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県立御陀仏高校

県立御陀仏高校
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作品のあらすじ
1984年に時代を先駆したギャグ作品『黒のもんもん組』の連載終結後、猫十字社氏は舞台を『プチフラワー』(小学館)に移して、この作品の連載を開始しました。 『プチフラワー』は、竹宮惠子氏の「風と木の詩」、萩尾望都氏の「メッシュ」などをはじめとして、のちに長く語り継がれる作品を掲載し続けた、少女漫画の最先端の雑誌でした。 この最先端の舞台で、猫十字社氏のギャグ作品はさらに豊かな広がりを見せます。 この作品は、前作「黒のもんもん組」の延長線上に位置づけられており、また、確かにその過剰なまでのエネルギーの迸りは、前作に連なるものが感じられます。 しかし、キャラクターと作者の距離感が微妙に変化しています。 「黒のもんもん組」に登場するキャラクターは身近な人物を作者の圧倒的な才能で容赦なく(否定的な意味ではありません)デフォルメして動かしているのですが、本作に登場する人物は、キャラクター設定に一定度の設計意図が感じられます。 キャラクターを勢いで動かすのではなく、作品世界の構築を前提として、キャラクターを位置づける意図が感じられます。 そのため、本作は「黒のもんもん組」に比べ、ある意味で分かりやすく、より一般的な広がりを持った作品に仕上がっています。 本作は、この意味で少女画ギャグ作品の優れた代表として位置づけられているのです。
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    1984年に時代を先駆したギャグ作品『黒のもんもん組』の連載終結後、猫十字社氏は舞台を『プチフラワー』(小学館)に移して、この作品の連載を開始しました。 『プチフラワー』は、竹宮惠子氏の「風と木の詩」、萩尾望都氏の「メッシュ」などをはじめとして、のちに長く語り継がれる作品を掲載し続けた、少女漫画の最先端の雑誌でした。 この最先端の舞台で、猫十字社氏のギャグ作品はさらに豊かな広がりを見せます。 この作品は、前作「黒のもんもん組」の延長線上に位置づけられており、また、確かにその過剰なまでのエネルギーの迸
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    「県立御陀仏高校」の校長は重要文化財の大仏で、チョーク投げの奥義を極め、一日の終わりには金パックを忘れない。 教頭は十一面観音で、数学の教師は阿修羅。 英語の教師はイエスで、校務員は実直な仮面の下に「なにか」を秘めている通称「毛皮のモーリン」。 そして生徒は「家事百房」という家庭科の究極の修練を修めたモモちゃんと、馬をペットにしているたっつぁん、そして脈絡なく現れたゴル子さん……、キャラクターをただ並べているだけで、何が何だか分からなくなる本作は、まさに、少女漫画界に異彩を放つ、不滅のシュールなギャ
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    前巻のご紹介で、この作品は文章でご案内することが不可能であると、書いています。文章を連ねるほど、シュールで、けた外れの作品世界を損ねてしまう気がするからです。 この破天荒な作品が登場した時代、日本はバブルの絶頂を迎えていました。 バブル経済を懐かしがる方もいらっしゃいますが、一方でこの狂乱の時代はかけがえのない価値を取り返しのつかない形で破壊し、多くの人々がその潮流とともに自分を見失っていきました。 しかし、「県立御陀仏高校」の視点は、あくまでも漫画表現を創造的に読者に届ける、というプロのこだわりに