『ユサブル』の作品一覧
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実央マリー
- 理奈(りな)は、地方で両親が営む食堂の経営難を少しでも助けたいと単身上京し、小さなアパートに住み喫茶店で働きながら仕送りをしていたのだが、ある日店の常連客の鈴本宗雄(すずもと・むねお)と意気投合、つきあった末に彼の子を妊娠する。そのことを告げると宗雄は、自分の借金の肩代わりをして、母親が一人暮らす実家で同居して...
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佐香厚子
- 東西デパート美容部員として働く本吉笙子(もとよし・しょうこ/24歳)は、妻子持ちである宣伝部企画主任の逸見敏雄(いつみ・としお/31歳)と2年越しの不倫の関係にあった。1年前、彼の子供をおろして心身に浅からぬ傷を負った笙子は、そんな自分を納得させるためにも「妻はがさつな女だよ」「愛しているのはきみだけだよ」…そ...
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時田かける
- 普段は、関節炎を患い自力で歩けない兄の面倒をみながらひっそりと暮らしている、独身アラフォーの地味な女性・暮林月子(くればやし・つきこ)だったが、ある日、派手好きの友人・澄香(すみか)に誘われて、生まれて初めてホストクラブにやってくる。そこで出会ったのが、オリオンという源氏名で本名は弓野剛(ゆみの・ごう)という、...
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小牧成
- 美津子(みつこ)は、来る日も来る日も幼い息子・達也(たつや)をあちこちの病院に連れていっては受診させ、医者に病気の診断を仰いでいた。しかし、どの医者も答えはいっしょ…「検査の結果、お子さんはどこも悪くはないですよ」――そんなはずはない! いつもボンヤリしているし、顔色だってこんなに悪い…達也は何かの病気に決まっ...
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かわしま梨花
- 宇田川薫(仮名/うだがわ・かおる/43歳)は、東京都心にほど近い閑静な住宅街で、同じ歳の夫と十代の二人の娘とで豪奢な持ち家に暮らし、有名私立大学に在籍し公共経営学博士として研究を進めながら、声優・ナレーター・イベント会社経営・劇団主宰者・結婚式司会業などなど多数の肩書を持つ、いわゆる『意識高い系バリバリのキャリ...
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天龍寺弦/柳田東一郎/田中正仁
- 昭和19(1944)年、第二次世界大戦において、大西中将の発案により特攻が採用され、「特攻隊」が編成された。最初の作戦で素晴らしい成果をあげた特攻は、以来正規の艦船攻撃法として固定されることになる。…が、それは悲劇の始まりだった。航空機に爆弾を積載し、搭乗員もろとも敵艦に突入するという人間爆弾のごときその戦法は...
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天龍寺弦/左近士諒/田中正仁
- 坂井三郎――神の目を持った”大空のサムライ”! 笹井醇一――軍鶏と呼ばれた”ラバウルの貴公子”! 岩本徹三――撃墜数202機!不世出の最多撃墜王! 西沢弘義――奇跡の宙返り!伝説のパイロット!! 杉田庄一――死地をさまよった悲劇のエース! 第二次大戦時、世界最強とうたわれたゼロ戦(零式艦上戦闘機)を駆り、縦横無...
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天龍寺弦/左近士諒/田中正仁
- 加藤隼戦闘隊――いま、この名称を知っている人が一体どれだけいることだろうか? 第二次世界対戦当時、この名を聞いた味方は沸き上がり、その姿を目にした敵は震え上がったという。当時決して高性能とは言えなくなっていた「隼(はやぶさ)」を操っての、撃墜283機・地上撃破144機という戦果は驚異的と言う他ない。個人ではない...
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高橋晴雅
- 1941(昭和16)年12月8日朝7時55分(ハワイ日付7日)。晴れ渡ったハワイの空に突如現れた、日本海軍353機の真珠湾空襲部隊。攻撃隊の空母「翔鶴」飛行隊長・高橋赫一少佐が指揮する、急降下爆撃隊51機の放った一弾がフォード島水上機基地に炸裂! アメリカ軍真珠湾基地は混乱と驚愕におおわれ、ついに太平洋戦争の火...
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山平重樹/高橋晴雅
- 平成2年(1990年)9月17日、京都――。三代目会津小鉄総裁の図越利一は77歳の喜寿を迎え、その祝宴が同日午前11時より下京区の会津小鉄会館にて執り行われた。そこには四代目・高山登久太郎をはじめ、若頭・図越利次、舎弟頭・丸岡鉄太郎、本部長・伊藤護、組織委員長・前田勝治、風紀委員長・津田猛夫と、四代目会津小鉄最...
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水城瞳
- 【34歳・美容室経営の体験】幼い頃、女グセの悪い父親と別れた母を支えながら、姉と二人で力を合わせて生きてきた女性・森田はるか。彼女は中村大和(なかむら・やまと)という、自分と同じ母子家庭で育った彼氏と付き合っていたが、ある日、彼からプロポーズされる。大和の母親はスナックを経営するキツイ性格の女だということもあり...
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小牧成
- 【54歳・主婦の体験】主婦業と歯科衛生士の2足のわらじで頑張る50代の杉浦千里(すぎうら・ちさと)だったが、最近、75歳になる姑のボケ症状が着実に進行していることを感じ、夫と二人で手分けしてその介護のあれこれに奮闘する日々だった。そんな中で改めて痛感し、思わず深いため息をつかずにいられなくなるのは、たとえどれだ...
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実央マリー
- 【26歳・OLの体験】美人で、完全な女王様気質の母は27歳のときに父(当時30歳)と結婚しましたが、そのとき、求婚してきた父に言った言葉が「あなたは私のタイプじゃないけど、結婚相手にはいいかもね」でした。そして1年後私が生まれたものの、母に育児をする気持ちなどさらさらなく、幼い私は父の両親に預けられ育ち、その間...
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小牧成
- 【39歳・派遣社員の体験】そもそも弓子(ゆみこ)が、5才年下の彼女・岡本春季(おかもと・はるき)と知り合ったのは、高校時代の悪友・遠堂挙(えんどう・のぼる)から、彼の婚約者として紹介されてからだったが、いつの間にか挙は別の彼女と結婚し、気がつけば挙抜きで弓子と春季の友人づきあいは続いていた。なぜ二人は別れること...
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神崎順子
- 【47歳・専業主婦の体験】中村直美は20歳のとき、交際相手の森島涼太(28歳)とできちゃった婚し、彼が父親と二人で暮らす家に嫁ぐことになった。母親は8年ほど前に離婚して家を出ているということで、姑不在の結婚生活はさぞ気楽かと思いきや――とんでもなかった! 元教員の義父は多発性リウマチという重い病気を患い、何ごと...
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時田かける
- OLの千田亜紀子(せんだ・あきこ)と賃貸アパートで二人暮らしをする母親は、もう何年もずっと亡くなった父親が遺した負債を地道に働きながら返し続けていたが、これまでいくら亜紀子が自分も返済に協力すると申し出ても、それに甘んじてはくれなかった。娘に迷惑をかけたくないという思いゆえだろうが、正直亜紀子としては自分が家族...
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高橋瞳子
- 夫と娘の奈緒(なお)の三人で暮らす専業主婦の関本愛(せきもと・あい/32歳)には、36歳の姉・小阪薫(こさか・かおる)がいた。売れっ子の翻訳家として活躍する薫は高収入の独身で、サラリーマン家庭のシビアな家計を切り盛りするせちがらい暮らしを送る愛から見ると、優雅で気ままに好き勝手な生活を楽しんでいるようにしか見え...
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祐木純
- パート主婦の三枝柚希(さえぐさ・ゆき)は、運転手の夫・亮太(りょうた)と小三の息子・光太、そして光太が拾ってきた愛犬・コロの3人と1匹家族で、にぎやかかつ幸せな生活を送っていたが、ある日、光太を交通事故で失うという悲劇に見舞われてしまう。悲しみ打ちひしがれる柚希…それでもなんとか前を向き、再び平穏な日々を取り戻...
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時田かける
- ある日突然、夫の昭彦(あきひこ)が自宅アパートで縊死自殺した。すぐ隣りで寝ていながらそのことにまったく気づかなかった妻の瑞恵(みずえ)は、衝撃と悲しみのあまり呆然とするばかりだったが、そこへ姑の昭子(あきこ)が「昭彦の遺書があるはずだ!」と言って乗り込んでくる。しかし、どこをどう探しても遺書はなかった。では一体...
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時田かける
- 古川絵里子(ふるかわ・えりこ)の夫・敏也(としや)は、生命保険会社に勤めているが、元々いた経理部門から営業部門へと異動になった1年ほど前から、目に見えて元気をなくしていった。原因は営業成績を思ったようにあげられないがゆえの、上司からの凄絶なパワハラだった。心配するばかりの絵里子…するととうとう、ある日敏也は電車...
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大島真知子
- 主婦の西口香子(にしぐち・こうこ/35歳)が、アルツハイマーを患った母の面倒をみるため、夫と息子の3人で暮らす家に引き取ったのは3ヶ月前のことだった。母と同居していた父は足が不自由で、妹には二人目を妊娠しているからと言って断られて仕方なくという形だったが、いざ実際に引き取り、痴呆ゆえの理不尽さに苦労しながら相対...
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高橋りえ
- 最初の結婚に失敗した玖美(くみ)はその後心機一転、転職した先で今の夫・英二(えいじ)と知り合い再婚したが、彼もまた10年前に妻と死別し中学1年生の娘・梨乃(りの)がいる再婚組だった。最初こそ年頃の義理の娘との接し方に悩み苦労した玖美だったが、ファッションのことや友達のこと…なんでもフランクに話すことで、少しずつ...
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小牧成
- パート主婦の綾子(あやこ)は同じアパートに住む同年齢の主婦・葉月(はづき)と親しくしていたが、ある日突然、自分が勤める公営住宅管理事務所に顔面を腫らし全身キズだらけになった葉月が訪ねてきて驚愕してしまう。実は最近、公営住宅の入居条件が変わり、DV被害女性が優先的に入居できるようになったのだが、葉月は度重なる夫の...
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時田かける
- 愛する夫と娘の3人、幸せな結婚生活を送っていた主婦の林田実咲(はやしだ・みさき)だったが、ある日突然、離れた実家で一人暮らしをしていた父・英明(ひであき)が脳溢血で急逝したことで、そんな日常が一変した。当初、英明は妻(実咲の実母)と死別したあと、郷子(さとこ)という女性と再婚したものの、彼女と実咲の間がうまくい...
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杉尾尚子
- 主婦の大森征子(おおもり・まさこ)は、夫の和朗(かずお)と3人の子供たちと暮らしていたが、実は姑が二人いるという特殊な身の上だった。もともと和朗は姓を原(はら)といい、大森家の人間ではなかったのを、とある事情で今の大森家の養子になったという事情があり、原みつ子という産みの母親と、大森の義母という育ての母が存在す...
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長広洋子
- 有子(ゆうこ)は、腕のいい整骨医の夫と幼い息子・直也(なおや)の三人家族で暮らしていたが、最近、心身ともに疲れていた。勤め先の整骨院の院長への不満からくるイライラを夫からぶつけられ、一方でそれゆえに院長に気をつかわざるを得ない妻としてのストレスを抱えて……でもそんなとき、近所に越してきた裕福な主婦・友部真由里(...
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高橋瞳子
- 勉強に部活動に、中学校までは優秀で順調だった諒介(りょうすけ)の青春の歯車が狂ったのは、名門のH高校に入学してからだった。授業の難しさについていけなくなり、テニスの部活では他の部員たちのやる気のなさに幻滅し……すっかり落ちこぼれ、目標を失くした彼は高校卒業後、夜ごとフラフラと街を遊び歩く日々をすごすようになり、...
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かわしま梨花
- 2009年9月14日、T県警によって設置された『首都圏連続不審死詐欺事件』特捜本部によって、一人の女が14件の詐欺容疑および、それにからんでなんと5人の男性の殺人容疑で逮捕された。女は高級グルメや一流ブランドなどをたしなむセレブを気取ったブログ記事で少なくない女性読者たちから支持を集めていたが、その実態はぽっち...
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なせもえみ
- 2才上の姉・真実(まさみ)は、妹である私・理実(さとみ)にとって、幼い頃からずっと嫉妬と怨嗟の対象だった。二人同時にピアノを始め、私のほうが上手だというのに姉だけが音大に進み、せめて結婚は私のほうが先にとお見合いの話を呑んだのに、直前でいきなり姉がデキちゃった婚……そしてまさか、そうやってことごとく私の幸せをつ...
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時田かける
- ある日突然、OLの三方亜依子(みかた・あいこ)の前に現れたのは、ゆうゆう金融代表取締役の松藤(まつふじ)という中年男で、彼女の恋人の本田勤(ほんだ・つとむ)に貸した金を、保証人になっている亜依子に返せという。勤は長年の夢であるレストランを始めたはいいものの営業が軌道に乗らず、亜依子も知らない間に夜逃げして消息を...