『ユサブル』の作品一覧
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実央マリー
- 【36歳・主婦の体験】貧しい母子家庭で育った清水珠江(しみず・たまえ)は中学を卒業後、美容師の道へと進むが、父のいない寂しさをまぎらわすかのように幾多の恋愛を経たものの、なかなか結婚することができず……ようやく26歳のときに婚活パーティーで出会った10才年上の宮田功(みやた・いさお)に見初められ、彼の家に嫁ぐこ...
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小牧成
- 後藤香織(ごとう・かおり/25歳)は、小さな通販会社に勤めるOLとして、日々本業の総務仕事に、加えて煩雑なカタログチェックにと、過酷な業務に忙殺されていたが、それら以上に苦手なのが、お局OLの田中玲子(たなか・れいこ/30歳)の存在だった。香織ら若い社員たちの仕事ぶりを事細かにチェックし、ミスをあげつらい、厳し...
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水城瞳
- 主婦の野村芳恵(のむら・よしえ)は、小学生の娘の智花(ちか)の扱いに手を焼いていた。どうやら級友からいじめに遭っているようで、学校に行きたくないと言って、現在不登校状態にあるのだ。そして代わりに、学区外の自然豊かな山あいにある『ひばり小学校』へ行きたいと言う。そこは総生徒数17人というごくごく小規模な学校だった...
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暮林せな
- 夫の良樹(よしき)と娘の真奈(まな)と三人、幸せな家族生活を送っていた主婦・絵美(えみ)をある日突然、衝撃的すぎる事態が襲った。なんとその14年間夫婦として連れ添ってきた夫・良樹が性同一性障害であることを知らされたのだ。つまり身体は男性でも、心は女性だということ……診断を下した医師によると、自分の肉体の性に違和...
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佐香厚子
- 私・青木祥子(あおき・しょうこ)と、彼女・藍原貴子(あいはら・たかこ)は幼い頃から、お互いに裕福な家の娘同士なかよしだった。ところが、私の父の会社が倒産したことによって、二人の人生は大きくかけ離れていった。父は心労で他界、私と母は屋敷を手放して小さなアパート住まいの生活となり、働く母を支えるために私はアルバイト...
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長広洋子
- フリーのルポライターの夫を持つ逸美(いつみ)は、それゆえに不安定な家計を支えるべく、家事にパート勤めに一人娘の沙紀(さき)の子育てにと、日々がんばる主婦だったが、あるとき、離れて一人暮らす母が末期の胃がんで余命数ヶ月の状態であることを知らされる。心配して身の回りの世話を焼こうとする逸美…しかし、何しろ相手はガン...
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高橋瞳子
- 寝坊助だけど、明るく快活な小学6年生の息子・純也(じゅんや)が、ある日突然、学校で死んだ。教師の話によると、給食時間中にパンを喉に詰まらせての窒息死だというのだが、間近でその様子を見ていた仲のいいクラスメイトの直之は「班の皆と3秒でパンを食べられるかどうかの競り合いになった挙句…」という当時の状況を話してくれた...
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高橋瞳子
- 戸山美月(とやま・みづき/32歳)は、文具メーカー勤務の夫・秀次(しゅうじ/39歳)と二人、一戸建ての持ち家に暮らしていたが、ある日、秀次の田舎の幼なじみの息子・凌(りょう)の面倒を見なければいけないはめになる。凌は中学を出たばかりだが、田舎だとほとんど就職先もなく、都会で勤め先が見つかるまで預かってほしいとい...
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実央マリー
- フリーの建築士としてバリバリ稼いでいた浜村鮎子(はまむら・あゆこ/29歳)だったが、これまで一度も男に縁がなく、結婚相手探しに焦っていた。そんなとき合コンで知り合った、大手コンピュータ会社の社員だという男・野川渉(のがわ・わたる)と知り合い、その日のうちにベッドイン! たちまち渉は鮎子の一人暮らしのマンションに...
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小牧成
- 「た~けや~、さおだけっ」…誰もが一度は聞いたことがあるのではないだろうか? 住宅街をゆっくりと軽トラックで回り、「2本で千円!」という信じられない低価格を連呼する存在。“物干しざおなんて消耗品じゃなし、そんなに何本も売れるものかしら? 利益なんて出るの?“…あるとき、そんなふうに訝しく思った一人の主婦が、興味...
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宮城朗子
- やさしい夫と二人、幸せに暮らす主婦・佳菜(かな/26歳)だったが、その心中には、昔自分のことを捨てて男と駆け落ちした実母への許しがたい憎しみを秘め続けていた。「私の母親は、父がその後再婚した良子(りょうこ)さんだけよ!」実母への深い憎悪の反動ででもあるかのように、深い愛情を持って自分を育ててくれた養母への信頼と...
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大島真知子
- それはまさに青天の霹靂だった…あの真面目でやさしい夫が痴漢容疑で逮捕されるなんて――! その日の朝、夫は風邪気味の妻に代わって朝食を作ってくれた上に、イヤな顔ひとつせずゴミ出しまでしてくれて…おかげでいつもより15分遅い電車に乗って勤めに向かったのだが、その満員の車中で近くにいた女子高生から痴漢行為を訴えられ、...
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鹿野景子/唐沢俊一
- やり手の女性部長として職場で厳しくにらみをきかせる桑原苑枝(くわばら・そのえ)は、妻子ある若きイケメン社長と不倫の関係にあった。ところがある日、実は社長には苑枝のほかにもう一人、社内に不倫相手がいるというウワサを聞いてしまい、しかもそれは、いつも苑枝が仕事上の失態を叱責している、若いだけが取り柄のバカOL・高山...
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なせもえみ
- 派手めで我の強い女・三善敦代(みよし・あつよ)は、都会で愛人生活を送っていたがあえなく捨てられ、その相手との間にできた娘・あゆかを連れて、すごすごと生まれ故郷の田舎に帰ってきた。実家に戻れば母親から辛く当たられるに決まってる…そう思うと憂鬱になる敦代。そんなとき、昔同じ陸上クラブの仲間だった内野曜子(うちの・よ...
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時田かける
- ウェディングドレスに身を包んだ三谷玲子(みたに・れいこ)は呆然としていた。まさにこれから結婚式を挙げようという新郎の天野京介(あまの・きょうすけ)が一向に会場に現れないのだ。もちろ
ん、そのほか出席するはずの彼の親族等も一人も姿を見せず、さらには新婦側の招待客たちから集められたご祝儀も忽然と無くなっていた。そ...
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佐香厚子
- 28歳の森末晶美(もりすえ・あきみ)は、夫・亮介(りょうすけ/32歳)と、幼稚園児のひとり娘・真奈(まな)の3人家族で幸せに暮らす平凡な主婦だったが、ある日何者かが『ご主人にはほかに好きな女がいる』と書かれたFAXを送ってくる。ただのいたずらかと見なかったことにする晶美…しかしほどなく、亮介の背広に自分のもので...
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本堂淳一郎/天龍寺弦/左近士諒
- 昭和25年(1950年)1月18日午前3時、広島県呉市。呉警察署の捜査員一行は、殺人容疑で手配だった『悪魔のキューピー』こと大西政寛が潜伏しているとの情報を受け、暴力団・山川組関係者宅を包囲した。大勢の警官たちがなだれ込むと、果たして大西の姿はそこにはなく…かと思いきや、コタツの中に身を潜めていた大西が姿を現す...
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神崎順子
- 【29歳・主婦の体験】一人目の夫・尾形は借金癖がある上に、乱暴なDV夫だった。当初は激情しやすいその性格も自分への愛と執着の証と思い、なんとか耐え忍んでいた私だったが、暴力の矛先がとうとう二人の幼い子供たちに向かわんとしたとき、ついに私は彼のもとを去った。その後、女手一つで幼い子供たちを育てながら働く日々は大変...
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実央マリー
- 【29歳・主婦の体験】私の母・文子(あやこ)は今、66歳になりますが、もう長い間ずっと精神科に通っています。なぜそんなことになったのか? これは母の苦労ずくめの信じがたい半生を綴ったものです――…。生まれつき体が大きく頑丈だった母ですが、田舎育ちゆえに都会での生活に憧れ、姉と一緒に上京して小さな店で商売を始めま...
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小牧成
- 【54歳・デパート勤務の体験】5人兄妹の長女である私の母の末妹・未知(みち)叔母さんが、72歳で亡くなった。老朽化してボロボロの自宅賃貸アパートでの孤独死だった。そもそも仕事一筋に生き、生涯独身を通したものの実家である持ち家一軒家に住み、悠々自適の年金生活を送っていた彼女が、なぜこんな侘しい最期を迎えなければな...
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神崎順子
- 【55歳・歯科衛生士の体験】これは、私の友人・町田由香利(まちだ・ゆかり/42歳)を巡って、固い友情と信じがたい戦いの顛末を綴った、本当にあった物語です。私と彼女が出会ったのは今から二十数年前、お互いに独身の一人暮らしという境遇もあってすぐに意気投合し、仲良くなりました。とはいえ、もともと自立心の強い私に対して...
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剣名舞/大矢結子
- 風雪吹きすさぶ北の果て、北海道T女子刑務所。一人の女囚が収監されてきた。名は柊 悠紀(ひいらぎ・ゆき)。持ち前の美貌と器用さを悪用し数々の男たちを手玉にとり、金をだまし取ってきた末に、その中の一人を誤って死なせてしまったという詐欺・過失致死の罪だった。ときに敵対し、ときに共感を有しながら、同房の個性的な女囚たち...
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剣名舞/大矢結子
- 風雪吹きすさぶ北の果て、北海道T女子刑務所。一人の女囚が収監されてきた。名は柊 悠紀(ひいらぎ・ゆき)。持ち前の美貌と器用さを悪用し数々の男たちを手玉にとり、金をだまし取ってきた末に、その中の一人を誤って死なせてしまったという詐欺・過失致死の罪だった。ときに敵対し、ときに共感を有しながら、同房の個性的な女囚たち...
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剣名舞/大矢結子
- 風雪吹きすさぶ北の果て、北海道T女子刑務所。一人の女囚が収監されてきた。名は柊 悠紀(ひいらぎ・ゆき)。持ち前の美貌と器用さを悪用し数々の男たちを手玉にとり、金をだまし取ってきた末に、その中の一人を誤って死なせてしまったという詐欺・過失致死の罪だった。ときに敵対し、ときに共感を有しながら、同房の個性的な女囚たち...
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佐香厚子
- 岩手県宮古市でフルートとピアノの教師をしつつ、コンサートなどの演奏活動も行っている音楽家の野崎千賀子(のざき・ちがこ)。彼女が震災に見舞われたのは、母を車で病院へ送ったあと、自宅でピアノの生徒が来るのを待っているときだった。襲い来る大津波の中、母も彼女自身も奇跡的に九死に一生を得たのだが、代々続いた実家も何もか...
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佐香厚子
- 2011年3月11日14時46分18.1秒に発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震によって、東北地方を中心に12都道府県で2万2312名の死者・行方不明者を出した東日本大震災。数多くの人々が、愛する人を、ものを、場所を失った、この未曽有の悲劇の渦中で、未来への希望を胸に立ち上がった女たちがいた――…...
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佐香厚子
- 住み慣れた家を、愛する夫を、そして大切な家族を、震災による大津波で一瞬にして奪われ、荒れ果てた瓦礫の中に呆然と立ち尽くす3人の女たち…その中のひとり、草花や樹木をこよなく愛する吉田正子(よしだ・まさこ)は、美しい植物を植えて壊滅した土地を華やかに彩り復活させたいと願うものの、辺りを埋め尽くす膨大な量の瓦礫に一旦...
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佐香厚子
- 高田晴美(たかだ・はるみ/60歳)は一人古びたアパートに住み、介護士として働いていた。すぐ近くのアパートには元夫の高田義尚(よしなお/62歳)が独居し、4人の子供たちは皆それぞれ自立して暮らしていた。晴美と義尚が別れたのは、義尚が商売で失敗し負債を抱え、あくまでその累が晴美に及ばないようにするための形式的なもの...
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天龍寺弦/山平重樹/松久由宇
- 昭和5年(1930年)・春、石川県七尾市。七尾商業高校に、「ケンカは七尾で一番、剣道の腕でも部長とタメを張り、酒も底なしの大酒豪」と評判をとる1年生がいた。その名を浜本政吉(はまもと・まさきち)――そのバカ強さから自ら“バカ政”と名乗ったこの男こそ、その持ち前の腕っぷしと気風のよさで、のちに東京・銀座でみるみる...
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暮林せな
- 結婚して、父母の住む実家を出て暮らす主婦・原田ゆう子の元に、ある日衝撃の悲報がもたらされる。なんと父が家に火を放ち、母を殺したというのだ。ゆう子には信じられなかった。元々亭主関白な父だったが、母が一人では歩けない体になってからは、まるで人が変わったように母を大事にし、介護に家事にと甲斐甲斐しく一人でがんばってい...