ゲーム中に突然死してしまった孤独なおっさん。彼は死後の世界で出会った存在に、三カ月のチュートリアル後に異世界に転生させると言い渡される。しかしなぜかチュートリアルは中々終わらず、転生できたのはなんと15年後──!?　しかしその期間、持ち前のゲームスキルで自己の効率育成を進めた結果、彼のステータスとスキルは最強級になっていた。前途多難から始まった、やりたい放題の冒険譚が、今幕を開ける――。

天界の手違いにより、異世界転生前のチュートリアルを、通常の三カ月ではなく十五年もやる事になってしまったテンマ。しかしその期間、持ち前のゲームスキルで効率的なステータス育成を進めた結果、彼の能力値は最強級になっていた。転生後、あまりに人と話すのが久々すぎて、最初の村に入るのにも大苦戦してしまうテンマだったが、親切な獣人の村人、ランガに居候させてもらえる事になる。ようやく落ち着いたため、久々に空間魔法を使って、自分だけの部屋を呼び出してみると、そこには十五年間の苦楽を共にし、もう二度と会えないと思っていた友の姿があった――。

十五年ものチュートリアル期間を経た上で、相棒のナビ、ガイルと共に異世界へ転生したテンマ。辺境の村に住む獣人、ランガとその家族に居候させてもらう事になり、恩返しとして村のインフラ整備などに協力する。ところが、よそ者の活躍で自分の権力が脅かされると邪推した村長の息子、ウジロネにより、危険な仕事を依頼される。しかも、同行するのは、冷静な判断力と強靭な身体能力を持つ刺客、ズラタン。いつ背後から刺されるかも分からない状況の中で、テンマは、ズラタンが悪い人間では無いのではないかと考え始める。力だけで解決するのは簡単だが、そうはしたくない。テンマの想いと選択が、予想外の事態を巻き起こしていく──！