舞台は江戸時代、芳町（よしちょう）。男が春を売る陰間茶屋（かげまちゃや）・紫扇楼（しせんろう）の跡取り娘・一花（いちか）は川で溺れている美少年『のあ』を助ける。だが彼は紫扇楼に陰間として売られる道中で…【第一話「一花とのあ」収録】

舞台は江戸時代、芳町（よしちょう）。男が春を売る陰間茶屋（かげまちゃや）・紫扇楼（しせんろう）ので、跡取り娘・一花（いちか）と美少年・のあは幼馴染として育つ。まだ紫扇楼の仕事を理解していない一花だったが、身体の成長とともに現実を目の当たりにすることになり…。【第二話「極楽と苦界」収録】

陰間茶屋の楼主である父親が何者かに殺され、葬式が開かれる。失意の中、一花（いちか）は自分が楼主を継がなくてはいけないことを知り…。【第三話「葬式」収録】

紫扇楼を継ぎ、十七歳となった一花。陰間・のあへの淡い思いを抱く中、冬二郎から「まだ陰間の本質を知らない」と紫扇楼の現状を告げられて…。【第四話「花陰」収録】

舞台は江戸時代、芳町（よしちょう）。 男が春を売る陰間茶屋（かげまちゃや）・紫扇楼（しせんろう）の楼主である一花（いちか）は、陰間である『のあ』からの突然の口づけに動揺していた。 彼の本心が見えないまま、紫扇楼では「陰間歌舞伎」が開幕。 のあを狙う蝶子の魔の手が忍び寄って…。【第五話「歌舞伎と俄」収録】

舞台は江戸時代、芳町（よしちょう）。金文字屋の妨害のせいで、経営難に陥る紫扇楼（しせんろう）。松之丞（まつのじょう）の身請け話を断るため、金策を講じ単身で吉原に乗り込む一花だったが…。【第六話「陰間道中」収録】

舞台は江戸時代、芳町（よしちょう）。陰間道中が評判を呼び、紫扇楼（しせんろう）は大繁盛。年季明けが近い陰間・松之丞（まつのじょう）は辰と結婚の約束をする。幸せな姿を見せる松之丞だが、のあは思うところがあるようで…。【第七話「禍福」収録】

舞台は江戸時代、芳町（よしちょう）。馴染みの客に逆恨みされ、火事に巻き込まれた松之丞（まつのじょう）は意識不明の重体に。楼主として松之丞だけにかまけている場合ではない、と番頭・冬二郎は厳しい言葉を一花に告げ…。【第八話「伽羅の香」収録】