂ノ上。 ふと妻子の写真に目をやり考えを巡らせていると、作戦室に呼ばれた。 「特攻作戦の構成員が決まった」 記されたその名前に――。 二人の漢の視線が合わさる時、解れ交わる夜が始まる――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、眩惑の第八夜。
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    「あいつの顔が見たい」 伴がやったことに戸惑いと憤りを覚える坂ノ上。 しかし、理由を尋ねても伴が答えるはずもなく、無情にも時は過ぎ、 特攻前夜。 私物を整理していくうち、己の心と向き合うことになる二人の漢。 ついに、特攻のその日を迎え――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、懐抱の第九夜。
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    『あいつ2日後 特攻に征くんです 「桜花」で』 1945年4月 鹿児島。 8人からなる部隊を率いる鳴子文一郎飛曹長は、取材に来ていた新聞記者に、自隊の鍵谷征士郎上飛曹の肖像を撮影してもらえるよう頼んだ。 2日後、「桜花」で特攻することが決まっていたからだ。 「桜花」―― 機首に徹甲弾を埋め込み、搭乗員を乗せたまま敵機に体当たりする攻撃機。その用途から降着装置はなく、「一式」と呼ばれる母機によって目標地点まで抱えられ……そして切り離される。 鳴子部隊はそんな「桜花隊」8人衆であった。 鍵谷の出撃を明後日に控え、にわかにあわただしい兵舎。 桜を見つけた長身の隊員・園は、鳴子にひと房手渡す。 それを見た鳴子は 「…これ あさってきーやに 渡せんかな!?」 と言い――。 散り征く者と、見送る者――想いが交錯するとき、 人はそれを何と呼ばうのか――。 特攻隊を舞台に繰り広げられる、漢たちのアツき魂のいななきを、濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、玲瓏の第十夜。